ジャック・スミスに対する公聴会の印象

2026年1月 22 日 Photo credit : OPB

本日22日、米国下院司法委員会は、2020年の選挙結果転覆を試み、2021年1月6日の議事堂での暴動事件の扇動的役割を果たし、多量の機密書類をマー・ア・ラゴに持ち帰り返却を拒否した2つの連邦刑事でトランプ大統領を調査し、告訴した元司法省の特別捜査官ジャック・スミスに対する公聴会を行った。公聴会では、交互に質問をする民主党および共和党議員らのスミスに対する態度には対照的な違いがあることを明白にした。2024年にトランプ氏が勝利したため、この二件の刑事訴訟を放棄したスミスに対して今頃公聴会を行う意味があるのか?

元米国司法省の特別検察官として、トランプ氏を調査し、告訴したジャック・スミスは2026年1月22日午前10時から開始された米国下院司法委員会での公聴会で、初めて公的に「彼が遵守すると宣誓した法律を意図的に破りました」と述べた。共和党が多数派である下院司法委員会の議長は、大学レスリング部の元コーチであり、2001年にオハイオ州のキャピタル大学法学部で法務博士号を取得したが弁護士の試験を受けたことはないとされるトランプの強固な支持者ジム・ジョーダンであり、民主党の副議長は、元憲法学者のジェイミー・ラスキンである。ジョーダンと彼の仲間の共和党議員らは、スミスの調査が政治的であるという観点からこの公聴会を進めた。しかし、スミスは「今日、同じ事実に基づいて元大統領を起訴するかどうか問われたら、その大統領が共和党員であろうと民主党員であろうと関係なく、私は起訴するでしょう。我が国では誰も法の上に立つことは許されません。法律は彼に責任を負わせることを求めています。なので、私はそうしました」と静かな口調で述べた。

1月6日にトランプ支持者の暴徒らが議事堂を襲撃した事件は、米国司法省の前代未聞の大きな調査となった。そして、任務が終わった大統領は1978年に制定された大統領記録法に基づき、就任中に発生した贈答品および機密書類を含む多量の文書(電子メール、メモ) すべての記録を国立公文書館・記録管理局に引き渡さなければならないが、トランプ氏は、所有権は彼にあると主張した。法務当局と記録管理局は返却を求めたが、返却を拒否した当時の元大統領は、FBIの家宅捜査に直面した。これも前代未聞の驚異的な事件であった。この二件の事件を調査したジャック・スミスは22日の公聴会で彼自身が訴追を決定したと述べた。そして、初めて公的に彼が調査した結果、「トランプは完全に犯罪活動に従事していた」と述べ、選挙は盗まれたとする主張は虚偽であることをトランプが知っていたとする「強力な証拠がある」と述べた。これは、議事堂事件から5年以上が経過した後に初めて、全国放送を通して、スミスがなぜトランプ氏を告訴したかを語ることで、米国民が知る強烈な証言となった。スミスは犯罪を犯した個人を調査し、正義に導くことがない場合、民主主義は弱体化するため、圧倒的に証拠があると確信した時にトランプ氏を起訴するという「私の決定を支持する」と述べた。従って、事件から5年以上が経過した今でも、公聴会を行う意義があることを示している。

共和党議員の幾人かは、選挙結果を転覆するという考えを提唱し、協力した他の6人はトランプが起訴された「扇動的陰謀」の容疑で起訴されず、なぜトランプのみがその容疑で起訴されたのかという疑問を投げた。共和党らが意味する6人は、この選挙結果の転覆運動に積極的に参加したトランプ氏の個人の弁護士ルディ・ジュリアニ、戦略を練ったとされる憲法学者のジョン・イーストマン、同じく弁護士のシドニー・パウエル、トランプ政権下で司法省の元副長官であったジェフリー・クラーク、元トランプの弁護士ケネス・チェセブロと2020年のトランプ陣営の弁護士兼顧問ボリス・エプシュテインが含まれる。複数の共和党議員らは、この6人が起訴されず、「なぜトランプだけが起訴されたのか」と聞いた。この6人は、犯罪行為に協力したとして、実際には起訴状に特定されたが、スミスは最初の起訴状にはこれらの6人を含めていなかった。しかし、スミスは、トランプ大統領の顧問の行動だけではなく、トランプ大統領の個人的な行動や指示を中心に展開されたと指摘した。スミスは、2021年1月6日の事件は、トランプ大統領が存在しなければこの事件は起きなかったと示唆し、「示された証拠は、トランプ大統領がこの陰謀において最も有罪で最も責任ある人物であることを明らかにしました」と述べた。

下院司法委員会のトップ・メンバーの一人であるベッカ・バリン民主党議員は、「トランプは司法省を利用して貴方に対して報復すると信じますか?」とスミスに聞いた時、スミスは「信じる」と答えた。アンディ・ビッグス(アリゾナ州)を含む共和党議員の「扇動的陰謀」に関する質問に対して、民主党議員チュイ・ガルシア(イリノイ州)は、トランプの支持者らは、トランプ大統領の要請に従わなかった副大統領マイク・ペンスを殺害する意図があったこと、議事堂警察を圧倒し、警察官らをペッパー・スプレー、国旗の槍状の先頭部で攻撃し、消化器で殴り、議会のドアを暴力的に叩く激しい音を聞いたことや目撃したことを描写し、これが米国を安全にすることであるかと反論した。スミスは「絶対にそうではありません」と答えた。そして、ガルシアは、説明責任を問うことがなければ、民主主義は崩壊すると述べた。

公聴会はすでに3時間半も経過した頃、議員らの多くは疲れているように見えた。この公聴会の特徴は、民主党議員らは、ジャック・スミスを正義の英雄として対応する一方で、共和党議員らはスミスが大統領の敵であるという態度で接し、この公聴会をスミスが特別検察官として失敗したと印象づけるために利用したことを示唆した。議会委員会も極端に党派的に分裂しているため、党派的感情から離れて真実を知ることを望み、公聴会を見ていた視聴者には、幾分混乱を与える印象を受けた。しかし、最も目立った特徴は、一部の共和党議員らが感情的な質問を浴びせてもジャック・スミスは常に冷静に対処し、怒りや感情を露骨に示すことはなかった。しかし、スミスは当時、トランプ氏が選挙結果を受け入れなかった状況はショックであったと述べた。また、党派に関係なく、多くの議員らは、限定された時間内で、準備された書類を読むことに集中したが、スミスは書類を読むことはなく、質問者の方向に顔を向け、自然な対応で答えた。複数の共和党議員は、質問を提起し、スミスが答えようとすると、頻繁に彼の発言を遮った。民主党議員らはほぼ全員が常識的なマナーで、最初に公聴会に参加してくれたスミスにお礼を述べ、スミスの勇気と根気強い調査に感謝を表明した。加えて、トランプ氏が2024年の選挙で勝利した後に、現役の大統領は調査および起訴されないとの司法省の規定に早くから従ったスミスに敬意を表した。この機会に民主党議員テッド・リュー(カリフォルニア州)はエプスタイン・ファイルを公開していない司法省は法律に違反しているとして批判し、共和党議員らは、その公開を恐れていると指摘した。

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