引き続き虚偽の選挙不正プロパガンダを促進?

先週6月2日に行われた予備選で、カリフォルニアの知事選では、トランプ大統領に支持されたスティーブ・ヒルトン氏は3日および4日もトップであったが、6月7日の現在、民主党の候補者がトップとなり、状況は予測通り逆転している。しかし、大統領はまだヒルトン氏がトップを維持していた時点で、「証拠がない」ものの、ソーシャル・メディアでの投稿で民主党が大きな不正を行っていると主張した。その直後、トランプ氏に指名されたカリフォルニアの連邦検事補は、複数の調査を開始すると述べた。大統領は引き続き選挙の統合性に疑問を投げかける為の虚偽のプロパガンダを促進していると見られている。

トランプ氏は4日の早朝、ツゥルース・ソーシャルでの投稿で、ダムクラッツ(Dumocrats)の造語(民主党の正確な単語はDemocrats)を用い、「カリフォルニアではダム(愚かな)民主党員による大規模な不正が行われている。票の集計は完全に膠着しており、結果が出るまで数週間かかるかもしれない」と投稿した。これは、トランプ氏と彼の同盟者が完全なリベラル州のカリフォルニアで、郵便投票が進めば、トランプ大統領が支持したヒルトン氏が11月に勝利する可能性がほとんどないため、多大な懸念があることを示唆している。事実、6月7日の当地時間午後5時半の時点で、カリフォルニア州の知事選は72%が開票され、主に郵便投票の開票が続いている中で、トップの支持率は逆転し、現在民主党ザビエル・ベセラ氏が27.2%を獲得し、共和党の候補者スティーブ・ヒルトン氏は25.8%の二位に落ちた。富豪者であり、環境保護活動家でもある民主党候補トム・スタイヤー氏(21.5%)は引き続き、三位のままである。

トランプ大統領が、上記のメッセージを公開した後の翌朝、トランプ氏に指名されたカリフォルニアの連邦検事補ビル・エッセイリ氏(40歳)は、Xでの投稿で、ロスアンゼルスの連邦検察当局は「複数の選挙不正」の捜査を進めていると述べた。エッセイリ氏は「個別の捜査について言及することは控えますが、私の事務所ではFBIロサンゼルス支局と連携し、複数の選挙不正捜査を進めています。我々は証拠が示す通りに捜査を進め、連邦選挙法違反があれば最大限の厳しさで訴追します」と述べた。

カリフォルニア州の地元紙The Beeの5日の報告によると、エッセイリ氏の広報担当者は、エッセイリ氏の投稿の意味が「予備選挙全体を対象とした広範な捜査なのか、それとも何らかの有権者不正に関与した可能性のある個々の不正行為者に対する調査なのか」という点についての問い合わせに応じなかったと言う。エッセイリ氏の投稿の内容には「ほとんど具体性がなく、同州の選挙の公正性に疑問を呈するトランプ大統領の方針に従っている」事を示唆したと言う。2つ目の投稿で、エッセイリ氏は「カリフォルニア州には選挙不正の証拠がある」と書いた。彼は証拠として、連邦検察が先月訴追した事例を挙げた。その事例では、住民投票案の署名収集人が、署名を集めるために人々に金銭を支払っていた。少なくとも1件のケースでは、署名を集める目的で、ある人物に有権者登録をするよう金銭を支払っていたことが指摘されていた。

