海外の旅行者にも影響を与える政権の計画

U.S. Plans to Scrutinize Foreign Tourists’ Social Media History               The New York Time : December 09, 2025

この記事は米国が40カ国以上からの旅行者に対するソーシャル・メディアでの経歴に関する情報を求める条件を追加するという計画について説明している。これを導入するにあたり、一定期間内に世論を聞くものとしている。この計画が決定すれば、90日間の観光であっても、米国への旅行を計画している人々の中には個人情報の提供が極度に増えるため、特別な理由がない限り、旅行計画を中止する人々が増加するとの見解もある。トランプ政権の移民政策は海外の旅行者にも影響を与える可能性があるという。

現在、グローバル的に若い世代はメガ(旧フェイスブック)、X(ツイッター)、インスタグラムなど、様々なソーシャル・メディアをコミュニケーションのプラットホームとして利用している。米国に旅行する人は来年から過去5年間の記録を政府に共有しなくてはならない可能性がある。これは、外国人旅行者に対する入国条件を更に強化することになる。もし、この条件を追加する計画が確定した場合、そのような共有を拒否する個人は、単なる観光旅行であれば、その旅行計画を諦める可能性がある。9日に政府が提出した提案によると、「米国税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection)は9日に、英国、フランス、ドイツ、韓国などの国から米国を訪れる旅行者は、最大5年分のソーシャル・メディア履歴の審査を受ける必要(have to undergo a review)が生じる可能性がある」という。

この要求は「ビザ免除プログラム(the visa waiver program)の対象となる旅行者に影響を与えるもので、このプログラムでは、42カ国の国民が電子渡航認証(electronic travel authorization)を事前に取得すれば、ビザなしで最大90日間米国に滞在することが認められている。9日に連邦官報(Federal Register)に提出された文書には、CBP(米国税関・国境警備局)が「申請者に対し、ソーシャル・メディアのアカウント情報、過去10年間のメールアドレス、両親、配偶者、兄弟姉妹、子供の名前、生年月日、居住地、出生地など、多数の個人情報(a long list of personal data)を提供するよう求める予定である」と記載されているという。

現行制度では(Under the current system)、ビザ免除対象国の申請者(applicants from visa waiver countries)は電子渡航認証システム(ESTA)に登録する必要がある。申請者は40ドルを支払い、メールアドレス、住所、電話番号、緊急連絡先の情報を提出する。この認証は2年間有効である。ビザ・移民支援会社Boundlessの共同創業者兼最高経営責任者(co-founder and chief executive)であるシャオ・ワンは声明の中で、ソーシャル・メディアのアカウント情報の記載は2016年から申請時に任意となっていると述べている。ワンは、CBP(米国税関・国境警備局)はこれまで、この質問に回答しないことが申請にどのような影響を与える(skipping the question affected applications)かについて明確にしていなかったと述べた。しかし、今後は政府がソーシャル・メディアの記録がないことを「申請者が何かを隠している兆候(a sign that the applicant is hiding something)」とみなすようになり、それが申請に悪影響を与える可能性があるという。

CBPによる単なる旅行または家族訪問のための旅行者に対するこの措置は、「米国政府が熟練外国人労働者(skilled foreign workers)に発給されるH-1Bビザの申請者、学生ビザ、研究者ビザの申請者など、一部のビザ申請者に対して、ソーシャル・メディアの審査を実施するという同様の措置」を拡大するというものである。この措置は、政府が多くの渡航者から新たに250ドルのビザ審査手数料(a new $250 visa integrity fee)を徴収する予定であることにも関連しているが、ビザ免除プログラム対象国の渡航者はこの手数料の対象外である。しかし、主にツーリズムで経済が成り立っている地域社会は歓迎していない。旅行業界はビザ審査手数料の導入に反対している。11月には、20社以上の観光・旅行関連企業からなる連合(a coalition of more than 20 tourism and travel businesses)が反対書簡に署名し、この手数料が来年のワールドカップなどのイベントに参加する旅行者を含む、数百万人の外国人観光客(millions of prospective international visitors)の米国訪問を阻害する可能性があるとの懸念を表明した。

旅行産業およびツーリズム関連のビジネス業界は、トランプ政権の計画が「旅行者審査の大幅な強化」であると指摘している。CBPは60日間、一般の意見を受け入れると述べている。そして、この計画が承認された場合、今後最大数ヵ月かけて徐々に変更されるという。移民法事務所のパートナーであるボー・クーパー氏は、政府のソーシャル・メディア審査に対する新たなアプローチは、以前のように犯罪行為などの特定の事実を確認するためにソーシャル・メディアを利用していた時代とは「パラダイム・シフト(paradigm shift)」であると指摘した。つまり、旅行者さえ選択される可能性があると示唆した。クーパー氏は「この新しい方法は、オンライン上の発言を監視し、発言内容の種類に関する裁量と方針に基づいて旅行を拒否するというものです」と述べ、「観光客数の推移を注視するのは興味深いでしょう」と述べた。

最後に、最大90日間の観光旅行になぜ、5年間分のソーシャル・メディアの記録や10年間のEメールアドレスを提供する必要があるのか?これは誰でも疑問に思うかもしれない。移民事務所に関連のあるクーパーは、旅行者のスピーチ、つまり政治的思想をモニターすることで、そのスピーチの内容が政権に好ましくないものである場合、米国への旅行をブロックされる可能性があることを示唆した。また、旅行者のオンライン活動に焦点を当て、テロや犯罪行為など潜在的な脅威を特定することが目的であるとの別の説もある。これは、一般的に予測されていなかった非常に驚くべき動きである。クーパー氏が「観光客数の推移」を指摘したように、米国に旅行する一部のヨーロッパ人およびアジア諸国の旅行者は、米国で多額のお金を出費することが可能な経済的に恵まれた人々も多いものの、あらたな条件は大幅に旅行計画の意欲を損なう可能性があるため、この計画は米国経済に多大なマイナス要素になる可能性があるかもしれない。過去5年間のソーシャル・メディアの記録を提供するという余分な旅行準備は非常に面倒で煩雑である。しかし、ソーシャル・メディアを利用していない個人は電子渡航認証システム(ESTA)のビザ申請書の該当欄に「なし」または「該当なし」と記入するだけで済むとの説もある。

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