ICEは移民取り締まり中に米国市民を射殺

レネー・ニコール・グッド Photo credit : New York Post

ミネソタ州ミネアポリスには莫大な数のICE(移民関税執行局)捜査官らが移民取締のため配置されている。7日ミネアポリスの住宅街で米国市民である女性が一方通行の道路で停止され、その場から離れようとした時、数回銃撃を受け即死した。国土安全保障長官クリシティ・ノームは、真相が判明する前の事件直後に、捜査官を轢き殺した暴力的な国内テロリストであると述べ、大統領も同様のコメントをした。しかし、目撃者が撮影したビデオは繰り返し公開されており、両氏の発言に疑問が提起された。今日FBIは捜査を開始したようであるが、州の捜査は強制的に排除された。この事件は総体的に脅威的である。

複数の弾丸を砲発したICEの捜査官に射たれて運転席で死亡した女性レネー・ニコール・グッド(37歳)は米国市民であり、オンライン上の記録は趣味でギターを弾く3人の子供の母親であった。ノーフォークにあるオールド・ドミニオン大学で創作文芸を学び、コンテストで「2020年度アメリカ詩人アカデミー学部生向け賞」を受賞した。昨夜、数千の住民らは雪が積もっている路肩で多数の蝋燭を灯しながら、静かに追悼の祈りを行った。この様子は全国ネットのテレビ放送やビデオで報道されている。この事件の真相が判明する前から、政権のトップ層は、射殺された白人女性がテロリストであると宣言したことも事件を更に複雑にしている。ワシントン・ポストが8日に伝えたところによると、事件後、国土安全保障長官クリスティ・ノームは、この女性は「国内テロ行為」を犯したと述べ、まず警察官の命令に従わず、その後、自分の「SUVを凶器」として使い、「法執行官を轢き殺そうとした」と語った。ドナルド・トランプ大統領は、この女性が「暴力的かつ意図的に、そして悪意をもってICEの職員を轢いた」と述べた。しかし、「これらの証言に疑問」が提起された。

ミネアポリスの民主党市長ジェイコブ・フレイは、連邦当局者の説明を「でたらめだ」と一蹴し、今回の銃撃事件は「捜査官が権力を乱用した結果、誰かが死亡した、殺害された事件である」と述べた。記者会見で怒りを表明したフレイ市長は、ICE当局者は今すぐ退去するべきだと述べた。ミネソタ州の知事ティム・ウォルツはソーシャル・メディアに「このプロパガンダ機関の言うことを信じてはいけない」と投稿した。ミネソタ州知事は彼が以前に警告していたことが実際に起きたと述べた。知事は以前、彼らの都市で、州兵や警察ICEが占領し、移民を弾圧する活動は非常に危険であり、誰かが被害に遭うと警告していた。彼は「まさにそれが起きた」と述べた。ウォルツは「トランプ政権の危険でセンセーショナルな作戦は公共の安全に対する脅威であると、数週間にわたって警告してきた」と語った。

そして、ビデオ映像を分析したポスト紙によると、「SUVは確かにICE捜査官が目の前に立っている状態で前進した。しかし、分析によると、捜査官は身をかわすことができ、車が彼の横を通り過ぎる際に、少なくとも3発のうち2発を発砲した」という。「目撃者が撮影した映像には、レネー・ニコール・グッドの車とされるワインレッドのホンダ・パイロットSUVが7日朝、ミネアポリス南部の住宅街にある一方通行の道路の真ん中に停車している様子が映っている。ポスト紙が検証したこの映像やその他の動画には、その瞬間までの経緯は映っていない。」身元不明の「捜査官は、グッドのSUVの後部に立って、携帯電話を手に持ち、同じく携帯電話を持っている女性の方に向けており、二人は互いに撮影し合っているようであったという。その後、捜査官はグッドの車の助手席側に回り込んだ。」

