エプスタインは性的人身売買組織を運営していなかった?

FBIは、主に未成年者に対する性的密売で有罪判決を受け、裁判前に自殺したとされるジェフリー・エプスタインが権力者のために性的人身売買組織を運営していなかったとの結論を下した。最近、米国司法省は300万以上の書類、写真、動画などを公開したため、主要メディはそれを精査しているようである。すでに数十人の被害者がエプスタインに性的虐待を受けたと告白した中で、司法省内部記録を調査した一部のメディアによると、FBIは銀行記録や通信記録を徹底的に調査した結果、結論を出したという。

有力者達に少女を斡旋する人身売買組織運営の証拠は発見不可能

司法省内部記録を調査したAP通信が8日に伝えたところによると、FBIはエプスタインの「銀行記録やメールを徹底的に調べ、彼の自宅を捜索した。彼に対する捜査は、トランプ政権以前から「何年もかけて被害者への聞き取り調査を行っており、世界で最も影響力のある人物たちとのつながりを調査した。しかし、司法省の内部記録を検証した結果、捜査官はエプスタインが少女達に性的虐待を加えていたという十分な証拠を集めたが、人脈の広い金融家である同氏が有力者たちに少女を斡旋する人身売買組織を率いていたという証拠はほとんど見つからなかったことが明らかになった」とAP通信が伝えた。 2025年のメモの中で検察官は、ニューヨーク、フロリダ、バージン諸島にあるエプスタインの自宅から押収されたビデオや写真には、被害者が虐待されている様子は映っておらず、彼の犯罪に他の人物が関与していることを示すものもなかったと記している」と言う。2019年の別の内部メモによると、エプスタインの金融記録、特に学術界、金融界、国際外交界の有力者と関係のある団体への支払い記録を調べた結果、犯罪行為との関連性は見つからなかったという。エプスタインの被害者の1人は、彼が自分を裕福な友人たちに「貸し出した」と公に主張したが、捜査官はその事実を確認できず、同様の証言をする他の被害者も見つからなかったと記録には記されている。昨年7月のメールで捜査の概要をまとめた捜査官らは、エプスタインを告発した「4、5人」が、他の男性または女性から性的虐待を受けたと主張していると述べた。しかし、捜査官らによると「これらの人物を連邦法で起訴するのに十分な証拠がなかったため、事件は地元の法執行機関に送致された」という。

数十人の被害者が名乗り出ている

AP通信をはじめとする複数のメディアは、司法省がエプスタイン・ファイル透明化法に基づいて公開したこれまで機密扱いだったものを含む数百万ページに及ぶ文書を現在も精査しており、これらの記録には捜査官が見落とした証拠が含まれている可能性もある。これまでのところ、数十人の被害者が名乗り出ている。エプスタイン事件の捜査は2005年に始まった。フロリダ州パームビーチにある億万長者の自宅で、14歳の少女が性的虐待を受けたと、少女の両親が通報したのがきっかけとなった。警察は、同様の被害を訴える少女を少なくとも35人特定した。エプスタインは高校生くらいの少女たちに200ドルか300ドルを支払い、性的マッサージをさせていた。 FBIが捜査に加わった後、連邦検察官はエプスタインと、少女たちの訪問や支払いを手配していた数人の個人秘書を起訴する起訴状を作成した。しかし、当時のマイアミ連邦検事アレクサンダー・アコスタは、エプスタインが未成年少女への売春斡旋に関する州法違反の罪を認める司法取引に応じた。エプスタインは18ヶ月の刑を言い渡されたが、2009年半ばに釈放された。 2018年、マイアミ・ヘラルド紙の一連の記事がこの司法取引について報じたことをきっかけに、ニューヨークの連邦検察官は再びこの疑惑を調査することになった。 エプスタインは2019年7月に逮捕され、その1ヶ月後、彼は刑務所の独房で自殺した。 1年後、検察はエプスタインの長年の側近であるギスレイン・マクスウェルを起訴した。彼女は被害者の何人かを勧誘し、時には性的虐待にも加わっていたとされている。2021年に有罪判決を受けたマクスウェルは、現在20年の刑期に服役中である。

検察は最も衝撃的な主張を裏付ける証拠の発見に失敗

司法省が最近公開したエプスタイン関連記録に含まれる検察側のメモ、事件概要、その他の文書によると、FBI捜査官と連邦検察官は共謀者と思われる人物を徹底的に捜査していたことが明らかになった。通報窓口に寄せられた、一見突飛で理解しがたい主張でさえも調査対象となっていた。 捜査官は、一部の疑惑は立証できなかったと記している。 2011年と2019年に、捜査官はバージニア・ロバーツ・ジウフレに事情聴取を行った。ジウフレは訴訟やニュース・インタビューで、エプスタインが彼女に多数の男性、中でも英国のアンドリュー元王子を含む男性との性的関係を持つよう手配したと主張していた。 捜査官は、ジウフレがエプスタインから性的虐待を受けていたことを確認したと述べている。しかし、彼女の話の他の部分は問題があった。「他の被害者で、マクスウェルまたはエプスタインから他の男性と性的行為を行うよう明確に指示されたと証言した者はいない」とメモには書かれている。 ジウフレは、エプスタインとの生活について、実際には起こらなかった出来事の描写を含む、一部フィクションの回顧録を執筆したことを認めた。

