米国経済の不確実性を反映した8月の雇用情勢

労働統計局は5日の金曜日、米国の8月の雇用は22,000を追加したと発表した。失業率は7月の 4.2%から8月にはほぼ4年ぶりに4.3%に増加した。この雇用情勢は、景気後退の前兆であるとして懸念が広がっている。現政権は、最初の関税計画の発表後に、米国の経済は景気後退に陥るとの圧倒的反応に直面し、一時的に痛みが伴うと警告していた。

一方多数の専門家は、トランプ政権の貿易関税、大幅な労働者の削減、過激な移民取り締まりが雇用統計に反映していると指摘している。ワシントン・ポストによると、雇用が大幅に低下しているこの状況は、トランプ大統領が4月に歴史的な「解放記念日」としてアピールした「関税攻勢を開始して以来、労働市場は基本的に停滞している」ことを意味するという。ニューヨークのルネッサンス・マクロ・リサーチの経済調査責任者、ニール・ダッタは、「確率はほぼ五分五分、いやそれ以上かもしれない。景気減速の根拠はかなり説得力がある」と述べた。トランプ大統領は、製造業中心の「黄金時代」に向けて経済を再構築する中で、有権者に対し、痛みを伴う移行期を迎​​えることを覚悟するよう警告していた。財務長官スコット・ベセントも3月に、政府雇用への過度な依存から脱却するため、経済は「デトックス(有毒物質を体内から排除する)期間」を耐えなければならないと述べた。 国家経済会議(NEC)のケビン・ハセット委員長は5日CNBCとのインタビューで、「8月の雇用統計の暫定値は上方修正されると予想していると述べた。政府は毎月、無作為に抽出した企業を対象に調査を行い、就業人口を推計している。回答は必ずしも当初の推計に間に合うとは限らず、修正によって数値が大きく変動する可能性がある」という。

ロイターによると、FWDBondsの経済主任クリストファー・ラプキーは「経済は景気後退の瀬戸際にあり、これ以上ないほど接近しています。企業は明らかに身を潜め、雇用を拒否しています。その責任はワシントンの経済政策にあります。唯一の救済策はFRBによる利下げです」と述べている。ラプキーを含む「経済学者たちは、主に輸入関税、移民取り締まり、連邦職員の大量解雇といったドナルド・トランプ大統領の政策を非難している」という。ロイターが調査したエコノミストらは、7月の雇用者数は73,000増加したと発表されていたが、これに続いて、8月の雇用は75,000人増になると予測していた。

フォックス・ビジネスによると、プリンシパル・アセット・マネジメントのグローバル戦略主任のシーマ・シャーは、8月の雇用統計について「FRBによる一連の利下げへの市場期待を強める一方で、景気後退への懸念が再燃するほどではないという点で、ほぼバランスが取れているため、市場全体の反応はやや肯定的になるはずです。しかし、経済の健全性に対する懸念は徐々に高まり始めており、労働市場のさらなる悪化は、まもなく『悪いニュースは悪いニュースだ』という状況に傾くでしょう。同様に、来週のインフレ率の発表が強ければ、スタグフレーション(高失業率と需要停滞を伴う持続的な高インフレ)の兆候に対する新たな懸念が生じる可能性がある」と語った。

CBSニュースによると、「雇用市場が低迷している一因は、トランプ政権による関税措置である。関税措置は経済の不確実性を高め、輸入業者のコストを押し上げ、事業計画を複雑化させている。一部の経済学者は、企業による人工知能(AI)の急速な導入が、新卒者やその他の需要を損なっていると考えているが、AIが雇用の伸びにどの程度影響を与えているかについては、研究者の間で議論が続いている」という。求人検索会社Indeedの北米経済調査ディレクターで、元リッチモンド連邦準備銀行職員のローラ・ウルリッチはCBS Money Watchでのインタビューで「不確実性によって、企業で働く人たちは意思決定を非常に困難にしています。私の元上司は、霧の中を運転している時はスピードを落とすが、霧が十分に濃くなったら路肩に停車すると言っていました」と述べ、まさに不透明な経済の状況を比喩的に語った。

専門家は、現政権の移民政策も、経済にマイナスの影響をもたらす可能性があると言う。9月5日、ジョージア州フォークストンのヒュンダイ工場で、米国移民関税執行局(ICE)による大規模な職場捜索が行われ、拘束された475人の大多数は韓国人であり、ラテン・アメリカからの外国人労働者が含まれていた。ヒュンダイとキアの電気自動車用バッテリーを生産するために約一年前に建設されていた数百人の従業員は労働中に、米国国土安全保障省(DHS)下のICEによる史上最大規模の逮捕劇に直面した。この工場はジョージア州にとってビジネスを活性化する多大な投資となっているが、トランプ大統領は5日執務室での記者会見で、逮捕された475人に言及し、彼らは「不法の外国人である。ICEは仕事をしているだけである」と語った。また、ヒュンダイ工場には不法外国人が沢山労働していると述べ、「彼ら(労働者)はバイデンと一緒に来た人々です。彼らは不法に入国しました」と言った。韓国外務省の報道官は、拘束された「多数」の韓国人の労働者達は「下請け業者のネットワーク」の一部であり、様々な企業で働いていたと述べ、拘束された人は誰もヒュンダイが直接雇用した人々ではないと言う。

5日のBBCによると、韓国は今回の作戦について「懸念と遺憾」を表明し、米国政府に対し自国民の権利を尊重するよう強く求めた。DHSはBBCに対し、捜査官が「不法雇用行為およびその他の重大な連邦犯罪」の疑いで捜索令状を執行したと述べた。 アトランタにある国土安全保障捜査局のスティーブ・シュランク特別捜査官は、5日の記者会見で、「これは捜査官が敷地内に入り、人々を一斉に集めてバスに乗せるような移民捜査作戦ではない。これは数ヶ月にわたる犯罪捜査であり、証拠を収集し、聞き取り調査を行い、文書を収集し、その証拠を提示して…司法捜査令状を取得するために行われた。国土安全保障捜査の歴史上、単一拠点での執行作戦としては最大規模である」と述べた。

最後に、経済専門家は一般的に、米国の経済は不確実な状況に入ったと判断しており、その一因は連邦職員の解雇であるという。オックスフォード経済によると、連邦政府職員の削減は2025年に推定20万人に達すると推定されており、全米への影響は軽微であるが、ワシントンD.C都市圏経済への影響はより深刻である。この都市の非軍事系連邦職員の数は米国の全体の17%を占めている。ボルチモア、アトランタ、オグデン(ユタ州)、デンバー、ヒューストンなどは、特に削減対象となっており、連邦職員がかなりの割合で存在しており、人員削減の影響を受ける可能性がある。加えて、移民の取り締まりは、トランプ政権の一期目からの政策であるが、二期目は同様の活動がさらに急速で激増しているため、訴訟も増加しているようである。韓国は「関税を回避するため、今後数年間に米国の主要産業に数十億ドルを投資する」ことを約束している。日本も投資をすると約束しているとされている。韓国の例は、投資を約束した国が米国に特定の製造工場を建設するというプロジェクトが含まれるケースでは米国と投資国は、労働者に関する条件を具体的に協議する必要があることを示唆している。この規模の不法移民取り締まりは、拘束された人々が主な同盟国の韓国であるため、日本など他のアジアの同盟国にも緊張の波動が広がる可能性があると懸念されている。

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