イラン戦争により世界は食品価格の高騰に直面

Photo credit : Terafon Fertilizer

米国主導型のイラン戦争が継続するに連れ、食品の値段が高騰する可能性が高くなっている。現在、肥料の供給が鈍化し、肥料価格が値上がりしている。これは農作物の値段も上がることを意味する。石油、天然ガスの供給が低下している中で、もはや懸念はエネルギーの高騰だけではなく、肥料の積荷はホルムズ海峡の向こう側に滞留しているため、全ての経済サイクルは悪循環に陥っている状況が見られる。この経済混沌は連鎖反応として、エネルギーから肥料、肥料から農作物、農作物を原料とする全ての食品の高騰を見ることは時間の問題である。26日に開催された閣僚会議で、トランプ大統領は農家を援助する意向があること、及び適切な国と交渉している利点を楽観的に語った。

世界貿易機関(WTO)は「燃料にとどまらず、ホルムズ海峡の封鎖は世界の農業にとって極めて重要な肥料の供給も混乱させています。通常、世界の肥料輸出量の約3分の1はこの海峡を経由しているからです。インド、タイ、ブラジルといった主要な農業生産国は、尿素の輸入において、それぞれ40%、70%、35%を湾岸地域に依存しています。また、湾岸諸国自身も食料安全保障上の課題に直面しています。米の輸入依存度は平均で75%に達し、トウモロコシ、大豆、植物油といった品目では90%を超えています。これらの物資は、代替ルートを利用した場合、輸送コストの上昇を招くことになります」と指摘している。

ニューヨーク・タイムスが27日に伝えたところによると、石油や天然ガスの価格が高騰しているため、アルジェリア、インド、スロバキアでは肥料工場が操業停止や減産に追い込まれている。また、中国は肥料の輸出を制限し始めた。オーストラリアの小麦農家は作付けを縮小しており、米国のトウモロコシや大豆を生産する農家は救済措置をトランプ大統領に求めて必死の嘆願を行っている。こうした状況はグローバル的に拡大し、「肥料供給にもたらす連鎖的な悪影響は日ごとに深刻化しており、世界中の農家にとってのコスト上昇を招くとともに、世界の一部地域では食料不安を引き起こしかねない事態となっている」と言う。更に、「肥料の大部分は、天然ガスを原料として製造されているため、中東地域はロシアに次ぐ世界第2位の主要な肥料生産拠点である。世界の肥料供給量の3分の1近くはホルムズ海峡を経由して輸送されているほか、エジプトやタイのように自国で肥料を生産している多くの国々も、その製造には中東産の天然ガスに依存しているのが実情である。」

原材料または主要な農産物に関連する市場情報提供会社の肥料専門家ディピカ・タプリヤル氏は、世界の供給量のかなりの大きな部分が失われたことにより、肥料価格の「極めて大幅な高騰」があると指摘する。同氏は、この事態が世界規模で波及的な影響を及ぼしており、インドのような主要な農業生産国でさえ、肥料不足の危機に直面しているとの見解を示した。その影響は、輸入肥料に依存している米国やブラジルなどの農家にも及んでいる。タプリヤル氏は、これらの農家は価格上昇に直面し、その価格上昇分を消費者に転嫁せざるを得なくなる可能性があると述べた。さらに、主要肥料生産国の一つであるロシアは、ウクライナとの長年にわたる戦争で工場や港湾への軍事攻撃のため、供給不足に陥っている。 彼女は「食料価格の上昇は避けられない」と述べた。

しかし、イラン戦争が短期で終焉すれば、食品の価格高騰が制御不可能になる以前に、安定した状態になる可能性はある。WTOの経済専門家らは、「もし紛争が短期間で終結し、人工知能(AI)関連への支出が2026年から2027年にかけて引き続き堅調に推移すれば、一定の上振れ余地があるとも指摘している。その場合、製品の貿易の伸びは0.5%ポイント押し上げられ、今年の成長率は最大2.4%、2027年は2.7%に達する可能性がある」と予測している。

トランプ大統領は26日にホワイトハウスで開催された閣僚会議で、政権メンバーに対し、交渉を望んでいるのは彼ではないと言った。「取引をしたがっているのは彼らの方であって、私ではない。彼らが話し合いを行っていることは、誰にでも分かることだ。彼らは愚か者ではない。実際、ある意味では非常に賢い連中だ。そして、彼らは交渉の達人でもある。私は常々、彼らは戦いにおいてはろくでもないが、交渉においては素晴らしいと言っているのだ」と述べた。また、大統領は、肥料価格が高騰していることを受けて、米国の農家を支援するための「多様な」政策を発表する予定であると語った。さらに、ホルムズ海峡を通過している世界の石油輸送量はわずか20%程度であると言われている中で、大統領はこの戦争の影響で、ホルムズ海峡は事実上閉鎖された状態にあると指摘したが、「まあ、どうやら我々は適切な相手と交渉しているようだ」と語り、パキスタンのタンカーは運航されていることを示唆した。

最後に、この戦争が短期で終わると確実に言える専門家はいない。トランプ政権の役人たちは戦争がいつ終わるかを最も予測できる立場にあるはずである。国務省長官マルコ・ルビオは2週間から4週間の範囲であり、今後数ヶ月はかからないと述べていた。ホワイトハウスは4週間から6週間との目標を掲げているとしている。総体的に戦争終焉の時期の予測には一貫性がない。一部の専門家は潜在的に長期化する可能性があると警告している。また、トランプ政権は、戦争を激化させると予測する人もいる。多数の核弾頭を保有しているとされるイスラエルは、攻撃を繰り返しており、イランは23日、「現時点で交渉を行う意図はない」と公表し、停戦の交渉を望んでいないとされている。加えて、アラブ湾岸諸国や地域の指導者たちは、イランの軍事能力を徹底的に破壊するよう強く求め、トランプ大統領に圧力をかけている。加えて、大統領は、「イランがホルムズ海峡を開放しなければ更なる攻撃を加える」と警告する一方で、紛争の終結に向けた交渉を行なっているとの矛盾する言動が見られるため、予測はほぼ不可能であるように見える。

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