グローバル経済への悪い兆候?

米国労働統計局が6日に伝えた統計によると、米国は2月に92,000の雇用を失い、失業率は4.4%でほぼ横ばいだったと発表した。医療分野の雇用はストライキ活動を反映して減少し、情報関連および連邦政府機関の雇用は引き続き減少傾向にある。別の経済の悪い兆候はガソリンの値段が上がっていることである。そして、国民の税金にのしかかる戦争のコストは驚異的に高い。複数の経済専門家は2月の驚きの雇用報告をどのように分析しているだろうか?

オックスフォード・エコノミクスの主任エコノミスト、ナンシー・ハウテンは、 「1月の雇用統計が労働市場の回復力を過大評価したように、2月の雇用統計は労働市場の状況が悪化しているという誤った印象を与えており、経済やFRB(連邦準備制度理事会)の見通しを変えるきっかけにはならないだろう」と分析している。モーニングスターの経済主任であるプレストン・コールドウェルは「最新の統計は、FRBに労働市場の弱体化への懸念を改めて抱かせるはずである。しかし、イラン戦争による原油価格の急落など、今後のインフレ圧力を相殺できるほど明確な証拠はない。FRBは3月、そして、おそらく次回の会合でも連邦ファンドの金利を据え置くでしょう」と述べている。BMOキャピタル・マーケッツの経済主任スコット・アンダーソンは「2月の雇用統計は、米国労働市場が底堅く、改善の兆しを見せているという市場の見方を変えるでしょう。イラン戦争による経済的影響を消化していく中で、FRBが直面する両面的なリスクを浮き彫りにするでしょう」と述べている。

ノースライト・アセット・マネジメントの最高投資責任者クリス・ザッカレッリは「雇用統計はひどい内容で、悪いニュースが良いニュースだという議論が再び巻き起こる可能性さえあります。これは1つのデータ・ポイントに過ぎず、ほとんどの政策決定は少なくとも3つのデータ・ポイントに基づいて行われることは理解していますが、市場がこれを好意的に受け止めるとすれば、それは雇用市場からの悪いニュースを踏まえると、FRBが利下げに踏み切る可能性が高まるからでしょう」と述べている。インディードのエコノミスト、コリー・スタールは、「FRBの政策担当者にとって、3月中旬の会合を控え、見通しは遥かに複雑になりました。インフレ率はFRBの目標である2%を依然として上回っていますが、労働市場は単なる「歪んでいる」状態から、真に「機能不全」へと移行しつつある可能性があります。さらに懸念されるのは、2月のデータはイランとの戦争の進展を考慮に入れていないことです。3月の雇用統計は紛争の初期段階の影響を反映している可能性がありますが、潜在的な影響の多くは戦争の期間と規模に左右されます」と述べている。

専門家は、2月の雇用統計には、イスラエルと米国との合同作戦で2026年2月28日に開始されたイランに対するミサイル攻撃から発展している戦争の影響は含まれていないと述べている。しかし、石油の価格は既に上昇しており、トランプ大統領は2月24日の一般教書演説で、ガソリンの価格は「現在、ほとんどの州で1ガロン2.30ドル以下、一部の州では1ガロン1.99ドル以下である」と主張した。しかし、3月6日のフォーブスの調査によると、最も高い5州でのガソリン価格は以下の通りである。

最大州3月6日の価格先週の価格先月の価格
カリフォルニア$4.91$4.64$4.42
ワシントン$4.49$4.36$3.99
ハワイ$4.45$4.40$4.41
オレゴン$4.09$3.92$3.52
ネバダ$3.97$3.71$3.51

最も安い5州でのガソリン価格は以下の通りである。

最低州3月6日の価格先週の価格先月の価格
カンザス$2.87$2.55$2.47
オクラホマ$2.87$2.47$2.36
ミシシッピー$2.88$2.53$2.47
テネシー$2.89$2.56$2.55
アーカンソー$2.94$2.59$2.45

従って、「今日の米国のガソリン平均価格は1ガロンあたり3.32ドルで、昨日より0.07ドル、先週より0.34ドル、先月より0.42ドル上昇した」とフォーブスは伝えている。

この状況は、再度ガソリン価格が高くなり続ける可能性があることを示唆している。ガソリンのコストが上昇するということは、トランプ大統領が就任して以来、ガソリン価格が下がったと頻繁に自慢してきたこととは逆の状態が起きていることを意味する。戦争によってガソリン価格は再度上昇し、一般的な国民の家計を圧迫する為、さらに支持率が下がり、大統領の党は中間選挙で敗北する可能性がある。しかし、トランプ氏は、5日のロイターとのインタビューで、そのような懸念を軽視した。ガソリン価格の高騰について問われた大統領は「全く心配していません。この状況が終われば価格は急速に下がるでしょうし、上がる時は上がるでしょう。しかし、ガソリン価格が多少し上がることより、遥かに重要な問題です」と述べた。「この発言は、先月の一般教書演説や、土曜日の空爆開始の数時間前にテキサス州で行われたエネルギー問題に関する集会で、ガソリン価格の下落を強調した大統領の姿勢の変化を示している。政治アナリストは、ガソリン価格の継続的な高騰は、議会の支配権が争われる11月の中間選挙で共和党に打撃を与える可能性があると指摘している。有権者は既に、生活費の高騰とトランプ大統領の経済政策運営に不満を抱いている」とロイターが伝えた。

最後に、イラン戦争が拡大することで、グローバル経済の脅威につながる可能性がある無視できない問題は、戦争のコストである。戦争は一日あたり億ドル単位の出費になる。アメリカ国民の生活向上に尽力する独立した超党派の政策機関であるアメリカ進歩センター(CAP)によると、「作戦開始からわずか数日後の3月2日時点で「エピック・フューリー作戦」の初期費用の推定額は 50億ドルを超え、さらに増加し​​続ける可能性がある。わずか数日間の作戦で、200万人以上のアメリカ人のSNAP給付金を賄うことができる」と言う。戦争が拡大する可能性の懸念はロシアが中東にある米軍基地を攻撃しやすくなる為の情報をイランに提供している事である。標的情報には、中東における米軍艦艇や航空機の位置も含まれているという。これは、ロシアが間接的に戦争に参加したため、戦争は激化する可能性が高くなる。トランプ大統領はこのような可能性を予測していただろうか?ホワイトハウスの側近は、ガソリン価格の高騰は一時的なものであると主張し、この戦争が長期的なものにはならないと示唆しているがそれが確実であるとの保証はない。

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