彼女は捜査官とのインタビューでも証言内容が二転三転していた、と捜査官は記している。また、「彼女は自身の疑惑について継続的にメディアのインタビューに応じており、その多くは、明らかに不正確とは言えないまでも、センセーショナルに誇張された内容を含んでいた」という。これらの不正確な記述には、FBIとのやり取りに関する虚偽の証言も含まれていたと捜査官は述べている。 それでも、連邦検察は現在アンドリュー・マウントバッテン=ウィンザーとして知られるアンドリュー元王子との面会を試みた。しかし、彼は面会を拒否した。ジウフレ氏はマウントバッテン=ウィンザー氏を性的不正行為で訴えていた訴訟で和解した。 昨年自殺したジウフレは、死後出版された回顧録の中で、検察官は彼女の主張が陪審員の注意をそらすことを恐れたため、マクスウェルに対する訴訟に彼女を含めなかったと彼女に告げたと書いている。彼女は、エリート男性たちに人身売買されたという自身の証言は真実だと主張していた

検察は写真や動画には他の人物を巻き込む証拠はないと主張

捜査当局は、エプスタインの電子機器やニューヨーク、フロリダ、米領バージン諸島の自宅から多数の動画や写真を押収した。押収品の中には、女性の裸体画像を含むCD、写真、そして少なくとも1本のビデオ・テープが含まれており、中には未成年と思われる女性も写っていた。ある機器には、商業的な児童性的虐待を示す画像が15~20枚保存されていた。捜査官によると、これらの画像はエプスタインがインターネットで入手したものだという。 当時のモーリーン・コミー連邦検事補は、昨年FBI職員宛てのメールで、押収された動画や写真にはエプスタインの被害者が性的虐待を受けている場面は一切映っておらず、裸体の女性と一緒に写っている男性は一人もおらず、エプスタインとマクスウェル以外の人物を巻き込む証拠も一切含まれていないと記している。

顧客リストは存在しない。

フロリダ州司法長官のパム・ボンディは2025年2月、フォックス・ニュースに対し、エプスタインのこれまで公開されていなかった「顧客リスト」が「今、私の机の上にある」と述べた。数ヶ月後、彼女はFBIがエプスタインの「子どもたちとの映像、あるいは児童ポルノ」を含む「数万本のビデオ」を調査していると主張した。 しかし、FBI捜査官は上司に対し、顧客リストは存在しないと報告していた。 ジョー・バイデン大統領が退任する約3週間前の2024年12月30日、当時のFBI副長官ポール・アバテは部下を通して、「メディアでしばしば言及される『顧客リスト』が、これまでの捜査で存在することが確認されているのか、あるいは存在しないのか」を問い合わせた。これは、彼の問い合わせを要約したメールに記されている。 翌日、FBI当局者は、担当捜査官が顧客リストは存在しないことを確認したと回答した。 ボンディがフォックス・ニュースに出演する2日前の2025年2月19日、FBIの監督特別捜査官は、「ジェフリー・エプスタイン事件に関するメディア報道では『顧客リスト』に言及されているが、捜査官は捜査中にそのようなリストを発見しなかった」と記した。

最後に、一部の超党派の議員らが全ての文書はまだ約半分が提供されていないと苦情を述べてから、約1週間後、トランプ大統領に忠誠的なFBI ディレクターが率いる同当局は、ジェフリー・エプスタインの顧客リストは存在しないと発表した。そして、エプスタインは、少女らに性的虐待を加えたが、人身売買組織を率いていたという証拠は発見できなかったとする調査結果を発表した。1月30日、米国司法省の副長官トッド・ブランシュは、600万ページ中300万ページを公開したと述べたが、その多くは、弁護士・顧客特権に基づき、公開できないと主張した。ニューヨーク・タイムスは2月1日、「トランプ氏や関連用語に言及しているファイルを5,300件以上発見した。それらのファイルには、扇情的な内容で真偽が確認されていない主張や、すでに公開されている文書などが含まれている」と伝えた。他に名前が挙がっている個人は、イーロン・マスク、ビル・ゲイツ、現役の商務長官ハワード・ラトニックなどが含まれている。エプスタインは金融家だったことから、多くの著名人は、ほとんど財政的側面での友好関係があった可能性があるとの印象も受ける。しかし、司法長官ポム・ボンディは公的に、「顧客リスト」を自分に机の上に保持していると述べたことから、FBIの結論は非常に混乱する側面がある。FBIの8日の報告が永久的に全ての幕を閉じたことを意味するのか不明であるが、メディアはまだ1月30日に公開された巨大な資料を調べている最中であるため、新たな何かを発見する可能性があることも示唆している。

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