二人の米国市民が連邦職員に殺害され、ミネアポリスの住民らが怒りを超えた苦痛に直面している中で、共和党議員、共和党知事、銃関連協会、弁護士など有力者が声を出し始めた。こうした共和党員は、今回、全国的に共和党の有力な個人及び組織がインタビューやソーシャル・メディアでの投稿を通して、トランプ政権に何らかの移民政策の変化を求める共和党の反発に対して、連邦政府が無視できない状況になった可能性があることを示唆している。
抗議に参加した人々が無惨に殺害または攻撃されている犠牲者に対して、証拠もなく、「テロリスト」とのレッテルを貼ること、そのような表現を改めるよう求める議員、ミネアポリスに対する連邦政府の過度の介入を止めるよう求める声、政権が行なって行為に対して、地元の有権者にどう対処すべきか混乱している議員、連邦政府が「報復」の中心になっていることで、知事候補を諦めた共和党の弁護士などが、公的にトランプ政権の移民対策に疑問を投げ始めている。この状況はもはや大統領が無視することを困難にする可能性がある。
トランプ支持議員の反応:トランプ大統領に最も刺激を与える可能性があるのは、通常トランプの支持者であるとされている知名度の高い人物からの指摘である。経歴の長い米国上院議員テッド・クルーズ(テキサス州)はトランプの強固な支持者であるが、26日に自身のポッドキャストで7日に米国移民税関執行局(ICE)の職員によって殺害されたレネー・グッドおよび24日に国境警備員に10回撃たれ、殺害されたアレックス・プレッティに対する表現は、不適切であると指摘した。クルーズは「こうした事件が起こるとすぐに、まるで暴力的なテロリストを排除したかのように、大げさな表現で騒ぎ立てる」と述べた。彼は、このような事件に対して、政府が改善すべき点は、調査が始まる前から、殺害された人々を証拠もなく、「テロリスト」と呼びことを止め、説明の仕方を向上するべきであると述べた。クルーズは、「もし、被害者が3人の子供を持つ母親で、ISの旗を振っていたり、自爆ベストを身につけていたりするような兆候が全くないのに、こうした事件について過激な言葉遣いをすれば、何の役にも立たないどころか、信頼性を失うことになる。だから、政権にはもっと冷静な対応を促したい」と述べた。
米国議会共和党議員らの反応:下院国土安全保障委員会のアンドリュー・ガルバリノ委員長は、移民関税執行局(ICE)、税関・国境警備局(CBP)、米国市民権・移民局(CIS)の幹部らに証言を求め、「私の最優先事項は依然としてアメリカ国民の安全を守ることです」と述べた。トランプ大統領の強力な支持者であり、再選を目指すネブラスカ州の上院共和党議員ピート・リケッツでさえ、「優先順位をつけた透明性のある捜査」を求めた。リケッツは、オンラインで「ICEへの資金提供に対する私の支持は変わらないですが、私たちは抗議活動や集会の権利を含む、国家としての基本的価値観も維持しなければなりません」と述べた。再選を目指すルイジアナ州選出のビル・キャシディ上院議員は、トランプ氏の支持を受けた対立候補と選挙戦を繰り広げているが、ソーシャル・メディアでの投稿で今回の銃撃事件は「非常に憂慮すべき事態」であり、「ICEと国土安全保障省の信頼性が問われている」と述べた。彼は「連邦政府と州政府による徹底的な合同捜査」の必要性を強調した。
同じく、再選を目指しているメイン州選出のスーザン・コリンズ上院議員は「暴力を使わずに解決できた可能性のある状況で、過剰な武力行使があったかどうかを判断するためには、調査が必要です」と述べた。 コリンズは、抗議参加者に対し、法執行機関から「一定の距離を保ち」、妨害しないよう呼びかける一方で、連邦法執行機関は「国民の抗議する権利と、現在直面している非常に緊迫した状況の両方を認識しなければなりません」と述べた。アラスカ州のリサ・マーカウスキー上院議員および他多数の共和党上院議員は、退役軍人病院の集中治療室看護師だった37歳のアレックス・プレッティが土曜日に射殺された事件に対し、さらなる情報開示を求めた。再選を目指していないノース・キャロライナ州のトム・ティリス上院共和党議員は「徹底的かつ公平な捜査」を求め、「性急な判断を下し、捜査が始まる前にそれを阻止しようとする政権当局者は、国とトランプ大統領のレガシーに計り知れない損害を与えることになる」と述べた。
