2026年第1四半期の実質国内総生産(GDP)は、年率換算で2.0%の増加となった。2025年第4四半期の実質GDP増加0.5%に比較すると向上したことになる。しかし、インフレーションは増加している。複数の経済学者は、現在の米国の経済状況をどのように見ているだろうか?
米国商務省経済分析局が4月30日に発表したGDP増加への寄与要因は、投資、輸出、個人消費、および政府支出であった。さらに、GDPの算出において控除項目となる輸入も増加した。2025年第4四半期(10月〜12月)と比較して、2026年第1四半期(1月〜3月)における実質GDPの伸びの加速は、政府支出や輸出の向上、および投資の加速を反映しているものの、これらは個人消費の減速によって部分的に相殺された。個人消費と民間設備投資を合計した「民間国内購入者向け実質最終販売」は、2025年第4四半期の1.8%増に対し、2026年第1四半期には2.5%増加した。投資の増加は、設備、知的財産生産物、および民間在庫投資の増加を反映したものであり、住宅および非住宅建築物の減少によって一部相殺された。
| 2026年(1月〜3月) | 2025年(10月〜12月) | |
| 国内総購入価格指数 | 3.6%上昇 | 3.7%増 |
| 個人消費支出(PCE) | 4.5%上昇 | 2.9%増 |
| PCE価格指数 | 4.3%上昇 | 2.7%増 |
*PCE(個人消費支出)の価格指数は食料およびエネルギーを除く。
2025年第4四半期に成長率が鈍った理由は43日間に及ぶ長期的な政府閉鎖があったためである。2026年にはGDPは2%の成長を示したが、これは経済専門家らの予測2.2%を下回るものとされている。また、個人消費の増加は、主にサービス支出の増加を反映したものであり、中でも医療サービスがその増加を促した。医療サービスの中で、病院・介護施設サービスおよび外来医療サービスの双方は増加した。しかし、インフレーションは増加している。米国議会予算局(CBO)の記録によると、個人消費支出(PCE)の価格指数で測られるインフレ率は、2025年の2.8%から、2026年には2.7%へと減速すると予測していた。FRB(連邦準備制度理事会)が重視する物価指標である個人消費支出(PCE)の価格指数によると、3月の物価は前年同月比で3.5%上昇した。同指数は3.2%の上昇となり、2月の3.0%から伸びが加速した。物価上昇ペースはFRBの目標の2%を上回っていることを受け、FRBは水曜日、政策金利を据え置いた」とワシントン・ポストが30日に伝えた。
アメリカン・エンタープライズ研究所のエコノミスト、マイケル・ストレイン氏は「GDP成長の基調は依然として堅調です。懸念されるのは、本日発表された指標がインフレ圧力の明確な兆候も示していたことです」と述べた。オックスフォード・エコノミクスのエコノミストであるマイケル・ピアース氏によると、米国のテクノロジー大手各社がAIを支える巨大データセンターへの投資を惜しまない中、電子機器セクター全体で価格が上昇しているとはいえ、一部のエコノミストは、経済は高所得世帯によるAI投資と支出という狭い基盤の上に成り立っていると指摘している。EYパルテノンの主任であるエコノミストのグレゴリー・ダコ氏は 「経済活動は持ちこたえているが、インフレ率の上昇と脆弱性の高まりという代償を伴っている」と述べた。ダコ氏は、「経済成長率が1%を下回る可能性があり、イランでの紛争がエスカレートすれば景気後退に陥るという、不利なシナリオに向かっている。つまり、経済活動が年内を通して減速する可能性が高い脆弱な状態にあるということです」と述べた。
最後に4月30日の米国の経済成長は、政府支出、個人消費支出、AIへの投資などによって穏やかで堅調ではあるものの、減速傾向の経済状況にあることを示唆している。インフレに関する政府の報告は懸念すべきものがあるが、米国の経済は、現時点で非常に好調であるとも悪いとも言えない状況であるようだ。経済成長を支えているこれらの要因は肯定的であり、引き続きイランの戦争が停戦になる見通しがない状況下で、一般的な消費者はエネルギーや食品部門での支出を制限しなくてはならない点はマイナス要素である。しかし、30日の報告は米国の経済状況が景気後退に陥っていないことを示唆している。一部の経済専門家は引き続き、対イラン戦争がエスカレーとする場合の総体的なリスクを懸念している。米国民は引き続き、ガソリンの価格に圧迫されていると言われている。
ちなみに、AAA(全米自動車協会)の本日の記録によると、1ガロンあたりのガソリンの価格は2026年 4月30日の全国平均が4.31ドルである。これは一年前より1ドル以上高い。1週間前には4.03ドル、 1ヶ月前は3.99ドル、 1年前は3.18ドルである。全米でガソリン価格が高い市場のトップ10州は、1. カリフォルニア(6.01ドル)、2. ハワイ(5.64ドル)、3. ワシントン(5.57ドル)、4. オレゴン(5.15ドル)、5. ネバダ(5.12ドル)、6. アラスカ(4.92ドル)、7. アリゾナ(4.67ドル)、8. イリノイ(4.66ドル)、9. ミシガン(4.58ドル)、10. オハイオ(4.46ドル)である。一方、全米でガソリン価格が最も安い市場トップ10州は、① オクラホマ(3.70ドル)、② カンザス(3.75ドル)、③ ジョージア(3.75ドル)、④ ミシシッピー(3.77ドル)、⑤ アーカンソー(3.79ドル)、⑥ ルイジアナ(3.80ドル)、⑦ ミズリー(3.83ドル)、⑧ ノース・ダコタ(3.84ドル)、⑨ テキサス(3.85ドル)⑩ アラバマ(3.86ドル)である