「こうした行為は立証されれば犯罪となるが、大統領が主張するような、民主党主導による広範かつ組織的な不正を代表するような事例とは程遠いものである。それでも、エッセイリ氏は『さらなる捜査が進行中である』と記述した。カリフォルニア(CA)州における、有権者による不正行為は、全米と同様に極めて稀なものである。保守系シンクタンクのヘリテージ財団は、有権者不正が立証された事例のデータベースを管理しており、そこには1993年以降のCA州における選挙不正の事例は、わずか71件が記載されているだけである。しかし、トランプ氏は、証拠がないにもかかわらず、また度重なる調査でも大規模な不正が発見されなかったにもかかわらず、米国の選挙は不正に塗れていると繰り返し主張してきた。彼の主張は、支持者の間で広く浸透している。 「こうした不正疑惑の浮上は、大統領が注目する2つの選挙(ロサンゼルス市長選と州知事選の予備選挙)において、共和党候補がリードしている状況下で起きた。共和党側は、開票が進むにつれて、リードしている状況が失われるのではないかと懸念している。後から集計される票は、民主党支持に傾く傾向があると予測されているためである」と地元紙は説明している。

ロサンゼルス郡選挙管理記録局の広報担当マイク・サンチェス氏は声明の中で、「昨日遅く、連邦検事局から、投票用紙の処理作業を視察するために連邦検事補を投票用紙処理センターへ派遣するとの通知を受けた。同氏は今朝到着し、一般向けの視察プログラムの概要説明を受けた後、投票用紙処理業務の現場を見て回った」 と言う。また、サンチェス氏は「透明性は市民の信頼を得るために不可欠だと考えています。最終的に我々の責務は、有権者資格を持つすべての人の投票が正確に集計されるようにすること、そしてその作業がどのように行われているかを市民が確認し、理解できるようにすることにあります」と述べた。任期が切れるギャビン・ニューサム知事は、州議会が可決した「裁判所の命令なしに、法執行機関の職員が投票用紙、有権者名簿、または選挙関連の技術機器を押収することを犯罪である」と定めた法案に署名した。

連邦政府による捜査を実際にどの程度阻止できるかは不明であるが、「この法案は連邦および地方双方の職員に適用される。加えて、同法は投票用紙の投函、取り扱い、または集計が行われる場所への法執行機関による立ち入り要請に対し、選挙管理職員がどのように対応すべきかについて、司法長官室が指針を示すことを義務付けている。」 CA州のシャーリー・ウェバー州務長官は4日に、「トランプ氏の名前こそ挙げなかったものの、同氏による最近の主張に対して、州の立場を擁護する」声明を行った。ウェバー氏は声明で、「正確さはスピードに優先します。CA州は全米最大の投票者数を抱える州であり、数百万票もの投票用紙を処理・集計する必要があります。時間をかけてこの作業を適正に行うことは、有権者の権利を守り、選挙の公正性を確保することにつながるのです」と述べた。

最後に、人口が多いCA州で、集計が遅れるのは、歴史的なものである。投票集計プロセスについて説明しているCAの州務長官サイトによると、投票登録数は約2,300万人であり、開票及び集計期間中、郡は一部の例外を除き、すべての投票用紙を集計し、選挙後13日目まで報告しなければならない。また、「選挙管理当局は、自動集計の正確性を検証するため、郡の投票システムで集計された投票用紙の1%について、公開の場での手作業による再集計を行うことが義務付けられている。」更に、延長が必要な複数の例外となる状況では、州務長官に対して期限延長を申請し、その理由を明記するよう規定している。郡の選挙管理当局は「選挙後30日目までに公式な集計結果を確定させ、州務長官に報告する必要がある。その後、州務長官は選挙後38日目にその結果を正式に認定する」ことになっている。しかし、証拠を提示する事なく、集計が遅れている状況が、民主党による「大規模な不正」であるとのトランプ氏によるとんでもない誇大妄想的発言が注目された。この状況下で、CA州の当局者らは、2020年の大統領選に敗北したトランプ氏とその同盟者による執拗な選挙詐欺の虚偽キャンペーンにより、大規模な寄付金を得た同氏による選挙の安全性と統合性に疑問を拡大する為の過剰な誇張または虚偽に基づくプロパガンダのターゲットになっている懸念を示唆した。ネットで影響力のあるMAGA支持者の間では、そのような主張はソーシャル・メディアで受け入れられているという。

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