大統領の一時的DC支配の背後にある理由の分析

Photo credit : USA Today

ワシントンDCでは早速昨夜からFBIがパトロールを開始し、州兵は12日にDCの本部に到着した様子が複数のメディアのビデオを通して判明している。近年全てのカテゴリーによる犯罪は大幅に減少している中で、複数のメディアは、この動きには隠れた幾つかの理由があると見ている。大統領は11日のホワイトハウスの記者会見で、ホームレスを除去することを手短に触れたことや、DCには黒人が多い事に関連性があるとの分析もある。また、DCの資産価値を上げるために修繕を行うことを考慮している可能性もあるという。

ニューヨーク・タイムスはFor Trump, Cities Like Washington Are Real Estate in Need of Fixing Up(トランプにとって、ワシントンのような都市は修繕が必要な不動産である)というタイトルの記事を12日に掲載し、次のように説明している。トランプ大統領は最近、「不動産業者としての自然な本能です。私は不動産業にとても長けていたし、物事を修繕するのも得意でした。修繕が好きなんです」と記者団に語った。ホワイトハウスの執務室は金色のデコレーションが飾られている中で、大統領は、ワシントンの改修計画と最近での改修に言及した。大統領は、「ゴミ、落書き、道路の穴、ホームレスなどをワシントンから一掃すると約束したが、暴力犯罪が最近30年ぶりの低水準にまで減少しているという事実を無視した」と同紙は述べている。大統領は、「私たちはこの街を再び美しくするつもりだ。犯罪をなくし、そして同時に、私たちができること、つまり、私が前世の経験から誰よりも得意としていることを実行に移していくつもりだ」と言った。大統領はある日、不動産開発業者として彼を指導した父フレッド・トランプから受けた教訓を振り返り、「父はよくこう言っていた。『息子よ、レストランに入って玄関が汚れていたら入るな。玄関が汚れていたら、厨房も汚れているからだ』と言った」と述べた、さらに「首都でも同じだ。首都が汚れていれば、国全体が汚れている。そして、彼らは我々を尊重しないのだ」と言った。しばしば「不動産と資産価値というレンズを通して世界を見てきた」彼は11日に、ロシアがウクライナから「非常に貴重な領土」を奪取したと述べた。同氏は「不動産業界では、オーシャン・フロントの不動産と呼ぶのだ。そこは常に最も価値のある資産だ」と述べた。

一方、NBC Newsは、Trump’s unprecedented takeover of D.C. police comes as crime is down, figures show(トランプによる前例のないワシントン警察の統制は、犯罪が減少している中で行われていることが数字で示されている)との記事の中で、ニューヨーク市警を退職し、4年前ワシントンD.C.のダウンタウンにあるシンクタンクで働き始めたジリアン・スナイダーの会話を引用した。コロナウイルス・パンデミックのピーク中だった当時、DCの雰囲気は全く異なっていた。スナイダーは 「ホワイトハウス近くの14番街や16番街を歩けば、必ずと言っていいほど無秩序な光景と、ホームレスの野営地が目に入った。今はずっと清潔で、ずっと安全だと感じる」と語った。スナイダーを含む6人の警察・軍事専門家は、トランプ大統領が前例のない決定を下し、首都警察を掌握し、ワシントンD.C.の犯罪対策に州兵を投入するという決定を下したことに困惑していると述べた。

APニュースは、州兵がワシントンD.Cに到着した12日にTrump’s rhetoric about DC echoes a history of racist narratives about urban crime(トランプのワシントンD.C.に関する発言は、都市犯罪に関する人種差別的な言説の歴史を反映している)との記事を掲載し、「多くの住民にとって、「連邦軍が各地域に押し寄せる可能性は、地方自治権の侵害を憂慮すべき事態」だと捉えられた。一部の人々にとって、歴史的に政治家が、あるいは黒人が多数を占める都市や地域を「人種差別的な言葉で描き、世論を操作し、警察の攻撃的な行動を正当化しようとした、不快な歴史的出来事を彷彿」させる。長年ワシントンD.C.に住み、草の根運動活動家であるエイプリル・ゴガンズは、トランプ大統領の行動に驚いていなと述べた。

ジョージ・フロイドの殺害を受けて人種差別反対の抗議活動が行われていた2020年夏、トランプ大統領が軍隊を派遣して以来、ワシントンD.Cの「地域社会は連邦政府による弾圧の可能性に備えていた」という。約10年間、地元の抗議活動をコーディネートしてきたゴガンズは「私たちは警戒を怠ってはなりません。政治的立場に関わらず、あなた自身、あなたの子供、あなたの祖母、あなたの同僚が、暴行を受けたり、特定の権利を侵害されたりする可能性があることを理解してください」と述べた。彼女は、法執行機関の一時的増強が住民の自由にどのような影響を与えるかを懸念していると述べた。近年、犯罪とホームレス問題は住民にとって最大の懸念となっているが、この問題の解決策については住民の間で意見が分かれている。またワシントンD.Cの住民のほとんどは、11日に大統領が彼らの生活を悲観的に表明したような見方を否定している。

要するに、タイムス紙は、トランプ大統領がDCを修復するその計画を実施するには、その期間に警備が必要であることを示唆した。大統領は自分の周囲を彼が好む色、デザイン、配置などに拘る傾向はあると思われる。大統領が執務室にゲストを招待する機会は頻繁である。特に大統領が黄金色の椅子に座る暖炉付近のイメージは黄金色で染められており、テレビ・ニュースの視聴者が見逃すことはないほど目立っている。また、大統領の11日の記者会見での発言の中には、黒人が多いDCでホームレスを含む複数のグループがターゲットにされる可能性があることを草の根運動活動家が懸念していることを示唆した。しかし、派遣された州兵やFBI捜査官らが今後どのような行動を取り、どのような展開になるかは不明である。しかし、DC自治法によると、大統領がDC首都圏の警察を統制できるのは48時間であり、最初に大統領が発表したように30日間以上である場合、共同決議を通して、連邦議会の承認を得る必要がある。しかし現在、議会は夏休みの休暇中である。DCの住民は11日からのホワイトハウスの動きを歓迎していないだけでなく、DCの若い世代は、素早く抗議活動を開始するなど、州兵、FBI捜査官、警察の増員など、住民らが12日から見ている展開には関係者が懸念を表明しているという。

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