トランプ大統領の2025年最後の日の行動

ドナルド・トランプ大統領は、先日米国最高裁がシカゴでの州兵の派遣に反対した後、2025年最後の今日、シカゴ、ロスアンゼルス、ポートランドの州兵配備を停止し、兵士らを撤退させる決定を下した。しかし、米国上院議会及び下院議会の両院で可決した二つの法案に拒否権を発令した。その圧倒的支持で可決したとされているこれら超党派の法案に対する拒否権の行使は、幾つかの理由に基づき報復であるとの批判もある。

ご承知のように、これらの都市での州兵を配備したトランプ政権は複数の訴訟に直面していたが、先週米国最高裁はシカゴでの軍隊派遣を拒否したため、トランプ大統領は2025年12月31日シカゴだけでなく、ロスアンゼルス、ポートランでの兵士らを撤退させると発表した。しかし、負けず嫌いの大統領は将来、再度州兵を配備する可能性があると示唆し、彼のソーシャル・メディアであるツゥルース・ソーシャルに「犯罪が再び急増し始めたら、我々は戻ってくるだろう。おそらく、以前とは全く異なるもっと強力な形で。それは時間の問題だ」と主張した。しかし、ポートランドやシカゴでは訴訟に直面していた為、軍隊の駐留には限界があった。トランプ大統領は、以前最高裁の命令には従うと述べていたので、12月23日の最高裁の判定から8日が経過した後、今年最後の日の行動となった。

トランプ大統領は、就任一年目の終わりに、議会で12月に採決した二つの法案に初めて拒否権を行使した。大統領の拒否権は報復であるとの指摘もある。二つの法案の一つはコロラド州に水道パイプを導入することで、同州が清浄水を利用可能になると言う法案である。「アーカンソー・バレー導水路完成法」と呼ばれるこの法案は、米国下院議会で7月21日に通過し、12月16日に上院議会で可決した。これは長く延期されていたコロラド州南東部の地域社会に清浄水を供給するためのパイプライン建設プロジェクトの完成を促進することを目的としている。この投票は点呼投票により下院と上院の両方で多数の賛成票によって可決された。しかし、同州での政治指導者らはトランプ大統領を批判していた。コロラド州南東部を代表する下院議員のローレン・ボーバートは彼女の地区の人々が生活の質を向上する最も重要な水に関連する法案を支持していたため、トランプ大統領の拒否権は、政敵に対する報復によるものではないと信じているとの声明を公開した。トランプ大統領は、コストがかかり、信頼できない政策のために納税者のお金を使うことには反対すると述べている。

トランプ氏が拒否権を行使した別の法案は、下院議会で7月14日に可決し、上院議会で12月11日に採決した「ミコスキー保留地改正法案」と呼ばれるもので、フロリダ州にある原住民の地域であるミコスキー族インディアンの保留地を拡張し内務省に対し、追加された地域における洪水対策を支援するよう指示するものであった。これも、多数の賛成票によって可決した。ミコスキー原住民は、トランプ大統領の移民政策に反対しているグループである。フロリダ州に住むアメリカ先住民部族は、拘束された移民を収容する「アリゲーター・アルカトラズ」の建設を阻止するために訴訟を起こしたため、実際にはトランプ氏の怒りを煽った可能性がある。トランプ大統領は、彼の移民政策が選出された理由の一つであるとして、ここでの住民に彼の移民政策は妨害されたと述べている。

トランプ大統領は2025年12月31日に、3都市から軍隊を撤退させることを公表した。住民らは、軍隊を派遣するほどの犯罪は起きていないことを指摘し、実際には移民弾圧が目的であったことからプロテストを通しての抵抗に直面していた。トランプ氏の軍隊撤廃の動きは、米国最高裁の一時的判定に従った行動である。一方、議会が圧倒的多数の賛成票で、両院で採決した二つの法案に拒否権を発動すると言う決定をした。米国が多くの都市で清浄な水源地を拡大することに反対する指導者はほとんどいないだけでなく、コロラドの住民の健康に関する法案は議会の超党派の圧倒的支持による強力な議会の成果であることを示唆している。コロラド州は、2016年、2020年、2024年の大統領選挙で、トランプ大統領に投票しなかった民主党州であり、ここでの有権者はトランプ政権に友好的ではないことから、一部の批評家は報復であると批判している。

拒否権に関する議会公文書によると、憲法第1条第7項は大統領に拒否権を与えているが、大統領が法案への署名を拒否し、異議を明記した書類を添付して10日以内に議会に返送した場合にのみ拒否権は有効化する。それを受理した議会は、即時に拒否権を覆す手続きを行うことが可能であるが、現在、議会は休暇に入っていることから、10日以内に法案を拒否して、返送できず、署名も正式な異議も付されていない場合、法案は法律として成立しないことになる。これはポケット拒否権と呼ばれている。つまり、トランプ大統領が正当な拒否権の理由を記載したメモを議会に提供できない場合、拒否権は無効になる。いずれの法案も12月18日にトランプ大統領に送られたが、大統領が拒否権を行使したのは12月30日であり、発表したのは今年最後の12月31日である。議会はクリスマスから閉会されており、新議会は通常1月3日に開催されるが、2つの法案の拒否権を覆す手続きを行うかどうかは不明である。拒否権の克服には、上院と下院議会の両方で3分の2以上の賛成票が必要であるが、現時点では、議会がすでに拒否権克服に成功したか又は新議会で取り組むと言う公的な兆候は見られない。

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