
エリアス・イリザリー (右 現在;左 2021年1月6日)
上院議会が18億ドルの裏基金の設置を阻止する動きを示している中で、トランプ大統領は、基金を設置しようとした司法長官代理を長官に昇進させる考えを浮上させている。加えて、驚くことに、政権は、2021年1月6日に議事堂をよじ登った当時19歳の暴徒の一人を対テロ部門に雇用したことが3日に報告された。次々に驚きのニュースが飛び交っている。
今日米国上院議会が18億ドルの裏基金の設置を阻止する動きを示している中で、今週、この基金は永久に廃止されたと2日に証言した司法長官代行を務めるトッド・ブランシュをトランプ氏は、司法長官に任命する構えを示していると報告されている。これは、その昇進を強く望んでいるとされているブランシュを非常に歓喜づける発言であるが、彼は米国上院議会で、その資格があるかを問われることになる。下院歳出委員会の民主党議員が指摘したように、彼が長官になれば、アメリカと国民のために働くのではなく、彼は益々トランプ氏の個人弁護士として働くことになる可能性がある。
加えて、18億ドルの裏基金の設置がほぼ不可能になったと報告された後、トランプ政権の国防省は、2021年1月6日に、ホワイトハウスの近辺にあるエリプスで開催されたトランプ氏が主催した集会に参加した後、議事堂に侵入した当時19歳であったエリアス・イリザリーを雇用したことが6月3日に報告された。最初に伝えたワシントン・ポスト紙によると、法的提出書類にはイリザリー氏は、偶然の成り行きで暴動の現場に居合わせることとなり、直ちに自身の関与を否定した人物として描写されていたという。国防省の長官ピート・ヘグセスは、1月6日に起きた米連邦議会に対する襲撃事件に参加し、米国議事堂の建物をよじ登り、有罪判決を受けた男性に対し、国防総省の政策部門での職を与えたという。国防総省のジョエル・バルデス報道官代行は、今週ソーシャル・メディアへの投稿で、「エリアス・イリザリー氏は、有能かつ愛国心あふれる若き専門家であり、彼を政治任用職として迎えられたことを誇りに思う」と述べた。イリザリーは2023年に不法侵入の罪で有罪判決を受けていた。裁判記録は、2023年に軽罪にあたる2週間の収監刑が言い渡された際、同氏は悔悟の念を示していた。
事情に詳しい関係者は、イリザリー氏が同局の「不正規戦・対テロ部門」に配属されているという。同チームは約40名で構成され、大使館の警備、人員の救出、人質救出といった作戦を任務としている。この任務は国防総省が遂行する任務の中でも最も機密性の高いものの一つだと述べている。また、すべての職務には最高機密のセキュリティ・クリアランス(機密情報へのアクセス権)が必要であるという。イリザリー氏の採用に詳しい関係者の1人は「救出・脱出作戦の場合、特殊部隊員は極めて複雑で危険な環境に身を置くことになります。経験が浅く、国防総省に新しく、しかも経歴に問題のある人物を、これほど機密性の高い任務に就かせることは、指導部にとって重大な疑問を投げかけるものです」と語った。トランプ政権内の誰が彼をこの職に任命したのかは明らかではないという。
ポスト紙によると、イリザリー氏は、命を落とした複数の法執行官の未亡人たちに対し謝罪した。イリザリー氏は2023年の量刑言い渡し公判において、彼女たちについて、「あの恐ろしい日のせいで、自らのパートナーを埋葬しなければならなかった。私は恥じています。なぜなら、この不名誉な出来事の一部として、私は永遠に名を残すことになるからです。1月6日は、真に恐ろしい事態を象徴する日でした。それは、南北戦争以来、我々の民主主義に対して仕掛けられた最大級の攻撃だったのです」と語った。イリザリーに対する量刑言い渡しを担当した連邦地方判事タンヤ・チャッケンは、議事堂襲撃事件以前の彼の経歴が「極めて称賛に値するもの」であったと指摘した。チャッケン判事はイリザリーに対し、襲撃事件への関与を理由に退学処分を下したシタデルへの再入学を彼が志す際、その助けとなる推薦状を執筆することを申し出た。2023年に執筆されたシタデル大学に宛てたその推薦状の中で、チャッケン判事は、暴動発生当時のイリザリーの「若さ」および「他者の影響を受けやすい性質」に言及し「一人の裁判官として、また20代の息子を持つ母親として、私は、イリザリー氏が現在、若者にとって極めて重要な人生の転換点に立たされていることを理解しています」と記していた。
最後に、ポスト紙の報告は、世の中は非常に狭いことを思わざるを得ない。チャッケン判事は、この議事堂襲撃事件で特別捜査官ジャック・スミスが捜査した「米国対トランプ大統領」の裁判を担当することになっていた。その暴徒の一人の再入学を援助したという。有罪判決を受けた個人を政権内の最も機密性の高い部署に採用する前例はなく、これは非常に驚異的な展開である。しかし、イリザリー氏は有罪判決を受けた時点で、後悔と謝罪の念を表明している。心から自分の行動を反省し、今後の人生で、二度と同じ間違いを犯さないとの信念で生きていくのであれば、チャッケン判事はこの若者の人生を救ったと言えるかもしれない。シタデルはサウス・キャロライナ州チャールストンにある著名な軍事大学である。イリザリのこの背景は、国防省の目を引いたとしても不思議ではない。とは言え、彼は前代未聞の混沌に満ちたトランプ政権下の国防省に採用されたとういう言葉では表現し難い皮肉な展開に加えて、偶然にも約18億ドルの裏基金が利用できなくなったほぼ同時に、暴動事件の暴徒の一人に仕事を提供するという奇妙な動きに驚かない人はいないはずである。現在のところ、誰が、なぜ、どのような方法でイリザリー氏を雇用したのか明白ではない。