政府閉鎖の危機が高まる中で共和党と大統領は民主党に責任を転嫁

会談後の民主党リーダーの記者会見2025年9月29日. Photo credit : Politico

大統領が一度キャンセルにした議会リーダー達との会合を再度今日行った理由は、一部共和党リーダーに振り回されていた可能性があることを示唆している。そして、政府が閉鎖された場合、共和党と大統領は民主党に責任をなすりつける戦略を利用する兆候がある。それでも、大統領が最後の土壇場で、今日午後2時からホワイトハウスで上院および下院議会の4人のリーダーに会っているのは、民主党リーダーらが、トランプは政府閉鎖を容認すると感じているからである。予測通り、29日議会リーダー達と大統領の会談は何の進展もなかった。

APニュースが29日に伝えたところによると、ドナルド・トランプ大統領は 迫り来る政府閉鎖について問われると、「いつも同じ言葉を繰り返すばかりである」という。「閉鎖は起きますか?」と聞かれ、 トランプは「イエス」と答え、「民主党が狂っているからです」と言う。「なぜホワイトハウスは連邦政府職員の一時帰休だけでなく、大量解雇まで進めているのですか?」と尋ねられたトランプは「まあ、これはすべて民主党のせいです」と答えた。もし閉鎖しなければならないなら、閉鎖するしかないことを懸念しているのかどうかを聞かれ、トランプは26日、記者団に「極左民主党は政府閉鎖を望んでいます。しかし、政府を閉鎖しているのは彼らです」と述べた。

トランプは、政府が閉鎖した場合、民主党の責任であるとの戦略を押すことで、共和党と一体になると考えていることを示唆した。「トランプ大統領は公の場では、閉鎖が始まる可能性のある10月1日までに民主党が譲歩するか、そうでなければ政治的責任を負わされることを期待して、民主党に圧力をかけることばかりに注力している」と言う。これにより、トランプ大統領は、共和党下院議長マイク・ジョンソン及び共和党上院多数派リーダーのジョン・スゥーンと「足並みを揃える」ことを可能にした。共和党は「政府運営を7週間延長する法案」に民主党が望むACA(アフォーダブル・ケア・アクト)の補助金を増加するよう求めている特定の要請を「拒否している」からである。

先週、トランプは最初の議会リーダーとの会合をキャンセルした。これは、実際には上院民主党少数派リーダーのチャック・シューマーと下院民主党少数派リーダーのハーキム・ジェフリーズの二人だけがトランプ大統領と会うことになっていた。しかし、共和党上院多数派リーダーのスゥーンとジョンソンがその会合を阻止したのである。「先週、トランプ大統領はシューマーとジェフリーズとの会談に同意したとみられ、25日に会談が予定された。このことが明るみに出ると、ジョンソンとスゥーンが介入し、予算をめぐる争いの最中は民主党と医療保険制度改革について交渉するべき時ではないとトランプ大統領に非公式に訴えたと、この会談に詳しい関係者が匿名を条件に語った」という。大統領が共和党に「不利となるような約束をしないよう徹底する事も、スゥーンの責務」である。トランプ大統領は「共和党指導部からの連絡を受けて間もなく、ソーシャル・メディアで「少数派の急進左派民主党が提示している真剣さに欠けるばかげた要求の詳細を検討した後、両民主党議員とは今後会談しないと」述べた。

これを受けて、民主党上院議員は否定的に反応した。コネチカット州選出の民主党上院議員クリス・マーフィーは「トランプは文字通り、解決策を見つけるための民主党との会合をボイコットしている。彼以外に責める者はいません。彼は閉鎖を望んでいるのです」とXに投稿した。これは、4人の議員らとの29日の合同会合に同意する前の出来事である。この会合を実現させたのはシューマーが26日にスゥーンと「非公式に話し合い、予算期限が迫っているため、大統領との会合を予定するよう強く求めた」為である。シューマーの側近によると、スゥーンの広報担当者は、シューマーが「明らかに神経質になっている」と述べた。

