
Photo credit : The Federal
中国の国家主席習近平は、31日から今週水曜日まで、天津で上海協力機構(SOC)首脳会議やフォーラムを実施しており、少なくとも20人の外国首脳陣が参加している。その中には、ロシア、イラン、インドを含む大国の指導者らが参加している。これらの指導者らは、米国およびドナルド・トランプ大統領の名前を出さず、明らかに共通の不満を共有することで、団結を呼びかけるものである。主要メディアは1日、習近平、インドのナレンドラ・モディ首相、およびロシアの大統領ウラジーミル・プーチンの3大国の首脳が手を握り合い、笑顔で語り合う様子を描写した劇的なビデオを公開した。
そのビデオは、インドのナレンドラ・モディ首相とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は手をつなぎ、世界の首脳で埋め尽くされた会議場に向かい、習近平国家主席が立っていた場所に1分程度でたどり着くと、プーチン大統領は満面の笑みを浮かべ、モディ首相は大きく微笑んだ。モディ首相は二人の首脳と握手を交わした。 アナリストたちは、この光景には複数のメッセージが暗示されていると述べている。プーチンと習近平は、深い友情と二カ国の強い団結を印象付けた。習主席は8月31日の日曜日にインドのモディ首相と二国間会談を行い、9月2日にはロシアの大統領プーチンと一対一の会談を行う予定である。さらに、9月3日、北京で開催される第二次世界大戦80周年記念の大規模な軍事パレードに、多くの来賓が出席する予定である。このイベントの意義は「合意」という点だけでなく、これらの式典は「見せかけの面でも重要な意味」があるという。
ワシントン・ポストが9月1日に伝えたところによると、習近平国家主席は9月1日、北京の南東約150キロメートルに位置する上海協力機構(SOC)首脳会議の場で、出席した20人の各国首脳に対し、「経済統合と秩序ある多極世界の構築を呼びかけ、米国主導の世界秩序とトランプ大統領の政策に対する不満を共有」することを示唆した。習近平は、「分離ではなく統合を追求する」こと、「権力政治に断固反対する」ことを強く求めた。特に「7年ぶりのモディ首相の出席は、トランプ大統領の関税によって疎外された影響力のある米国との関係修復を目指す中国政府の試みにおける画期的な出来事」となる。 ジョンズ・ホプキンス大学の国際問題研究の大学院外交政策研究所所長であるカーラ・フリーマンは、今のところ、このグループは「共通の目的意識というよりも、米国への不満という意識で結束している。これらの大国はそれぞれ独自の課題を抱えています」と述べた。
SOCは従来、2001年に中国とロシアによって「中央アジアの過激派の脅威」に対して、相互協力を目的として設立されたが、「近年、より広範な経済・安全保障上の責務を担う」ようになった。アジア全域のリーダーが結集する「SCOの年次会合は、北京とモスクワが共同で国際規範を再構築するための重要な場となっている。 習近平はSCO開発銀行の設立など、SCOの「巨大市場」を活用するため、20人の首脳陣に「経済関係」を強化することを提案した。中国は「既に加盟国に840億ドルを投資しており、今後3年間でさらに14億ドルの融資を行う予定である」と述べた。このフォーラムは「益々多極化する世界において、中国が『信頼できるパートナー』であり、『予測不可能』な米国に対抗するため、中国が目指している多方面での「キャンペーンの重要な一環」である。
ベルリンのシンクタンクで、メルカトル中国研究所のアナリストであるクラウス・ソンは、「加盟国間の深い分裂にもかかわらず、トランプ大統領の予測不可能な政策は『米国に対抗する志を同じくする国々の連合』の形成に貢献した」と述べている。ソンは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカなどで構成されているBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、エジプト、エチオピア、インドネシア、イラン、アラブ首長国連邦の10か国からなる政府間組織)経済圏と並んで、SCOは「西側諸国が支配的な勢力でもなく、唯一の解決策でもない」という北京のメッセージの中心となっていると述べ、「これは非常に政治的なメッセージです」 と述べた。アナリストらは、天津での会議で成果をほとんど上げることがなかったとしても、プーチン大統領やイランのマソウド・ペゼシュキアン大統領といった「独裁政権や指導者にとって、会議に出席するだけでも西側諸国の制裁にもかかわらず孤立していないことを示す価値があり得る」と分析する。
プーチン大統領は、「この会議を利用して、ウクライナ戦争の責任を西側諸国に押し付け、紛争の原因を説明するために歴史修正主義的な発言を繰り返し、ロシアの重要な世界大国としてのイメージ」を強調した。9月1日のSCO加盟国会議での演説で、プーチンは、平和を達成するためには「危機の根本原因」を取り除かなければならないと述べ、「ウクライナをロシアの属国にしなければならない」と繰り返し主張したという。モディ首相は、「トランプ政権が関税によってインドとの関係を悪化させ続けるなら、未解決の国境紛争にかかわらず、インドには中国を含む他の重要な友好国がいる」ことを示そうとしている。
要するに、SCO(上海協力機構)は2001年6月に設立されたユーラシア大陸の政治、経済、国際安全保障に関わる10カ国からなる組織である。同年中国、カザフスタン、キルギスタン、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンによって設立され2017年6月に、インドとパキスタンが加わり拡大した。さらに、2023年7月にイラン、2024年7月にベラルーシが加盟した。SCOは、加盟国間の相互信頼と近隣関係を強化し、政治、経済、貿易、文化、教育、研究、技術、エネルギー、運輸、観光、環境保護などの分野において、効果的な協力を促進することに重点を置いている。この組織の発展に力を入れている中国の国家主席習近平は、投資を通してSCOの規模と影響力の拡大を目指しており、今年、特に厳しい関税を課した米国の大統領に対する「不満を共有する」ため、ロシアおよびインドの三大国のパワーを示すために年次総会でのイベントを世界にアピールした。トランプ大統領は、インドが石油をロシアから輸入しているとして50%の関税を課したことは既に知られている。多数の国に課す関税率は、それぞれ異なる理由によってその規模が異なっている。トランプ大統領の関税は、貿易裁判所で違反であると判定され、連邦控訴裁判所も8月29日、貿易裁判所の判断を支持し、トランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき広範な関税を課したことは大統領の権限を超えており、関税の大部分は違法であるとの判決を下した。これにより、トランプ政権が米国最高裁に上訴する可能性は非常に高くなっている。しかし、現在最高裁は夏休み中であることも踏まえて、米国控訴裁判所は、最高裁に上訴する時間を2025年10月14日まで与えている。これはグローバル経済に深刻な影響を及ぼす重大な裁判であるため、これまでトランプ大統領の権限を拡大してきた最高裁の責任は非常に重いものとなる。