ロシアに有利な終戦提案の性質

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ホワイトハウスはウクライナの大統領ゼレンスキーに対して、感謝祭までにウクライナ戦争終結に向けた署名をしない場合、米国の支援を失うとするメッセージを送った。提供された終戦提案は、米国とロシアの関係者が作成したものであり、殆どロシア側が望んでいる条件を満たしたもので、ヨーロッパとウクライナの主張は含まれていないという。

感謝祭は27日であるが、21日にニューヨーク・タイムスが伝えたところによると、28ポイント文書と呼ばれる28項目からなる文書に基づいて、ホワイトハウスが提案した終戦の条件は、⑴ウクライナが一部を保有するドネツク州とルハンシク州の領土を譲渡しなくてはならない。(2)ウクライナは軍隊の規模を制限しなくてはならない。ウクライナ軍の兵力は推定80万人以上であるが、60万人に削減する。(3)NATO加盟へのいかなる試みも禁じる憲法改正を要求する。(4)ウクライナ国内でのNATO軍の駐留を禁止するもので、同国の戦後安全保障確保を支援する欧州の計画を挫折させるものとなる。これらの終戦締結の条件は、ウクライナとヨーロッパ諸国が同時協議することなしに起草されたものである。

一方、ウクライナが戦争終結に同意した場合、⑴ 同国の復興費用の負担に充てるため、凍結されたロシア資産はウクライナに提供される。(2)「信頼できる安全保障の保証」はキエフに提供される。(3)ロシアが再び侵攻した場合、軍事的対応が約束されるものの、詳細は明らかにされていない。さらに、モスクワが再び侵攻した場合、制裁が復活し、合意に含まれる利益はモスクワが失うことになる。これらの特典には(4)G8への復帰、世界経済への再統合、米国との共同投資機会といった、ロシアの主要目標が含まれている。この停戦に向けたこの28ポイント文書は、トランプ政権の和平担当特使であるスティーブ・ウィトコフと、ロシアのキリル・ドミトリエフによって起草されたものである。クレムリンは、この提案を支持するかどうかという質問には答えていないが、ロシアの大統領ウラジーミル・プーチンは21日、この計画は「最終的な和平合意の基盤になり得る」と述べた。

ゼレンスキー大統領は21日午後、ウクライナ国民に向けたビデオ演説で、自国が「歴史上、最も困難な局面の一つ」に直面していると述べ、「ウクライナは間もなく非常に難しい選択を迫られるでしょう。尊厳の喪失か、重要なパートナーを失うリスクか、困難な28項目の解決か、あるいは極めて厳しい冬となる更なるリスクか?」と述べた。今週キエフで和平交渉再開のため米軍代表団と会談したゼレンスキーは、28項目について「彼らは回答を期待しているでしょう。私は議論を提示し、説得し、代替案を提示します」と述べ、「建設的な解決策の探求」を約束した。

欧州各国首脳は21日、ホワイトハウスが発表した提案は、ウクライナとヨーロッパ同盟国が交渉から除外されたことに対する対応と、ウクライナへの継続的な支持表明に奔走している。ドイツのフリードリヒ・メルツ首相の報道官、シュテファン・コルネリウスは声明で、メルツ首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、英国のキール・スターマー首相が21日の電話会談でゼレンスキー大統領に「永続的で公正な平和の道への継続的且つ全面的な支持」を約束したと述べた。声明では、米露の計画については明確に言及されていない。

要するに、この停戦案は米国とロシアのみで作成されたものであり、ウクライナと、ウクライナを強く支持している欧州連合国にとっては、降伏させられる状況に等しいものである。つまり、ロシアの要望が重度に優先され、これらの条件をキエフが受け入れることを要求している。欧州各国首脳は、同意していないことを示唆しているため、別の提案を提供する準備を始める可能性がある。終戦の決定を感謝祭までと制限していることもウクライナにとっては強制的で一方的である。多数の上院共和党議員らは、提案書を読んでいないようである。米国上院共和党は少なくとも、一人が公的に反応した。ウクライナの強固な支持者であるリンジィ・グレイアム(サウス・キャロライナ)は28ポイント文書が何であるかさえ、議会が理解していないとし、どのような計画であっても、ウクライナに対する米国の強力な軍事的関与とプーチン大統領の戦争資金の供給能力を標的にする戦略が含まれるべきであると述べた。そして、一部のウクライナ専門家は、同盟国の軍隊がウクライナ領土に駐留することを禁止するという条件に反応し、これは「実質的に、停戦を監視する欧州や国際の平和維持軍の構想を拒否するものであり、ウクライナと同盟国の軍事協力関係を潜在的に阻害する」ものであると批判した。

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