米国最高裁は生誕市民権を制限する大統領令に懐疑的

Photo credit : OPB (オレゴン公共放送)

米国最高裁は4月1日の今日、生誕市民権に対抗したドナルド・トランプ大統領の大統領令を支持する可能性低いことを示唆した。午前中に開始された審理には米史上初の大統領として、トランプ大統領が傍聴席の最前列に座っていたという。この先代未聞の公聴会はいつものように、裁判所でのカメラが禁止されたものの、テレビの視聴者は進行中の論議の音声を聞くことが可能であった。主要メディアは米国最高裁判事らの論議からどのような印象を受けただろうか?トランプ大統領は、最高裁判事らの大部分の論議を直接聞いたため、米国民に向けた今夜のスピーチで、今日の最高裁での審理について、何らかのコメントまたは警告を発するかもしれない。

最高裁判事らは、今日の審理で、憲法修正第一四条の再定義の論議を行なった。そして、生誕市民権に関連する主な前例は1898年のU.S v. Wong Kim Ark (米国対ウォン・キム・アーク)の判定である。この判例に対する、当時の疑問は「米国の適法な永住権を保持する中国籍の両親のもとに米国で生まれた子は、合衆国憲法修正第14条の「市民権条項」に基づき、米国市民となるのでしょうか?」というものであった。これに対する米国最高裁の判定は「最高裁判所は市民権条項の有効性を支持し、米国で生まれた非市民の両親を持つ子は、米国市民であるとの判断を下した」ことである。

総体的に主要メディアは、この歴史的および憲法上、非常に重要な生誕市民権を保持すると予測している。ワシントン・ポストは4月1日、「最高裁判所は水曜日、米国で生まれたほぼすべての人が市民であるという法的原則を支持する構えを見せた。これは、誰がアメリカ人とみなされるのかという根本的な問題を提起する重要な訴訟の審理であり、ドナルド・トランプ大統領も傍聴席の最前列に座っていた。判事らは、生誕市民権の廃止を目指すトランプ大統領に対し、政治的に大きな敗北を与える構えを見せた。この市民権廃止は、トランプ政権2期目の看板政策の一つであり、その広範な政治的、経済的、社会的な影響ゆえに最も物議を醸した政策の一つである」と伝えている。ニューヨーク・タイムスは4月1日の「水曜日に行われた口頭弁論において、最高裁判所の多数派は、トランプ大統領による生誕市民権に基づく市民権の制限に向けた動きに対し、懐疑的な姿勢を示した。 保守派の主要な判事らは、米国内で生まれた子供に対し、親が不法移民や一部の一時滞在外国人である場合に自動的な市民権付与を停止するとの大統領令の合憲性について疑問を呈した。」今日の審理は、米国最高裁判事らが2025年1月20日に「トランプ氏が署名した大統領令の合憲性に焦点を当てたものである。この大統領令は、不法移民や一時滞在中の外国人訪問者の親から米国領土内で生まれた新生児に対し、市民権を付与しないとする内容である」と報道している。

先代未聞の出来事は、トランプ大統領が米国最高裁判所に現れたことである。CNNニュースは、トランプ大統領が論議を90分聞くことで、午前中米国最高裁判所で過ごしたと伝えた。大統領は4月1日の今日、東部時間午後9時から米国民に向けてスピーチを行うことになっており、多忙な日であることを示唆している。トランプ氏は、東部時間12:20分にソーシャル・メディアでの投稿で、「我々は世界で唯一、生誕市民権を認めるほど愚かな国である」と述べた。しかし、これは誤った主張である。米国は、生誕市民権に基づいて、自動的に市民権付与制度を採用している30カ国以上ある国の一つである。例えば、北米ではアメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、中南米ではアルゼンチン、ブラジル、ボリビア、チリ、コスタリカ、エクアドル、エルサルバドル、グアタマラ、ガイアナ、ホンダラス、パナマ、パラグアイ、ペルー、ベネズエラ、ウルグアイなどが含まれる。また、カリブ海諸国では、ジャマイカ、ドミニカ国、グレナダを含めて少なくとも11カ国が挙げられる。

4月1日の最初の段階での論議は、最高裁のメンバーが原告を代表した米国自由人権協会(ACLU)の弁護士である中国系アメリカ人セシリア・ワンに対する質問に集中した。後半では政府を代表した米国訟務長官ジョン・サウアーに対する最高裁判事らの質問が注目された。タイムラインから察すると、トランプ氏は後半部でのサウアーに対する最高裁の論議を視聴せず裁判所を去ったようである。タイムスによると、最終判定は「6月末から7月上旬にかけて下される見通しである」という。これは予測したより早い。判定が比較的早い場合、大多数の判事らの立場は揺るがないものであることを示唆している。最高裁は憲法を覆す意思はなく、生誕市民権を保持することに重力を置いた印象を与えていることから、9対0の満場一致で生誕市民権を保持すると予測する。なぜ、9対0なのか?そうでない場合、2月の関税に関する判定と同じ執拗な怒りと反抗に直面する可能性があるからである。9対0の判定の場合、非常に強力なものとなり、彼の指名判事3人に対する批判が困難になる。

トランプ大統領の重要な経済政策である関税に関する2月20日の判定後、すぐにその判定を批判し、その悪舌は繰り返された。3月中旬には「彼らは、自らをこの国の最高位へと指名してくれた大統領に対し、公然と不敬な態度をとっている。この、全くもって無能で恥ずべき裁判所は、我々の偉大なる建国の父たちが意図して創設した合衆国最高裁判所のあるべき姿とは、似ても似つかないものだ」とツゥルース・ソーシャルに投稿した。その数日後、主席判事ジョン・ロバーツは、公的に反論した。ヒューストンのライス大学での集会で、ロバーツ氏は「時に問題となるのは、批判の焦点が法的分析から、個人の人格へとすり替わってしまうことです。全米の裁判官たちは皆、正しい判断を下そうと懸命に働いています。もし判断を誤れば、その意見は批判の対象となります。しかし、個人に向けられた敵意は危険であり、そうした行為は断じてやめなければなりません」と語ったことが3月17日に報告された。

しかし、大統領は関税の判定以降、判定結果に対する不満を執拗に繰り返し、最高裁を頻繁に批判した。特に彼が指名した保守派判事の二人を非難したことを示唆した。3月25日、全米共和党下院委員会の資金調達晩餐会での演説の中、トランプ氏は関税を違法とする6対3の最高裁判決に加わったニール・ゴーサッチおよびエイミー・コニー・バレットに言及し、「国にとって害悪だ」と述べ、今回の決定を「衝撃的な判決」と呼んだ。そして、自らが任命した2名の最高裁判事に対し、激しい嫌悪感を露わにし、「虫唾が走る」と言った。更にトランプ氏は「この国のろくでもない裁判所のせいで、我々は莫大な金銭的損失を被っている。最高裁判所―そうだ、まさに米国の最高裁が、たった一文の判決を下しただけで、我が国に数千億ドルもの損害をもたらしたのだ。それにもかかわらず、彼らは痛くも痒くもないといった様子で、全く気にも留めていないのだ」と語った。この状況は、トランプ氏の憲法を転覆する危険性がある大統領令に満場一致で憲法を支持する姿勢を示さない限り、大統領が望まない判定は再度攻撃される可能性がある事を示唆しているからである。保守派判事、特に3人の指名者が批判される可能性が高く、最高裁の名誉を保持するには困難であるほど、最高裁は「愚かである」との侮辱に直面している。

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