選挙の公正性に対する異様な挑戦

Photo credit : Atlanta Journal – Constitution

ニューヨーク・タイムスの記者らは、彼らが「異例の出来事」と呼ぶ状況を報告した。驚異的な圧力に直面したジョージア州フルトン郡の選挙管理者らは、3日の時点で、トランプ政権を告訴する方針を示している。それに続き、トランプ大統領は選挙を少なくとも15州で全国化するべきであると共和党に呼びかけたことが注目されている。ほぼ日常的に異様なことが起きている政権下で、この二つのエピソードには一貫性がある。

先週ジョージア州フルトン郡の選挙センターで、FBIの捜査官らは捜索を行い、2020年の投票用紙をトラック数台分押収したという。この状況を報告したニューヨーク・タイムスの3人の記者は、2日の報告で「あらゆる面から見て」、これは「異例の出来事であった」と述べている。記者らは「トランプ大統領は政府の権限を駆使し、広範な選挙不正があったという自身の虚偽の主張を裏付けるだけでなく、自身に不利益をもたらしたと考える人々に対して刑事訴訟を起こそうとしていた。 ニューヨーク・タイムス紙が入手した情報によると、翌日に起こったことは、ある意味でさらに異例だった」と述べている。関係者3人からの情報を受けた記者らによると、「国家情報長官のトゥルシー・ギャバードは、非公開の場で、選挙捜査を担当する連邦捜査局(FBI)アトランタ支局の捜査官数名と面会した。彼らはギャバードがなぜその場にいたのかは説明できなかったが、捜索現場にも姿を見せたギャバードが捜査に継続的に関与していることに疑問を投げかけている。なぜなら、国家情報機関を統括する彼女の役割には、犯罪捜査への現場での関与は含まれていない」からである。再に、会議中にギャバードは携帯電話でトランプ氏に電話をかけ、電話に出ず、すぐに折り返しの電話をかけてきたトランプ氏は、おそらく1分程度の会話で、捜査への貢献を称賛し、感謝の言葉を述べた」という。公職者の汚職や公民権侵害の疑惑を捜査し、捜索令状の証拠を収集した捜査班の責任者が主にトランプ氏からの質問に答えたと関係者らは述べている。この出来事は「通常の法執行手続きの範囲をはるかに逸脱していました」と言う。この当局者は、大統領は捜査官たちに直接実質的な指示は一切与えなかったと述べている。

CBSが2日に伝えたところによると、先週、FBIはフルトン郡選挙管理事務所を捜索し、「前例のない行為」に対して、地元指導者らが2020年選挙記録を不当に押収したと批判しており、異議申し立てを行う方針であると述べている。フルトン郡委員のマービン・アリントン・ジュニアは2日、ユニオンシティにあるフルトン郡選挙管理センターで1月28日に執行された連邦捜索令状に対する法的措置を発表した。FBI捜査官は、数百箱に及ぶ2020年大統領選挙の投票用紙、有権者名簿、投票用紙画像、その他の選挙記録を押収した。 アリントンは声明の中で、「この犯罪捜索令状に対抗するため、郡弁護士にあらゆる手段を講じるよう要請しました。この捜索令状は不適切だと考えています」と述べた。フルトン郡委員会で唯一の現役弁護士であるアリントンは、郡は令状の範囲と執行方法の両方に異議を申し立てるつもりであると述べている。同氏によると、FBIは別の裁判所命令に基づき、選挙記録のコピーを作成する権限を与えられていたものの、対面投票、不在者投票、暫定投票を含む原本の投票用紙と有権者名簿を物理的に押収した。アリントンは「彼らは有権者名簿のコピーとすべての原本の投票用紙を持ち去った。記録が押収された際に保管状況の記録が作成されなかったため、すべてが返還されたかどうかを確認することができない」と述べた。

