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今日(8月20日)の主要メディアのトップ・ニュースは、連邦準備制度理事会メンバーで、顕著な経歴のある黒人女性が、ホワイトハウスの最高指揮官によって、住宅ローンの不正行為があるとして、辞職の要求に直面していることである。住宅ローン詐欺の主張は一体どこから来たのか?大統領は連邦準備制度理事会メンバーを解雇する権利があるか?などの疑問を解明する必要がある。
この課題についての記事で「トランプが解雇を要求……」のタイトルの記事は検索結果の最初のページだけで、Axios、 The Washington Post、WSJ、 BBC、 The New York Times、New York Post、CBS、 CNBC、Reuterなど、ほぼ全ての主要メディアが掲載していることを示し、突然、顕著な経歴のある黒人女性が浮上している。リサ・クック(右)は1964年にバプテスト病院の牧師の父とジョージア大学の看護学教授の母との間に生まれ、ジョージア州ミレッジビルで育った。スペルマン大学とオックスフォード大学セントヒルダズ・カレッジで学士号を取得し、シェイク・アンタ・ディオプ大学で修士号を取得し、カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得した。ミシガン州立大学で経済学と国際関係論の教授を務め、アメリカ経済学会の執行委員会のメンバーであり、国際経済、特にロシア経済の権威であった。彼女は、ナイジェリアやルワンダ政府の政策立案者への助言に携わってきた。シカゴ連邦準備銀行の理事に選出された彼女は2022年5月にジョー・バイデン大統領によって指名され、上院議会で承認され、同年5月23日から、連邦準備制度理事会(FRB)の理事を務めているアメリカの経済学者であり、アフリカ系アメリカ人として、理事に就任した初の女性である。ほとんど知られていなかったリサ・クックは2025年8月20日、突然世間に知られる女性となった。なぜなら、ドナルド・トランプ大統領が、彼女は住宅ローン詐欺があるとして声高に辞職を迫っているからである。
トランプ大統領が、突然リサ・クックに対する辞職を要求している背景には、米国連邦住宅金融局(FHFA)長官ウィリアム・パルテがクックを住宅ローン詐欺で告発し、司法省長官のパム・ボンディに送った書簡で、クックが2軒の住宅を主な担保として主張していると述べ、捜査を要請した後のことである。ワシントン・ポストによると、パルテは水曜日早朝、Xチャンネルでクックに対する告発を行った。2021年にミシガン州の住宅とアトランタのコンドミニアムの2つの物件の住宅ローンを申請した際に詐欺行為を行ったと非難し、2週間の間に両方の物件をクックが主な居住地としていたと述べた。パルテはクックの署名と思われる画像を掲載したが、告発を裏付けるその他の証拠を提示しなかった。同氏は「住宅ローン詐欺を犯す者は、我々の制度の信頼性と完全性を損なう」と書いた。
パルテが手紙を司法省に送った状況に反応したトランプ大統領は、実際に証拠が提示される前から、辞職を公的に求めている。クックは20日の声明で、「連邦住宅金融局のウィリアム・パルテ局長は、私がFRBに入局する前の4年前の住宅ローン申請に基づき、犯罪者を告発しているとソーシャル・メディアに投稿したことをメディアで知りました。FRBの職員として、私の財務履歴に関するいかなる質問にも真剣に答えるつもりです。そのため、正当な質問に答え、事実を明らかにするために、正確な情報を収集しています」と述べた。現在、司法省の調査の対象としてターゲットになっているのは、彼女だけでない。犯罪とは無関係の人々がトランプ政権下の司法省の攻撃に直面している。例えば、2019年12月米国下院議会は、ウクライナ疑惑で、最初のトランプ大統領の弾劾調査を開始し、その主任を務めた民主党議員で、現役米国上院議会の民主党議員アダム・シフや財務関連の調査を行ったニューヨーク州の司法長官レティシア・ジェイムスなど、大統領を調査した人物が政敵として、司法省の武器化による報復の対象となっている。
トランプ大統領はここ数ヶ月間、FRBジェローム・パウエル議長に対し、利下げを繰り返し求めており、議長の行動は常に「遅い」と批判している。そして、最近彼を解雇することも示唆していた。大統領にはFRBの議長や理事などの高官を解任する権限はほとんどない。1913年の連邦準備法は、FRBの理事は大統領によって「正当な理由」がある場合にのみ解任できると規定されている。「正当な理由」条項には「非効率性、職務怠慢、職務上の不正行為」などを意味すると解釈 している。米国最高裁は1935年の判例で、フランクリン・ルーズベルト大統領が政策上の意見の相違を理由に連邦取引委員会委員を解任することはできないとの判決を下した。FRBは独立性が高い機関であり、この法律は、FRBの高官らが政治的影響を受けることなく、金融政策を決定する能力を保護するためのものである。大統領は政策上の相違や決定への反対を理由に、FRB理事を簡単に解任することは不可能である。つまり、大統領が繰り返し利下げを求めている中で、その要求に応じないパウエル議長に対して、金利政策の相違を理由に一方的に解雇することはできないとされている。
同様に、リサ・クックが不正を行ったと言う証拠が提示されない限り、彼女を解雇することもできないはずである。クックはいわゆる「政敵」に指名された個人である。政敵に対する報復活動は始まっている。昨日19日には、バラク・オバマ政権およびジョー・バイデン政権の主要な部署の職員に対して、セキュリティ・クリアランス(機密情報にアクセスする政府職員の身元安全性証明)を解除するとして、現役および元職員37人がそのリストに載せられた。複数のメディアの報告では、ほとんど知られていない人々の名前が記載されているが、全員の名前は未公開である。大統領は選挙前に報復すると述べていた為、これはその一例として、実際にそれが行われていることを示唆している。
最後に、連邦準備制度は、1913年の「連邦準備法」によって設立された米国の中央銀行であり、銀行システムのストレスに効果的に対応できる金融システムを確立することを目的としている。連邦準備制度は、 ワシントンD.Cに所在する連邦機関である連邦準備理事会と、 全米12の連邦準備銀行で構成され、すべてのアメリカ国民に奉仕し、米国経済と金融システムの健全性と安定性を促進する5つの主要な機能(国の金融政策の執行、金融システムの安定、金融機関を監督・規制、決済システムの安全性と効率性、消費者保護と地域社会の発展)を担っている。したがって、FRBの高官を簡単に解雇することは法的に困難であるだけでなく、正当な理由がなく、ジェローム・パウエル議長やリサ・クック理事を解雇した場合、金融市場への極端な混乱によって株式市場が暴落するとの意見もあり、現在のところ、パウエル議長に対する解雇を控えているとされている。一方、トランプ大統領は、最初から戦う方針を明らかにしたリサ・クックが詐欺を行ったという証拠が発見されない場合、彼女を強引に解雇することはないと思われる。そうでない場合、連邦準備法に違反することになる。