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ドナルド・トランプ大統領はここ数日間、グリーンランドを取得することに執着しており、それに反対するヨーロッパの同盟国に関税を課すと主張している。この関税の脅しに対して、投資家はヒステリックに反応した。なぜ、グリーンランドがそれほど重要であるのか?
トランプ大統領が北大西洋条約機構(NATO)加盟国のデンマーク自治領であるグリーンランドを獲得する必要があると述べているその主な理由は、米国の国家安全保障上重要であるということである。グリーンランドとデンマーク政府の強い反発にもかかわらず、軍事力を行使して占領の可能性も否定していない。益々エスカレートしている主張のため、17日、欧州の同盟国がグリーンランドを擁護するため、グリーンランドに軍隊駐留を強化した。その後、トランプ氏は同盟国であるデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、フランス、英国、オランダに対し、2月1日から10%の関税を課し、合意に至らない場合は6月1日から25%に引き上げると脅したという。この関税は、米国がグリーンランドを支配下に置くまで継続されると述べている。こうした同盟国への関税の脅しによって、3日間休暇後の20日の株式市場は投資家の確信を揺るがせ、20日の市場閉鎖時にダウ工業平均株価は約870ポイント、S&P は143 ポイント、ナスダックは561ポイント下落した。
19日から23日までスイスのアルプスにあるダボスで開催されている世界経済フォーラムでの20日の記者会見で、米財務長官スコット・ベセントは、グリーンランドを巡る欧州への関税措置の脅しについて、「落ち着いて事態の推移を見守るべきです」と述べた。BBCの報道によると、ベセントは、トランプ大統領が昨年発表した米国の関税措置に対する反応と今回の状況を比較し、両者は異なると主張した。「これは4月2日に聞いたのと同じようなヒステリーで、パニック状態でした。私がここで皆さんに申し上げたいのは、落ち着いて、深呼吸をして、事態の推移を見守ってほしいということです。各国が米国に対してエスカレートすることが最もやってはいけないことです。当時、エスカレートしたのは中国だけでした。結果として、不幸な報復合戦に陥りました。大統領がグリーンランドに関して示唆していることは、他の貿易協定とは全く異なります。ですから、すべての国に貿易協定を遵守するよう強く求めます。我々は協定に合意しており、それは大きな確実性をもたらします」と述べた。米国は依然として欧州の同盟国なのかという質問に対し、ベセントはメディアが「極端な立場」を取っていると非難し、「もちろん欧州は同盟国です。米国のNATO加盟は揺るぎないです。我々はロシアとウクライナ間の悲惨な戦争を終結させるために協力しているパートナーです。しかし、だからといって、グリーンランドの将来について意見の相違があってはならないということではありません」と述べた。
ベセントの発言は、大統領の顧問でない限り、他の高官が大統領の外交政策の動機について、詳細に説明することはないことを示唆している。独立系のシンクタンク組織である外交問題評議会が20日に伝えたところによると、グリーンランドの天然資源と北極圏における戦略的な立地は、米国の国家安全保障にとって極めて重要であるという。デンマークおよびグリーンランドの当局者とホワイトハウスでの高官会談に先立って今月行われた記者会見で、トランプ氏は「我々がやらなければ、ロシアか中国がやるだろう」と記者団に語った。さらに、「経済的な動機もある。気候変動に伴う気温上昇により、電気自動車やバッテリーに不可欠な鉱物であるリチウムなど、グリーンランドの希少なレアアース金属へのアクセスが容易になっている。デンマーク政府が2023年に発表した報告書は、グリーンランドが重要な原材料の埋蔵地として大きな可能性を秘めていることを詳述しており、これらの原材料の多くはグリーン・エネルギーへの移行に利用されている」だけでなく、グリーンランドは環境問題への懸念から2021年にすべての石油・ガス探査を禁止した。しかし、トランプ氏にとって別の魅力は、「グリーンランドには、未開発の膨大な石油・ガス資源が存在するとも考えられている。米国地質調査による2008年の推定では、その量は約310億バレル相当する」という。
トランプ大統領は彼の第一期の就任期間に、グリーンランドを獲得したい意欲を示し、激しい抵抗に直面したため、現在の動きは新たなものではない。しかし、今年はさらにトランプ大統領の発言がエスカレートし、「グリーンランドを武力で奪取する可能性」さえ、懸念されている中で、NATO加盟国は、米国の軍事行動を取る場合、「数十年にわたる大西洋同盟を脅かす可能性があると警告している。デンマークは他複数の欧州諸国とともに、グリーンランドとその周辺地域における軍事駐留を強化する」と発表した。グリーンランドには米軍が運営している軍事基地があるため、米国とデンマークはNATO同盟国として長年にわたる二国間防衛協力関係を築いており、グリーンランド周辺での共同パトロールも行っている。しかし、トランプ大統領は昨年12月にグリーンランドの米特使を任命したため、新たな懸念を引き起し、デンマークおよびグリーンランド当局者は強い拒絶反応を示した。
トランプ大統領はなぜグリーンランドの獲得を望んでいるのか?トランプ氏は、グリーンランドの獲得は米国の国家安全保障にとって極めて重要だと繰り返し述べている。グリーンランドはヨーロッパと北米の間に位置し、北極海と北大西洋に近接しているため、軍事・防衛面で戦略的に重要な地域である。特に、この地域における中国とロシアの軍事活動の活発化を監視する上で重要である。米国はすでにグリーンランドに軍事基地を保有しているが、「島全体を支配することで、トランプ政権は北極圏における航空・海軍作戦、さらには宇宙分野における影響力を拡大できる可能性がある」と外交問題評議会は説明している。ウィルソン・センター極地研究所の所長リベッカ・ピンカスはラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティとのインタビューで、「中国との世界的な競争や、戦争における新たな技術革命に直面している今、グリーンランドの重要性は益々高まっています。グリーンランドはミサイル防衛の観点からも、宇宙開発の観点からも、そして世界的な競争という観点からも重要です」と語った。
要するに、トランプ大統領は2017年に就任した第一期からデンマークの自治領の中で陸地面積が最大であるとされるグリーンランドを米国の支配下に置くことを主張した。二期目には、その主張がエスカレートし、その方針に反対する同盟国に関税を課すと脅したため、投資家は強い懸念を表明し、株式市場は急落した。既に、米国はグリーンランドに自由に入国可能であり、米国の軍隊はグリーンランド周辺をパトロールしている。米国はレアアース鉱物を中国に大きく依存している現状に比べると、米国の基地があり、貴重な資源が利用可能なグリーンランドの方が遥かに好都合であると見ているようである。トランプ氏にとって、同国が禁止した石油堀削の潜在的有望性もあり、北極海と大西洋の間に位置し、カナダ北極諸島の東にあることから地理学的にも便利である。安全保障の側面でも重要であるとする動機に基づいて、グリーンランドを支配することの意欲は益々強くなっているようである。トランプ氏は19日夜、デンマークはグリーンランドを保護できないと主張したが、デンマークは1949年に北大西洋条約に署名したNATOの創設メンバーであることから、NATOの存在とパワーを無視していることを示唆している。最悪にも、グリーンランドの首相イェンス-フレデリック・ニールセンは20日、トランプ大統領が同領土の買収を繰り返し示唆していることを受け、首都ヌークで行われた記者会見で、「軍事衝突が起こる可能性は低いが、完全に排除することはできない」と語り、グリーンランド当局および住民は、軍事侵攻の可能性は低いものの、万一に備えて準備を始める必要があると述べたことが報告されている。