国際科学者グループはDOEの気候変動報告書は誤情報に満ちていると指摘

Photo credit : American Clean Power

科学者85 人は、7月末にエネルギー省(DOE)が発表した気候変動に関する報告書は、事実を軽視し、多数の誤情報及ぶ多くの点で根本的に不正確な報告であったことを発見した。気候変動に懐疑的な5人の専門家を採用し、誤情報だらけの報告書を公表したとして、二つの組織がエネルギー省を告訴した。現政権は、気候変動の科学を軽視し、最近、既に前政権下で認可された複数の風力エネルギー・プロジェクトを突然キャンセルするという混乱も生じている。

米国エネルギー省(DOE)は7月29日、気候対処グループ(CWG)の報告書を発表した。この報告書は、環境保護庁(EPA)による2009年の危機認定の再検討において重要な位置を占めている。これを受けて、85人の科学者は包括的なレビューを作成し、DOE、EPA、および米国科学アカデミーのレビューに提出された。DOEが7月23日に発表した「温室効果ガス排出が米国の気候に与える影響に関する批判的レビュー」とのタイトルによる151ページの報告書 によると、元化石燃料企業の幹部であるクリス・ライト・エネルギー長官が自ら選任した5人の博士によって執筆されたものである。

この5人の筆者らは気象がもたらす災害について、「米国における異常気象のほとんどは長期的な傾向を示していない。ハリケーン、竜巻、洪水、干ばつの頻度や強度が増加しているという主張は、米国の過去のデータによって裏付けられていない。さらに、森林管理慣行は、山火事活動の変化を評価する際にしばしば見落とされている。世界の海面は1900年以降約8インチ上昇したが、主に局所的な地盤沈下によって引き起こされた地域的な大きな変動が見られる。米国の潮による総計の測定値は、過去の平均速度を超える海面上昇の明らかな加速を示していない。気候変動や異常気象が人為的な二酸化炭素(CO2)排出に起因するかどうかは、自然の気候変動性、データの限界、そしてモデル固有の欠陥によって疑問視されている。さらに、20世紀後半の温暖化に対する太陽活動の寄与は過小評価されている可能性がある。モデルと経験の両方から、CO2による温暖化は一般に考えられているほど経済的に損害を与えない可能性があり、過度な緩和政策は有益よりも有害となる可能性があることが示唆されている。CO2排出による経済的損害を定量化しようとする社会的炭素コストの推定は、その根底にある仮定に非常に左右されるため、独立した情報は限られている。米国の政策措置は、地球の気候への直接的な影響は検知できないほど小さく、影響が現れるのはかなり後になると思われる」と書いている。

このエネルギー省の報告に対し、テキサスA&M大学のDOE対応サイトは、DOEの報告書の主要な主張が「極端な気象傾向が見られない」ことや「二酸化炭素の広範な便益など誤解を招くか、根本的に誤っていることが明らかになったと述べている。そして、エネルギー省の「著者らは、証拠の選択的フィルタリング(都合の良い情報だけを選択)し、不確実性を過度に強調し、査読済み研究を誤って引用し、そして数十年にわたる査読済み研究の大部分を全面的に否定する事によって、誤った結論の報告に至った」と述べている。更に「人為的な気候変動は現実のものであり、既に潜在的に危険な影響をもたらしており、人類が地質学的に甚大な温暖化に向かっていることを疑うべきではありません。この温暖化が社会経済にどのような影響を与えるかは誰にも分かりません。また、科学的証拠を軽視するエネルギー省の報告書の手法は、かつてタバコ業界が人為的な疑念を抱かせるために用いた戦術を彷彿させることも明らかです。 2009年にEPAが『危険因子』に関する判断から16年が経過した現在、人為的な気候変動とそれが公衆衛生と福祉に及ぼす脅威の証拠は益々強まっているということです」と指摘した。また、「エネルギー省は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と国家気候評価(NCA)による、徹底的に精査された評価を活用するべきです。これらの評価は、気候変動に関する科学的理解をより正確に反映しています」と勧告している。

そして、最近の混乱は、バイデン政権で認可され、資金が提供されていた風力エネルギーのプロジェクトを現政権が突然撤回したことである。運輸省は8月29日、全米各地で実施されている洋上風力発電開発を目的とした12件のプロジェクトに対し、6億7,900万ドルの資金提供を撤回すると発表した。この資金のうち、4億2,700万ドルの資金は、バイデン政権が承認したカリフォルニア州ハンボルト郡の海上ターミナル改修に昨年交付されたものが含まれている。他にスタテン島の洋上風力発電港湾建設、バージニア州ノーフォーク近郊の港湾改修、ニュージャージー州ポールズボロの海上ターミナル建設などのプロジェクト費用が含まれていた。これらの風力エネルギーは、住民の人口に十分な電気を供給するとされていた。

要するに、事実を歪曲したとされるエネルギー省の気候変動の報告はこれまで見られないものであり、科学者の長年の解釈とは異なるため、明らかに化石燃料ビジネスを擁護した報告書であると見られている。85人の科学者が提供した実際の報告書は9月2日に出版された約440ページに及ぶものである。物議を醸したDOEの気候変動報告書に関する訴訟は、憂慮する科学者同盟(UCS)と環境防衛基金(EDF)という2つの環境団体によって提起された。トランプ政権は、化石燃料に比較して、再生可能エネルギーは今後益々、グローバル的に主流となり、人類の健康とコストの両方で、安全で合理的になるという点に確信がないようであり、化石燃料と再生可能エネルギーの両方を利用するという一般的な政策さえ推進していないようである。その一側面として、ジョー・バイデン政権下で議会が認可した資金を利用して、素手に準備が開始された風力エネルギー設備をキャンセルした。最近、トランプ政権による「風力産業への攻撃」は急激になり、ロードアイランド沖で62億ドル規模の風力発電所の建設をほぼ完了させようとしたところまで至った時点で、停止命令を行った。これに困惑したロードアイランド州とコネチカット州の当局者は、工事の停止命令には「法的根拠はない」として、連邦地方裁判所にトランプ政権の工事停止命令に対する差し止めを求める訴訟を起こした。

注:誤情報が報告されたエネルギー省の報告書はリンクできないようです。

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