富豪企業権力の時代の到来は19世紀に予期 

米国法人の台頭は1920年代後半までに数百社が米国の50%の富を得るまでに成長し、1990年後半までには50,000以上の多国籍企業が台頭した。これらの大企業の規模と富は世界をリードし、直接的および間接的に内外の政策を定義するようになった。法人は技術的に国の社会的発明の産物であると言われるようになった。従って、米国が許可した法人の権威は、理想的には公的利用の目的のため個人が有する資源を使うことであった。一方、その権威は二次的に発生する責任義務を保護しながら、大幅な経済及び政治力を応用するため、および個人の富を蓄積する為のものであった。

法人の権威は、個人が蓄積した責任義務が、彼または彼女の後継者によって抑制されていた時の16世紀にさかのぼる。この時代には、仮にある個人が高投機人としての役目があり、貿易の航行に投資し、その製品が海で紛失した場合、その個人の後継者は、その紛失に対して責任義務が問われていた。法律は、危険性のあるこのような投資を抑制したが、法人はこの問題を解決したのである。失った投資額に対して、投資者の債務責任を制限することを英国王が認可したからである。早期の法人である東インド会社やハドソン・ベイ会社は、市民個人に一致しない権利が与えられた為、幾つかのアメリカの植民地も法人を設立した。

その法人は地域および工業にはない独占力を得た投資家のグループであった。結果的に法人は莫大な力を得ることになり、貿易政策に影響を与えることが可能になった。例えば、18世紀のイギリス議会は、金持ちの地主、商人、および製造業者の家計の出身者で構成され、すべての製品は、イギリスの国内で販売するか、又はイギリスの乗組員を使い、イギリス船を利用して、イギリスから殖民地へ輸送するための法律を通過させた。更に、殖民地は自らの衣類品や鉄製品を生産することを禁じられたのである。こうした殖民地時代のビジネスに疑いが生じるのに、時間を要することはなかった。18世紀のスコットランド人の哲学者であり、政治経済学の先駆者であったアダム・スミスは国富論の中で、人工的に値段を上げ、貿易をコントロールすることで、市場の法律をくぐりぬけるための運営をしていると法人を批判した。殖民地のアメリカ市民は、法人に対するスミスの疑いと批判に同意し、法人の権威を特定の年数に限定した。

しかし、1861年から1865年まで続いた南北戦争を転換期として、アメリカの裁判所は除々に法人に課せられた様々な制限を解除し始めた。法人は、戦争から得た莫大な利益および、主に鉄道の建設に利用するため、戦争で結果的に生じた政治的混乱と腐敗を利用して、土地と資金を得ることを可能にする法律制定に参加し始めた。当時の大統領エイブラハム・リンカーンは、富豪企業が権力を握ることで、富が少数派の手に集中し、腐敗した時代がくることを予期していた。法人は益々国の法律制定を牛耳るようになり、デルウェア州やニュージャージ州などのロビー活動家らは、法人の経営者や幹事の責任義務を永続的に制限する権威を得るため、法律制定に介入し、特に法律で定められていない限り、手段を選ばず法人の権利を獲得した。

例えば、1880年代の後半から1900年の前半にかけて致命的な産業事故で約70万人の労働者が死亡した期間、裁判所は労働者の職場での事故に対して、法人の責任義務を制限した。これは、重大な展開であった。他に、裁判所が法人を優遇した判決には、最低賃金制、労働時間の制限、最少年齢の制限などを禁止したことが挙げられる。1886年、最高裁は一人の判事によって、最大規模の資本主義文化を発展させる判定を下した。裁判所は、かってないほど企業が経済力を発揮できる規定を制定した。憲法修正第十四条により、自由奴隷の権利を保護した1868年の修正法案に加えて、最高裁は米国憲法のもとに民間法人は自然人であると判定し、言論の自由もふくめて、Bill of Rights(権利章典)に基づき、人々に与えられている同じ権利と保護を法人にも拡大した。

従って、法人は、政治に影響を及ぼす権利と国民一般の思考も支配するため法人の富を利用する権利を得たのである。このような経過をたどり、企業は人であり、法律制定に介入するためのロビー活動、メディアの利用、教育施設の建設、さらには慈善団体の設立も自由自在にできる権力と富を得るようになった。法人は、投資家に最大の利益を提供することを使命とし、更に利益を追求できる現在のような基盤を作ったのである。これは、近年の最も劇的な最高裁の決定にまで発展した。2010年1月、Citizens United v FEC (Federal Election Commission)の裁判で、お金も言論であるとして、さらに法人に限りない政治的権力を与えた。最高裁は5対4の判定で、米国憲法修正第 1 条の言論の自由条項により、政府が企業および労働組合やその他の団体を含む非営利法人による政治運動に独自の支出を制限することを禁止しているとの判決を下した。

この判定以来、政治家、特に共和党議員らは劇的に変わった。無限の選挙資金を提供するこれらの富豪層の企業は巨額の選挙資金を寄付することで政治家を買うようになったためである。そして、近年、選挙および政治的議論に影響を与える資金の出所や寄付額が不透明なダーク・マネーと呼ばれる腐敗が根強い問題となっている。共和党の大多数は富とパワーのある企業を保護する一方で、民主党の大多数は、労働者クラスを保護する政策を益々強調するようになり、長年議会は法案の可決において行き詰まる場合が多くなった。その理由として、大企業に課税する民主党の政策に反対する一方で、共和党は富豪な大企業に減税することを最優先としているからである。最近の例では、2023年5月末、債務限度に対する議会の責任においても、共和党は彼らが可決したその減税の為の赤字を無視し、特に民主党が大統領である場合、アメリカ人を保護するためのプログラムからの支出を削減するよう求めていた。債務不履行を避けるため、当時進行中の両党の交渉では、ジョー・バイデン大統領を代表する交渉者は、共和党が押し通している支出削減の一部に妥協した。2025年1月20日から、議会上院および下院議会では両院で多数派の共和党が予算に関する法案の制定について両党の協議によって行うのではなく、共和党がほぼ独占的に決定している。そのために、トランプ政権の最初の年から政府閉鎖が起きており、2025年11月9日の今日、歴史上最も長い40日間、65万人の政府職員は無給休職が続いている。

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