対イラン戦争が益々激化しているように見える中で、トランプ大統領は数日前にイスラエルと交渉していると主張し、停戦に向けた準備があると示唆した。その一方で、イランへの攻撃を脅し、中東に軍隊を派遣する計画さえある。この複雑な状況の中で、パキスタンを含む複数の国が交渉の仲介役として浮上している。エジプト外相は記者会見で米国が作成した15項目の和平案と呼ばれる提案はイラン当局に伝達されたことを明らかにした。米国複数の主要メディアは、イラン当局と直接インタビューし、交渉の実態を明らかにした。
ニューヨーク・タイムスが25日に伝えたところによると、トランプ大統領は23日米国がイランと「中東における敵対関係の完全な解決」について交渉を行っていると発表した。トランプ氏は、「主要な点で合意に達している」と述べ、「楽観的な見方」を示したという。「大統領は一貫性のないメッセージも発しており、もし、イランが金曜日までにホルムズ海峡の封鎖を解除しなければ、イランのエネルギー関連インフラに対し大規模な爆撃を行うよう命じると明言した。これを受け、国防総省はトランプ氏にさらなる軍事的選択肢を提供するため、約2,000人の空挺部隊を中東へ向けて派遣し始めている」と言う。イラン側は、米国大統領による「停戦提案を公然と一蹴した」と言う。イランの軍報道官は、米国側は「自分たち自身と交渉しているに過ぎない」と皮肉交じりに批判した。しかし、非公式な場では、一部のイラン政府高官が24日の時点でタイムス紙に対し、トランプ氏の提案について協議するため、来週中にパキスタンで米国の交渉団と会談することを検討していると語った。ただし、一時的な停戦を受け入れるつもりはないことを明白にした。
これらの高官は、戦闘の一時的な中断をイランが望んでいないと明言した。停戦中に「イスラエルや米国が戦力を増強し、その後攻撃を再開する事態を恐れている」からである。イラン議会のモハンマド・バゲル・ガリバフ議長は、トランプ氏による今回の発表を、高騰が止まらない原油価格を押し下げるための試みに過ぎないと分析している。また同氏は水曜日、米軍の新たな部隊派遣に関する報道に対し、「我々の国土を守り抜くという決意を試そうとするな」と述べ、「断固たる対決姿勢」を示した。イランの国営英語放送局プレスTVは25日、ある匿名のイラン高官の発言を引用し、同高官はトランプ氏の提案を拒否した上で、米国およびイスラエルの双方が受け入れ困難であるとみなす可能性が高い条件を提示したと報じた。それらの条件には、「戦争被害に対する賠償、ホルムズ海峡に対するイラン主権の承認、制裁解除、さらにイランが支援するレバノンの武装組織ヒズボラを保護するため、同地域での広範な停戦などが含まれている。また、ホルムズ海峡をめぐる問題で米国にとって重要な協議は、同盟国サウジアラビアやカタールなどから石油・ガス輸送タンカーが安全な通航を確保することである。イランは、米国やイスラエルに属していない「非敵対的」な国の船舶のみ、ホルムズ海峡を安全に通過できるとする書簡を国連の海事機関に送付したと言う。
米国とイランの交渉に関するワシントン・ポストの25日の報道によると、「機微に触れる交渉」について匿名の条件で語った中東の複数の当局者は、米国が「提示した計画にはイランが保有する全ての濃縮ウラン物質の撤去、濃縮加工能力の放棄、テヘランによる弾道ミサイル計画への制限、ヒズボラ、フーシ派、ハマスを含む域内の武装勢力への支援停止を行うことと引き換えに、イランに対して広範な制裁緩和措置を提供する」と言うものである。パキスタン、エジプト、トルコはそれぞれ、停戦の仲介に向けた動きを見せている。エジプトのバドル・アブデルアッティ外相は、25日午後にカイロでの記者会見の中で、米国からの提案はイラン当局に伝達されたことを明らかにした。この積極的な外交的交渉の動きは、ホルムズ海峡の封鎖が続く中、イスラエルとイラン間による激しい爆破攻撃が繰り返され、米国国防省は中東に2,000人の空挺部隊を派遣するという計画の渦中で展開された。
イラン側は、近隣諸国とは協議を行っているものの、米国とは直接協議を行っていないと認めたため、パキスタンが提案した米国とイランによる間接協議の開催は25日、実現に向けて一歩近づいたとみられる展開になっている。24日夜に放映されたテレビ・インタビュー中、イラン外務省のイスマイル・バガエイ報道官は、イランに対し、仲介を申し出た「多くの国々」の中に、パキスタンが含まれていることを明らかにした。同氏は「ここ数日、様々なメッセージがやり取りされている。我々は、ある種の交渉を求めるメッセージを受け取っており、それらに対して回答を行った」と述べた。バガエイ報道官は、パキスタン政府の「善意」を称賛するとともに、イランの外相がパキスタンの外相と連絡を取り合っていることを明らかにしたが、イランは米国とは直接または間接的な対話や交渉は行なっていないことを明白にした。
要するに、米国・イスラエルは、その合同作戦において、2月28日にイランを攻撃したことで戦争に突入してから既に1ヶ月が近づいている中で、世界は1970年代のオイル・ショックとほぼ同様の事態に直面していると言われている。イランは非常に米国を警戒していることを示唆し、現時点では、間接的交渉を重視しているようである。パキスタンは、米国とイラン間の「仲介役として浮上しており、米国による15項目の和平案は、イランとの戦争終結に向けた提案として米国が考案したものであり、エジプトの外相は、その提案がイラン側に伝達されたと言う。イランの高官や広報官らに直接インタビューした主要メデイアによると、イランは米国との直接交渉を望んでいないようであるが、パキスタンを通して、交渉に応じる考えがあることを示唆している。ちなみに、イランとパキスタンは、公式な軍事同盟国ではないが、パキスタンの独立記念日1947年8月14日にイランはパキスタンを承認した最初の国である。両国は多くの相互利益分野で長年友好的な関係を維持している。現在のところ、米国が提案した15 項目の和平案は、イランにとっては一方的な内容であり、イランが提示した条件は、対イラン戦争を開始した米国とイスラエル双方が拒否する可能性が高いとされている。イラン側と米国/イスラエル側は直接、交渉を行なっていないが、25日、複数のメディアは、イランが大統領の娘婿ジャレッド・クシュナーおよび米国特使であるスティーブ・ウィトコフを拒否し、交渉担当者として副大統領JD・ヴァンスを選択したと伝えている。