画像には(灰色の)「ピックアップ・トラックが停車し、さらに2人の捜査官が車から降りてグッドに近づく様子が映っている。少なくとも2回、『車から降りろ』という声が聞こえる。捜査官の一人が運転席側の窓の開口部に手を置き、もう一方の手でドア・ハンドルを素早く2回引っ張るが、運転席側のドアは開かない。同じ捜査官がグッドの車の窓の開口部に手を差し入れると、ほぼ同時にSUVが後退し始めた。グッドのSUVの後ろに最初に姿を見せた捜査官は、車両の前方に再び現れ、依然として携帯電話を手に持っているように見える。SUVはすぐに前進し、一方通行の道路の正しい進行方向である右側に進路を変えた。 映像によると、車両が前進するにつれて、捜査官はほぼ同時に最初の銃弾を発射した。映像には、残りの2発は車両の側面から発射されたことが映っている。銃撃事件発生後、捜査官が1分以上にわたって現場周辺を歩き回る様子が映っている」と一般公開された映像を分析している。他のビデオは、車が車道に出た直後に銃弾を受けたグッドのSUVは路肩に駐車していた白い車に衝突した。その直後別の女性が悲鳴をあげ「ICEは私の妻を殺した」との声が聞かれた。

ミネソタ州には12月に2,000人の部隊が配置され、移民に対する弾圧は激化していたようである。レネー・ニコール・グッド射殺事件は、全米での怒りを燃焼させている中で、連邦FBIが8日に捜査を開始した。しかし、通常連邦と州の捜査官は協力体制で行なわれるが、州の捜査官らは除外され、トランプ政権下の連邦捜査官のみが、捜査を単独で行うと決定した。これにより、グッドを殺害したICEの職員を告訴することは困難になる。ボブ・ジェイコブソン公安長官は「連邦政府が州捜査官を捜査から排除したことで、ミネソタ州の検察当局は、女性運転手を射殺したICE捜査官に対する訴追を進めることができなくなる可能性がある」と述べた。同氏は「州の容疑で起訴するには、改めて徹底的な捜査が必要となる。そのためには、事件現場に立ち入り、FBIが押収しているすべての映像や証拠を検証する必要がある。徹底的な捜査を行い、すべての証拠にアクセスできなければ、質の高い捜査を行うことはできない。そうなれば、検察官が誰かを犯罪で起訴すべきかどうかを判断することもできない」と付け加えた。要するに連邦当局は、レネー・ニコール・グッド殺害事件の捜査からミネソタ州犯罪捜査局(BCA)を排除し、地元での調査を阻止したのである。

ミネソタ州では、メディケイド・プログラムでミネソタ州が運営する14以上のプログラムに充てられたメディケイド資金のうち、90億ドルが不正利用されたという組織的な詐欺事件が最近明るみに出ている。これまで、多数の人々が様々な詐欺関連犯罪で有罪判決を受けたと言われている。年末にユーチューブのプラットホームにビデオを作成し共有する男性がソーシャル・メディアに投稿した動画は、イーロン・マスク、副大統領J・Dバンス、司法長官パム・ボンディらに拡散されたことで、長年州内でくすぶっていた不正疑惑のスキャンダルの論議に火をつけた。その直後、ティム・ウォルツ知事は、様々な批判に直面し、知事への再選を断念した。トランプ氏はカマラ・ハリス副大統領の次期副大統領候補者として、2024年の選挙中、庶民的で正直な印象からたちまち人気を集めたティム・ウォルツ知事がこの広範な詐欺を知っていたと主張し、ミネソタ州全ての保育園の資金提供を停止し、その後全州への資金を停止した。12月にトランプ政権は、ソマリア系の住民が詐欺に関連しているとして、ミネソタ州のミネアポリスに2,000人のICEのメンバーを追加し、同州での緊迫化を更に促進した。

最後に、白人女性レネー・ニコール・グッドは15歳の娘と二人の息子がいた。彼女のパートナーは女性であるようだ。政権は女性を殺害したICEの男性の名前を公開していないが、地元のメディアがジョナサン・ロスである公表した。ミネソタ州はその捜査官に対する告訴も不可能な状況に追い詰められる可能性がある。ガーディアンの1月4日の報告によると、「2025年にはICEの拘留中に32人が死亡し、トランプ政権が移民の強制収容所の閉鎖に踏み切ったことで、ICEにとって過去20年以上で最も死者数の多い年となった。拘留中に死亡した人々のうち、一部は最近米国に到着し、亡命を求めていた人々であった。また、別の人々は何年も前に、中には幼い子供の頃に米国に到着した人もいた。」連邦当局によって、米国市民が射殺された事件はこれが最初であるが、8日にポートランドでも2人が米国税関・国境警備局の職員に銃撃を受け負傷したと報告されている。隠匿、規定違反、公然たる殺人によるICEの危機が浮上し始めた中で、7日から8日にかけて報道されている状況を世界の人々はどう感じるだろうか?

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