政治的暴力時代の再来か?

MAGAの運動家であったチャーリー・カークが銃撃によって殺害された後、二人の男性が拘束されたが、事件とは無関係であったとして解放された。カークは首を撃たれ血まみれで病院に搬送されたが、病院で死亡したと言われている。現在、容疑者は逃亡中であり捜索は続いている中で、法務執行当局は不審と思われる男性の写真を公開し、一般からの身元確認を求めている。1960年代に暗殺が連続的に発生した時代があったが、60年以上が経過した今日、米国は近年政治的暴力が増加しているとの懸念が拡大している。

事件から数時間後に、誤って拘束された二人は、銃撃事件に全く関連していなかったため、釈放されたと伝えられている。法務執行当局は銃殺の容疑者が放棄したと見られる武器を森林地帯で発見し、押収したと発表した。それは「高出力のボルト・アクション・ライフル」であると確定したという。法務執行当局は11日、カークの射殺事件に関与したと見られる痩せ型でサングラス、星条旗と白頭鷲が描かれた黒の長袖シャツを着用し、黒の野球帽を被った男性の写真を2枚公開した。FBIは身元特定のために、一般市民の協力を求めている。さらに当局は、「大学生らしい男性」と見られる容疑者のビデオ映像を入手したと発表し、襲撃後、ビルから飛び降りて住宅街に逃走したという。集会の参加者が一般公開したビデオは、屋根を走っているとされているが、特殊技術を駆使しない限り、遠方から携帯電話で撮影された画像から人物を確認することは困難である。東部時間午後8時の時点で、犯人はまだ逮捕されておらず、動機はもちろん、容疑者の身元は依然として不明である。

このような発言は、政治的分裂の助長につながる可能性があるとの指摘もある。1960年代は公民権運動を巡り、政治的分裂が全米に拡大した時代である。当時暗殺された政治指導者はジョン・F・ケネディ、ロバート・F・ケネディ、マーティン・ルーサー・キングなど、ほぼリベラル派であった。近年米国では、銃殺を含む政治的暴力が増加している。2022年から2025年までに起きた政治的暴力の被害者は共和党より民主党が多い。

発生日      犯行党派州被害者役職
2025/9/10射殺共和党ユタチャーリー・カーク政治活動家
2025/6/14    暗殺民主党ミネソタメリッサ・ホートマンと夫州議員
2025/6/14    暗殺未遂民主党ミネソタジョン・ホフマンと妻州議員
2025/4/13    放火民主党ペンシルベニアジャシュ・シャピロ知事
2024/7/13   暗殺未遂共和党ペンシルベニアドナルド・ トランプ前大統領
2022/6/14  殴打民主党カリフォルニアナンシー・ ペロシの夫下院議長の夫
2022/6/08 暗殺未遂共和党メリーランドブレット・ カヴァナフ最高裁判事

これらはわずか一部の記録である。2020年から2025年までの政治的暴力を徹底して調査した場合、さらに数字は拡大する可能性が高い。ロイターが2024年11月5日の大統領選挙二週間前の10月21日に公開した調査記録によると、2021年1月6日に米国国会議事堂で起きた政治的暴力以降から、2024年初期に起きた51件の事件を含めて、少なくとも300件の政治的暴力事件を特定している。「これらの事件は1970年代以降、米国における政治的暴力事件の最大かつ最も持続的な増加の一端を担っている」という。

政治的暴力は1960年代に蔓延していた。当時の政治的および社会的背景は混沌としており、政治的二極化、公民権運動、米国の指導者に対する不審、ベトナム戦争の激化、人種差別、人種間の緊張などにより、激動の時代であった。2025年の現在も幾つかの側面で類似している。近年の政治的暴力の要因は、二党制による政治が極度に分裂し、イデオロギーの対立は根強く、政策上の意見の相違を「政敵」または政策に反対するものは「反逆者」と呼ばれる政治言説が怒りと暴力を扇動する環境を生み出している。さらに、貧富の差は長期的なパターンであり、一般的な労働者は経済不安の中で生きている。白人人口が減少し、有色人種の増加による人口動態の構造的変化に対する不満や不安などが暴力増加の要因になっている。これらの不安や怒りは、ソーシャル・メディア、陰謀論、誤情報を通して増幅されている。つまり、1960年代と比較して、近年大幅に異なる点は、通信技術が高度化し、ほぼ全ての若い世代は、特に政治的な誤情報や陰謀論に惑わされるか又は洗脳されることも含めて、ソーシャル・メディアで影響を受ける人々が増えていることである。

バージニア工科大学の教授ケイス・マイヤーズ博士はこの変化の多くはソーシャル・メディアに関連していると述べている。「私たちは、この国の歴史において、おそらく、かつてないほど政治への関心が高まっている時期を迎えています。これは、国内の政治言説におけるより大きな問題の兆候なのでしょうか?ソーシャル・メディアは、より多くの人々に関与する機会を提供するだけでなく、人々がより攻撃的な方法で関与する機会も提供しているのです」と述べている。マイヤーズ博士は「ソーシャル・メディアには、発言の背後にいる人物を非人間化(人間としての同等性、威厳、自律性などを否定)しようとする動きがあります。ユタ州で10日に起きた「カークの事件とそれにまつわる悲劇から学んだように、彼には家族や子供がいます。しかし、より広範な政治的議論の中で、その人物はしばしば無視され、単なる象徴として扱われてしまうのです」と述べている。

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