FBIがなぜこれらの記録を求めているのかは依然として不明である。捜索令状には、2つの連邦法違反の可能性が挙げられている。1つは有権者への威嚇および選挙妨害に関するものである。もう1つは選挙管理当局に対し、連邦選挙記録を22か月間保管することを義務付けるものである。この令状は、キャサリン・サリナス連邦治安判事によって署名された。FBIは「裁判所の許可を得た法執行活動」を実施したことを認めたが、捜査が継続中であることを理由に、それ以上の詳細については明らかにしていない。この捜索は全米の注目を集め、民主党指導者からは激しい批判を浴びた。彼らは、すでに監査と再集計が行われた2020年の選挙について、なぜ連邦当局が再び調査を行っているのかとの疑問を呈した。郡弁護士は、ジョージア州北部地区のラッセル連邦ビルにある連邦裁判所に異議申し立てを行う予定である。

ジョージア州で起きている政権の「異例」の行動は、同日に報告されているトランプ大統領の発言と無関係ではなさそうである。司法省は既に、民主党の複数州に対して、投票登録者の記録を提供するようプレッシャーをかけている中で、実際にFBIは、ジョージア州での捜査令状に基づく捜査中に、同州の選挙管理当局が予期していなかった有権者の個人情報と投票用紙の原本を押収したのである。トランプ大統領は、元FBI副長官のダン・ボンジーノが2日に公開したポッドキャスト番組でのインタビューで、共和党に対し米国の選挙制度を「国営化」するよう要求した。これは「攻撃的な発言」であり、2026年の中間選挙に「連邦政府が介入することを示唆する新たな懸念を招く恐れがある」と言う。移民問題について長々と語ったトランプ氏は共和党関係者に対し、15州の投票手続きを「掌握」するよう呼びかけたが、具体的な州名を特定していない。大統領は、共和党が「我々が引き継ぐと言うべきだ」と述べ、「少なくとも多くの州、15州の投票手続きを我々が掌握すべきだ。共和党は投票制度を国営化すべきだ」と言った。州が投票を管理する制度を連邦政府の権威に移行することを示唆しているが、憲法は各州に選挙を管理する権利を与えているため、憲法改正をしない限り、それは違憲である。

最後に、議会選挙または中間選挙に関して、憲法修正第1条第4項は「上院議員および下院議員の選挙の時期、場所、および方法は各州の議会によって定められるとしている。ただし、連邦議会は、上院議員を選出する場所に関する事項を除き、いつでも法律によってそのような規定を制定または変更することができる」と定めている。つまり、憲法で定めている規定に関して、変更を行う場合、その変更を改正する必要があり、憲法改正には両院で2/3の投票、50州2/3の同意が必要である。通常、大統領は議会選挙にはほとんど関与しないが、現政権の大統領にとっては個人的な問題であるようだ。ほぼ全ての側面で立法府より行政権の権威を拡大しようとし、それがどこまで可能であるかを無謀に試していると見られている大統領は、中間選挙で多数派を失うと、弾劾によって政治生命が絶たれる可能性が強化されるからである。要するに、今起きている政権の選挙に関する疑わしい動きは、疑問が直ちに提起されても不思議ではない。現場で犯罪捜査を行うことが仕事ではない国家情報長官のトゥルシー・ギャバードは、捜索と投票関連の全ての書類およびオリジナルの投票用紙を押収したFBI捜査官らとなぜ会っていたのか?ギャバードと大統領はほぼ即時に、なぜ電話通信が可能であったのか?そして、別の裁判所は選挙記録のコピーを押収するよう命令したが、あえて原本を押収したのはなぜか?かなど、メディアは複数の疑問を提起している。証拠を提供していない選挙不正の主張を繰り返し、選挙の統合性に疑問を投げかけることで、州による選挙管理の権利も抑えようとしているような状況が見られ、大統領の一連の言動には一貫性がある。その目的は益々、選挙が全てであることを示唆している。メディアは、選挙の公正性に対する異様な挑戦において、「選挙に対する支配力」を強化しようとしている大統領と同盟者らの過去には見られなかった異例の活動に注目している。

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