バージニア州の州民は4月21日(火曜日)の国民投票で、ジェリーマンダーと呼ばれる選挙区割りを支持した。ご承知のように、同州では多数の団体が選挙区割りを支持する側と反対する側の両方で資金集めを行い、熾烈な競争が行われたが、選挙区割りを支持する側が勝利した。これを受けて、米国下院共和党議員らは、共和党が支配するフロリダ州が選挙区割りを推進するよう押し始めた。しかし、その取り組みが困難であることを示唆するフロリダ州の憲法は人種的および特定の政治的利益に基づく選挙区割りを禁止している。
昨夜、バージニア州の国民投票で、支持投票率は51.5%(1,575,288票)、反対票は48.5%(1,486,225)で、選挙区割りを支持する側が勝利した。これにより、米国下院議会の同州の議席は11ある中で、民主党は現在保持している6議席に加えて、さらに共和党の4議席を追加できるという戦いに勝利したことを意味する。しかし、民主党のいかなる勝利も受け入れることはできない共和党議員らは、あらゆる側面で、民主党が多数派になることを阻止するために様々な挑戦を試みる可能性がある。その最も手早い方法は、共和党が優勢である別の州でのジェリーマンダーを促進することである。
トランプ大統領は、選挙当日直前までこの争いへの介入を控えていたが、その最終盤で、バージニア州民に対し、「その選挙区割りを阻止するよう強く呼びかけた」と複数のメディアが伝えた。米国下院少数派リーダーのハーキム・ジェフリーズ氏は21日夜に行われたインタビューで、「ドナルド・トランプは、連邦議会の選挙区割りを恣意的に操作することで、中間選挙を不正に歪めようと企てた。しかし、彼は失敗した。11月には、我々はバージニア州で10議席を獲得し、下院の主導権を取り戻すことになるだろう」と述べた。一方、昨夜のバージニア州の州民投票の結果を受けて、米国下院議会の議長マイク・ジョンソンを含む複数の共和党議員らは、多数派支配のパワーが失われる状況に直面し、様々な遺憾を表明した。
ジョンソン議長は、22日午前中早期の記者会見で、バージニア州民主党の勝利を受けて、同州の新たな選挙区割りの取り組みを「過激で党派的」であると批判した。また、フロリダ州共和党による、選挙区割りの推進を支持するとし、「彼らにはそうする権利と意思があり、私の見解ではそうすべきです」と述べた。また、米国下院全国議会の選挙対策委員会の共和党委員長であるリチャード・ハドソン議員(ノース・キャロライナ州)は、昨夜のバージニア州の国民投票の結果は、比較的マージンが狭かったことから、「バージニア州の民主党は現実を歪めることはできない。この僅差の投票結果は、バージニア州が過度な党派的ジェリーマンダーによって代表されるべきではない。いわゆるパープル州であることを改めて示している」と述べた。彼は、同州をブルー州に変えるための民主党の努力は行き過ぎた行動であると主張した。また、州の進め方を指示するのは「私の役割ではない」とし、フロリダ州議会の議員らは「フロリダ州にとって何が最善かを決めなければならない」と記者団に語った。
フロリダ州の共和党知事ロン・デサンティスも昨年から大統領の意向に沿って、選挙区割りに積極的であることで知られている。昨年から既に取り込んでいるはずであったが、バージニア州の民主党が投票で、その計画に勝利した後、デサンティス知事は、今後数週間以内に独自の選挙区再編成を進める意向を示していると言われている。そのような動きを察した、下院少数派リーダーのジェフリーズ氏は22日、記者会見で「トランプ氏と共和党がこのジェリーマンダー戦争を始めた。民主党として、我々はこれを終わらせるつもりです」と述べ、デサンティス知事とその支持者たちに真っ向から立ち向かう決意があることを示唆した。
フロリダ州はなぜ、その活動が大幅に遅れているのか?同州の上院サイトによると、同州には選挙区割りに関連する憲法規定があるだけでなく、同州の州民は2010 年 11 月、投票によって、憲法の一部を修正したという実態がある。「有権者は州憲法第 3 条の 20 項および21 項に修正条項を追加した。これらの修正条項は、政党または現職議員に意図的に有利または不利となるような区割りを禁止している。また、選挙区は(1)人種的または言語的少数派が政治プロセスに参加する機会を否定または制限する意図または結果となるような方法、あるいは (2) 彼らが自ら選択する代表者を選出する能力を損なうための区割りを禁止している。前述の基準と抵触しない限りにおいて、本修正条項は、選挙区の人口が可能な限り均等」であり、選挙区の地図は政治的および地理的にまとまりのある小規模且つ効率的なものであり、可能な限り既存の境界線に沿ったものであることを義務付けている。
フロリダ州の人口動態から推測すると、同州の憲法は、総体的にキューバー、プエルトリコ、ヒスパニック系の有権者が多数存在することに関連性があることを示唆している。上記の憲法規定には、「人種的または言語的少数派」との表現で、人種の多様性があることを明記しており、フロリダ州の有権者は、不当な選挙区割りによって、彼らの投票権が弱体化されることを恐れているため、同州では、人種的および党派的な選挙区割りを憲法で禁止している。
最後に、幾つかの共和党州が選挙区割りに挑戦し始めた要因はご承知のように、政治生命の存続を懸念するトランプ大統領による圧力によるものである。しかし、人種に基づく選挙区割りは米国最高裁が禁止しているだけでなく、共和党州による極端な党派的理由に基づく区割りも結局、成功していないようである。一方、これまで、選挙区割りに挑戦した民主党州と民主党寄りの州は、正当な国民投票に基づいて、決定を行なっている。カリフォルニアとバージニアはその模範州である。米国下院議会の共和党議員らの一部は、昨夜のバージニアでの選挙結果に直接影響を受けるため、フロリダ州の選挙区割りの推進を押している中で、フロリダ州知事デサンティスは新たな選挙区割りの推進を表明しているものの、憲法修正に参加した同州の住民らの人口動態の現状がそれを困難にしていると思われる。フロリダ州の憲法は、2010年に可決した憲法修正条項によって、恣意的で党派的および人種的な選挙区割りを法的に困難なものにしている。現職議員や特定の政党に有利になるような、あるいは少数派の投票力を弱めるよう意図的に策定された選挙区割りを明確に禁止している。フロリダ州の選挙区割りは地理的な境界に沿って、実施される必要があり、極端な地図になることは法的に認められていない。長い間、保守州と見られている同州には、選挙区割りに関する民主的な憲法が存在するという重要な意味を下院共和党議員らは考慮するべきである。