
Photo credit : Howdy Health
ギャロップの調査によると、米国の成人肥満率は2022年の40%から2025年には37.0%まで徐々に低下した。これは統計的に有意な減少であり、3年前と比べて肥満の成人は推定760万人減少したことを意味する。過剰な体重を減少することは心臓病、糖尿病、がん、その他の深刻な病気のリスクを軽減するメリットがあるものの、重要な欠点もあると専門家は指摘する。それは、体重を減らす過程で筋肉も失ってしまうことであるという。
ハーバード・ヘルスのメンズ・ヘルス・ウォッチ編集長マシュー・ソランの解説によると、ハーバード大学関連病院の体重管理・ウェルネス部門共同責任者であるキャロライン・アポビアン医師は、「どれだけ体重を減らしても、そのうち約25%は筋肉量の減少によるものです。GLP-1受容体作動薬(主に2型糖尿病患者の血糖値(グルコース値を管理するのに役立つ薬剤の一種で、肥満の治療にも効果があるとされている)を使用したり、極端な低炭水化物ダイエットや低カロリー・ダイエットを行ったりして急速に体重を減らすと、さらに多くの筋肉が、より速いペースで失われる可能性があります」と述べている。
なぜ減量すると筋肉が減少するのだろうか?「減量とは、体全体の質量(主に脂肪、筋肉、水分)が減少することを指す。多くの人が『減量する』と言うとき、実際には体脂肪を減らすという意味である。そのためには、カロリー不足の状態にする必要がある。つまり、体が必要とするカロリーよりも少ないカロリーを摂取するか、摂取カロリーよりも多くのカロリーを消費する運動をするか、あるいはその両方を行う必要がある。エネルギーが必要なときに利用できるカロリーが少ない場合、体はまず炭水化物由来のエネルギー貯蔵源であるグリコーゲンを利用する。グリコーゲンが枯渇すると、体は脂肪を燃焼させてエネルギーを得るが、特に緊急時のエネルギー源として、筋肉のタンパク質をブドウ糖に変換することもある。これは、筋肉量の減少につながるということである」と説明している。
筋肉量の減少を最小限に抑える方法とは何か? 減量中に過剰な筋肉量の減少を防ぐ方法は3つのアプローチがある。それらは(1)筋力トレーニングで筋肉をつけ、(2)十分なタンパク質を摂取し、(3)減量のペースを緩やかにすることである。
(1)筋力トレーニング:「ダンベル、エクササイズ・バンド、または自分の体重を利用して負荷に抵抗しながら行う運動のことである。定期的なトレーニングは筋肉を増やすのに有効である。トレーニングの強度と難易度を徐々に上げていくことで、筋肉の成長が促進され、より強くなる。 筋力トレーニングで筋肉量を増やすことは、減量も促進することになる。筋肉を積極的に使うことでカロリーを消費するだけでなく、筋肉は休息中や回復中にもカロリーを消費し続ける。ガイドラインでは、ほとんどの人が週に少なくとも2回の筋力トレーニングと、150分の中強度のエアロビック(有酸素)運動を行う」ことを推奨している。
(2)タンパク質摂取量を増やす:「筋肉の成長にも燃料が必要であり、そこでタンパク質が重要になる。体は食事から摂取したタンパク質をアミノ酸に分解し、筋肉を作るためにそれを利用する。成人は1日あたり体重1kgあたり0.8gのタンパク質を摂取することが推奨されている。しかし、研究によると、筋力トレーニングを行っている65歳以上の成人は、体重1kgあたり1.2~1.5gのタンパク質が必要となる場合がある。これは、体重75kg(165ポンド)の人であれば、1日あたり約90~112gに相当する。 体が一度にどれだけのタンパク質を利用できるかについては、一般的には20~40gと言われているが、一部の研究ではそれ以上の量が可能であるという結果も出ている。アポビアン博士は、1回の食事あたりのタンパク質量にこだわるのではなく、1日の総摂取量を満たすことに重点を置くことを推奨している。一度にすべてのタンパク質を摂取するのではなく、1日を通して分散して摂取し、各食事や間食にタンパク質が含まれる」ようにする。
(3)緩やかな減量:「医師がGLP-1受容体作動薬を処方する際、まず低用量から始める主な理由は、副作用を最小限に抑えるためであるが、これは急速な減量を防ぐことにもつながる。急速な減量は、脂肪ではなく筋肉のタンパク質を燃焼させてしまう可能性がある。週に0.5~1kgずつゆっくりと減量することで、継続的な筋力トレーニングと適切なタンパク質摂取を組み合わせれば、筋肉量を維持し、場合によっては増やすこともできる」と言う。
最後に、一般的に認識されていることは、体は常に動かす必要があり、ほとんど体を使わないライフスタイルの人は体脂肪が増える一方で、筋肉と骨が衰えるということである。従って体脂肪を減らし、引き締まった筋肉を増やし、カロリーを効率的に燃焼させるためには筋力トレーニングが奨励されているということである。筋力トレーニングは、若い女性や中高年の女性も含め、全ての年齢層に重要な要素である。なぜなら、代謝が向上し、免疫力が高くなり、骨折を予防するため、骨を丈夫にしたい男女は、筋肉を増加しながら、骨も強化する運動を定期的に行う必要がある。これらの運動には重荷運動が含まれる。一般的に知られている楽しみながらできる重荷運動にはダンス、ヨガ、サイクリングなども含まれている。日々、自宅でできる定期的に永続可能な最適な筋力トレーニングには、ダンベルを利用した運動、腕立て伏せ、懸垂などがある。長続きする自分にあった運動を見つけることから始める必要があると専門家は示唆している。