米国に輸入される製品の全てに関税を課すドナルド・トランプ大統領の権限に異議を唱える中小企業および州の弁護士らは20日、関税の大部分を廃棄した下級裁判所の決定を維持するよう求めた。恐らく、米国最高裁にとって、もっとも重視する課題の一つは、トランプ大統領が固執している政策であり、グローバル経済に影響を及ぼすこの関税政策であると思われる。保守派判事が支配する米国最高裁は経済の弱体化を望んでいないので、ビジネス関連の法専門家は、圧倒的にトランプ政権の関税政策を却下する可能性があると予測している。
米国最高裁ブログの21日の記事によると、中小企業団体は最高裁判所に対し、今回の関税は「アメリカ史上最大の平時増税に相当する」と訴えた。州の弁護士らは、今年2月に発表された大統領令による一連の関税措置は「1世紀にわたる貿易法を覆すものである」と主張している。ワシントンD.Cにある教育玩具や製品を製造する2社の中小企業は、関税に異議を唱えるため連邦裁判所に提訴した。Learning Resourcesとhand2mindという2社は、関税によって今年1億ドルの損失が発生すると主張している。これは2024年に支払った金額の約45倍に相当するという連邦地方裁判所の判事ルドルフ・コントレラスは、Learning Resourcesとhand2mindの主張に同意し、関税は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づくトランプ大統領の権限を超えていると述べた。その後、両社は、コロンビア特別区巡回控訴裁判所による政府の控訴審の判決を待たずに、6月に最高裁判所に直接提訴し、最高裁の判断を求めた。国際貿易裁判所(ICTC)には、さらに2件の訴訟が提起された。1件は別の中小企業5社によるグループ、もう1件はオレゴン州が率いる12州のグループによるものである。同裁判所も、IEEPAはトランプ大統領に関税を課す権限を与えていないという原告側の主張を認めた。
一方、トランプ政権は、ICTCからの控訴を審理する連邦巡回控訴裁判所に上訴した。連邦巡回控訴裁判所は7対4の票決で、IEEPAはトランプ大統領に密輸関税または相互関税を課す権限を与えていないとの判断に同意した。巡回控訴裁判所は、トランプ大統領による「関税の行使は極めて経済的かつ政治的に重要な決定に該当する」ため、政府は「議会の明確な承認を示す」必要があると説明したが、7人の判事は政府がこれを行うことはできないと判示した。トランプ政権は9月3日、米国最高裁に対し、これらの下級裁判所の判決の再審理を要請した。6日後、最高裁はこれに同意し、上告審の審理を迅速化し、11月に口頭弁論を行う予定になっている。9月19日に提出された弁論要旨において、トランプ政権は関税を擁護した。米国司法省の法務長官ジョン・ザウアーは、関税は「輸入を規制する伝統的かつ一般的な方法」であるため、大統領にはIEEPAに基づき関税を課す権限があったと主張し、関税は大統領の「輸入を規制する権限に完全に該当する」と主張した。ザウアーは、IEEPAが関税について明示的に言及していなくても、これは事実であると述べた。
保守派判事が支配する米国最高裁は一般的に経済の弱体化を望んでいないと認識されている中で、5月末までには下級裁判所はほぼ全ての告訴で、トランプ大統領は彼の権限を超えていると判定している。憲法は議会に国際貿易を規定する権限を議会に与えているとの判定によるものである。この状況はロイターが5月29日に伝えた。ビジネス関連の法専門家は、圧倒的にトランプ政権の関税政策は却下される可能性があると予測している。例えば、10月4日のグローバル・ビジネス誌のフォーチュンによると、「貿易・法律専門家は、最高裁がトランプ大統領の世界的な関税に反対する判決を下す確率は最大80%と見ている」と伝えている。そして、下級裁判所と控訴裁判所は、IEEPAは大統領が輸入品に無制限の関税を課す権限を与えていないと判定しているため、米国最高裁は、トランプ大統領の関税が行政権を超えているかどうかを判断し、その結論次第で、米国の貿易政策に大きな影響を及ぼすことになると予測している。トランプ政権は、大統領の関税政策が米国最高裁によって拒否される可能性が高いと判断した場合、その前に関税に関する方針を大幅に変える可能性があるとの見方もある。
最後に、トランプ大統領の関税に関する大統領令は、1977年に制定された連邦法である国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいている。つまり、米国の安全保障、外交政策、または経済において何らかの脅威に対して、大統領が国家非常事態を宣言するような事態が発生した場合に「外国またはその国民が何らかの利害関係を有する財産、輸入を規制する」などの措置を講じる権限を与えている。しかし、そのような事態は関税計画が発表された時点から今日に至るまで発生していないため、IEEPAの適応が正しかどうかも論争点であると思われる。トランプ大統領は先週、中国に対して130%の関税を課すと発表した後に、株が大幅に下落した後、130%から100%に減少した。その後、中国に対する100%の関税は11月1日から効力を発揮すると伝えられている。米国で販売されている製品、特にウォルマート、ターゲットなどの棚に並んでいる製品は圧倒的に中国からの輸入品である。コスト増加に直面している可能性は高いが、サプライチェーンの多様化、米国での製造拠点の拡大など、関税の影響を軽減するための多角的な戦略を利用することで大企業又は富豪企業は、関税の圧力に対処可能であるかもしれないが、告訴している企業は、ほとんどが中小企業であることから、米国の関税関連の訴訟は世界的に注目されている。11月の最高裁での論議で、米国司法省の法務長官(司法省長官ポム・ボンディの直下にあり、最高裁の前で政府を擁護するために論議する役目を果たす)ジョン・ザウアーはどのような国際緊急事態があったかを証明する必要があるかもしれない。ニューヨーク・タイムスの記録によると、関税関連の訴訟は10月20日の更新で11件あり、棄却された訴訟は1件である。