民主党が「トランプは政府閉鎖を容認すると疑う別の理由は、もし閉鎖が実際に起こった場合、予算局がどのように対応するか」である。「政権の戦略は先週、OMB(行政管理予算局)が出したメモで示されており、予算が失効する連邦プログラム、他に資金が確保されていないプログラム、大統領の優先事項と一致しないプログラムについては、各機関は人員削減を検討すべきだとしている。人員削減は、従業員を解雇するだけでなく、そのポストも消滅させ、連邦政府の労働力に新たな大きな混乱を引き起こす」可能性が高くなる。 ジェフリーズは、トランプ大統領とその側近たちが「自らが引き起こした政府閉鎖という煙幕を利用して、さらなる損害を与えようとしている」と主張した。

シューマーは28日のMeet the Pressで「共和党の上院議員、下院議員、そしてトランプ大統領でさえ、この恐ろしい医療危機にどう対処するかという大きな圧力がかかるでしょう。地方の病院が閉鎖され、国民の保険料は年間4,000ドルも上がります。中流家庭には到底払えないでしょう」と述べた。シューマーは、トランプ大統領を長年知っており、大統領執務室のカメラの前で大統領と交渉し、激しい口論を交わすことや、膠着状態に慣れている民主党のベテラン議員でもある。一方、下院の民主党少数派であるジェフリーズは、トランプ大統領と正式に会談したことはない。しかし、ジェフリーズは「何が問題なのか、何が懸念なのかは、彼自身か、彼に近い人々に尋ねなければならないだろう。ただ従って膝を屈すればいいという考えは、残念ながら、彼らは我々が何者なのか理解していない。共和党はまさにそれをやってきた。ドナルド・トランプの極端な政策に無謀な承認を与えているのだ」と述べた。

政府閉鎖の影響は2026年に中間選挙にも影響を及ぼすことを議会リーダー達は認識している。政府閉鎖に陥った場合、ジョンソンは来年の中間選挙で「脆弱」な共和党議員を保護したいと考えている。そのため、「激戦区の共和党議員の要求を優先」しなければならない。彼らの多くは「オバマケア補助金の延長法案への投票を熱望」している。 しかし、ジョンソンは、こうした要求と、共和党下院議員の極右派の意見を「両立」させようとしている。彼らは「自分たちが嫌悪する制度」のため、「税制優遇措置を継続するためにさらなる支出を強いられることに反発する」と述べている。 それでも「下院共和党会議の強硬派の多くは、保守性が不十分だと判断した法案には反対すると何度も主張してきたものの、トランプの強い要請で方針を転換している」とニューヨーク・タイムスが伝えている。

最後に、東部時間午後6時前に終了したホワイトハウスでの議会四人のリーダー達と、恐らく予算関係者が伴うトランプ大統領との協議は、何も進展がなかったことをジェフリーズが記者会見で語った。政府閉鎖は、益々現実のものとなっている中で、下院議長ジョンソンは「民主党が正しいことをしないので、我々は閉鎖に向かっています」と言った。しかし、共和党は民主党の提案に最初から同意しないことを示唆していた。上院議会は二つの法案を準備している。そのうちの一つが両院で明日までに可決すれば政府閉鎖を防ぐことは可能であるが、いずれも党派別に作成されたもので、十分な投票は期待できないため可決する見込みはないようである。上院議会の共和党は単に、下院議会で19日に可決したオリジナルの法案に民主党が同意するよう求めているだけである。明日30日の終わりまでに予算延長を承認できない場合、人命や公共財産を保護するために必要な部署のみを継続するだけである。つまり、米国政府は必要最低限​​の運営となる。要するに、アメリカ人の為に法案の交渉を求めているのは民主党であり、それを拒否し、政府閉鎖を容認するのは共和党と大統領であることを示唆し、彼らは民主党を批判することで、政府閉鎖の責任を反対党に押し付けるゲームを演じている。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む