トランプ大統領の一般教書演説のタイミングは問題?

2020年2月5日 Photo credit : The New York Times

2026年2月24日、東部時間9時からトランプ大統領の一般教書演説が行われる。このイベントには通常、米国最高裁の判事らが出席する。彼らの座席は大統領の演説台の正面に近い。トランプ大統領が、彼の関税政策を拒否した6人の判事らを招待しない場合、判事らの席はかなり空席になるか又は数人のみになる可能性がある。そして、エプスタインの被害者と呼ばれる女性たちが招待されている今日、司法省のエプスタイン発表資料からトランプ関連ファイルが欠落していると報告されている。他にも複数の問題があり、トランプ大統領の一般教書演説は絶好のタイミングではないようである。

先週20日の記者会見で、トランプ氏は記者に関税に反対した判事らが一般教書演説に招待されているかを聞かれ、「ほとんど招待されていない」と答えた。しかし、「正直言ってどうでも良い」と言った。実際に招待されていないのであれば、参加する判事は、常に参加しないクラレンス・トーマスを除き、ブラット・カヴァナフおよびサミエル・アリートの2名のみが参加するか又は今年誰も参加しない可能性がある。しかし、恐れず、前向きな姿勢で逆にほぼ全ての保守派判事が参加するという驚きの瞬間を見るかもしれない。過去の例から考えると、毎年の一般教書演説に9人の判事全員が出席することはほとんどない。何しろ、東部時間午後9時から始まり、2025年には約100分のスピーチとなり、2017年からのスピーチの中で最も長いものとなった。通常最低4人から最大7人の判事が参加するが、今年は全く予測できない状況である。トランプ氏の二期目最初の一般教書演説が開催された2025年に参加したのは、主席判事ジョン・ロバーツ、ブラット・カヴァナフ、エイミー・コニー・バレットの3人の保守派判事およびリベラル判事エレナ・ケーガンの4人のみであった。慣例として通路を進んで最前列に着席する前に音声案内があるため、この瞬間を見るために、今年は視聴率が上がるとの予測もある。

今年の一般教書演説は例外なく、大統領と判事らの間に最も緊張がある催しとなる。なぜなら、米国最高裁の多数派6人の判事は、ドナルド・トランプ大統領が最も好んでいた経済政策である関税の合法性を否定し、議会の権限を強調したからである。これに対して、20日の判定直後の気記者会見で、トランプ氏は、6人の判事らを「不忠者」、「国家の恥辱」、「飼い犬」、「家族にとって恥ずかしいことだ」との酷い表現を用いて激しく批判した。現役大統領は、自身の一般教書演説の雰囲気をぎこちないものにしている。大統領が一般教書演説の数日前に自党の最高裁判事を激しく非難するという前例はない。2024年の最後の一般教書演説を終えた時、多くの民主党議員らに囲まれていたジョー・バイデンは、彼に近づく瞬間を待っていた主席判事ジョン・ロバートを一瞥することさえなかった為、ロバーツ判事は、握手する機会を諦めたのか、ある時点で姿を消した瞬間を鮮明に覚えている。バイデン大統領は常に、判事らに対して、ニュートラル且つ毅然とした態度で接していた。彼の政策が拒否されても認められても、成熟した大人として、批判または称賛する態度を戒めていた。そして、一般教書演説に参加した最高裁判事らも、大統領のスピーチには反応しない習慣がある。たとえ、判事らが好ましいと思える政策方針を大統領が語る時も、その逆の場合でも、同意や反対を示唆するヒントさえ与えることはなく、無表情で、拍手することもなく、大統領のスピーチが終わるまで、辛抱強く着席していなくてはならない。

そして、24日の今日注目すべきことは、性犯罪者ジェフリー・エプスタイン事件の生存者と呼ばれる女性らが招待されていることである。同時に、司法省のエプスタイン発表資料からトランプ関連ファイルが欠落していると報告されている。調査したNPRによると、「司法省はトランプ氏に関連するエプスタイン・ファイルの一部を差し止め、削除した」という。NPRの調査によると、「司法省はトランプ大統領による未成年者への性的虐待疑惑に関連するエプスタイン被告のファイルの一部を非公開にしていた。また、エプスタイン被告への告発でトランプ大統領にも言及されている文書の一部を公開データー・ベースから削除した」とNPRは述べている。「公開を義務付ける法律があるにもかかわらず、一部のファイルは公開されていません。これには、50ページ以上に及ぶと思われるFBIの尋問記録や、数十年前、未成年時にトランプ氏による性的虐待を告発した女性との会話の記録などが含まれています。NPRは、1月末に公開された最新の一連の文書のうち、エプスタイン・ファイル・データ・ベース、FBIの事件記録、電子メール、証拠開示文書の記録に含まれる文書に押印された、問題のページの前後に付された複数の固有のシリアル番号を確認しました。NPRの調査では、司法省によってカタログ化されていると思われる数十ページが、公開されていないことが判明しました」と確定的に主張している。このニュースは、今夜一般教書演説を行うトランプ大統領にとっては絶好のタイミングではない。

加えて、主に民主党議員らは今夜の一般教書演説をボイコットするという。下院議会の民主党少数派リーダーであるハーキム・ジェフリーズは23日夜、MSNOWのインタビューで、今年は、昨年のように、トランプ氏のスピーチ中にプラカードでの抗議をするより、静かに参加するか又は参加せず別の計画を立てるよう提案したと語った。そして、数十人が参加しないと表明したと述べた。彼らは、議事堂周辺で行われるイベントに参加する予定である。そして別の悪いタイミングは、24日に公開された世論調査で、トランプ大統領の支持率は引き続きかなり低い事である。

機関名調査期間支持率不支持率
Ipsos2/18 – 2/2340%58%
YouGov2/20 – 2/2339%57%
American Research2/16 – 2/2036%62%
CNN/SSRS2/17 – 2/2036%63%

最後に、最もタイミングが良くないと思えることは、トランプ氏に関連するエプスタイン文書が消えているという報告である。なぜなら、透明性を求め、法律に従うよう押している議員らは、司法省が隠匿していると主張し始めているからである。恐らく、最高裁判事らを非難した数日後にトランプ氏が彼らの幾人かと顔を合わせる可能性があるという事より、このニュースはもっとタイミングが悪いかもしれない。調査機能のあるメディア、特に超党派のNPRのようなメディは徹底した調査を行うため、特定の資料が消えていると明確に伝えている。これは既に、トランプ大統領が「武器化」していると批判されている司法省の長官が今後追求される可能性があることを示唆している。現在、複数のメディアが司法省に対する疑惑を表明している中で、今後の政策方針をアピールする機会である一般教書演説のタイミングは大統領にとって、決して良いとは言えない。

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