共和党知事の反応:また、一部の共和党知事は、ミネソタ州の知事が繰り返し、連邦政府の介入を止めるよう求めていることに同意している。オクラホマ州知事のケビン・スティットは25 日CNNのState of the Unionでのインタビューで、今回の銃撃事件は「真の悲劇」であり、トランプ大統領は「最終的な目標」を明確にする必要があると述べた。また、「連邦政府が各州に介入することを好む人はいないです。今の目標は何なのか?すべての非米国市民を国外追放することなのですか?アメリカ国民はそんなことを望んでいないと思います」と語り、ミネソタ州が沈静化するためには連邦捜査官らが退去する必要があると指摘した。バーモント州の共和党知事フィル・スコットはソーシャル・メディアでの投稿の中で、銃撃は「容認できません。これらの連邦入国管理業務は、良く言っても、受け入れられる公安と法執行慣行、訓練、指導力の調整が完全に失敗しているものです」と述べた。加えて、ミネソタ州知事選に共和党候補として立候補していたミネアポリスの弁護士クリス・マデルは月曜日、彼の州であるミネソタ州に対する連邦政府の「報復」の動きがあるため、選挙運動を中止すると発表した。彼は、ミネソタ州におけるICEの活動は「完全な大失敗」であると非難した。
銃保持権利の声明:全米ライフル協会(NRA)はソーシャル・メディアへの投稿で、「合法的に武装しているからといって、これらの権利が消滅するわけではありません。責任ある立場にある人々は、安易な一般化や法を遵守する市民を悪者扱いするのではなく、徹底的な調査を待つべきです」と述べた。また、ミネソタ州銃所有者協会は声明の中で、「平和的なミネソタ州民は、デモに参加したり、監視活動をしたり、憲法修正第1条の権利を行使したりする際も含め、武器を所持し携帯する権利があります」と述べた。エプスタイン・ファイル開示運動の先駆者であるケンタッキー州を代表する下院共和党議員トーマス・マッシーは、「銃器を携帯することは死刑宣告ではないです。それは憲法で保障されている権利です。もし、あなたがこのことを理解していないなら、法執行機関や政府にいる資格はありません」と手厳しく現状を批判している。
結論として、トランプ大統領は2025年の最初の任期中に、ほとんど共和党議員らがトランプ氏の政策に反論したり、異議を唱えたり、何かを指摘することはなかったが、二件の殺害事件後、ついに声を上げ始めた。この状況の変化は、もはや許し難いものであると多くの共和党議員らが感じていることを示唆している。武装していない3人の子供の母親グッドが少なくとも3回の銃撃で殺害され、トランプ政権の移民政策に抗議していた抗議者の一人であったプレッティが殺害された二件の深刻な銃撃事件後に初めて立ち上がったこれらの人々の声明は、米国市民が無惨に殺害された事件に対して、素早く過激なテロリストとしてレッテルを貼ろうとする政権の対応に失望している共和党員が多いことを示唆している。また、議員らは、ミネアポリスでの移民関税執行局及び国境警備隊など、大勢の連邦執行官を派遣することは、平和的な結果になっていないため、この状況を変える必要があると促している。銃保持の権利については、アレックス・プレッティの殺害後に、DHSがダブルスタダードを利用したことを何気なく示唆したため、銃保持協会がこのようなコメントを表明したと思われる。これらの声は民主主義がまだ健在していることを示唆している。