元司法長官ボンディの驚きの非公式証言は何を意味?

May 29, 2026 Photo credit : The Globe and Mail

トランプ大統領は先週ホワイトハウスのローズ・ガーデンで開かれた夕食会の折に、現在司法省の長官代行を務めるトッド・ブランシュ氏を司法長官に指名する予定であると発表した。公式な発表は時間の問題であると感じていたが、月曜日8日に公式に任命した。この場合、ブランシュ氏は、米国上院議会での承認プロセスに直面するものの、この昇進はまさに本人が望んでいたと見られている。しかし、司法長官の座から解任された司法省の元長官パム・ボンディは最近、ドアの裏で行われた証言で、エプスタインに関連する決定は全てブランシュ氏が行っていたと述べた。従って、彼は米国上院議会の公式認可プロセスにおいて、非常にタフな質問を浴びる可能性が高い事を意味する。

トランプ大統領は8日、以前から彼の個人弁護士であり、2024年選挙前に、2016年の大統領選前に婚外関係を隠匿するために口止め料を支払ったとされる裁判において、ニューヨーク州マンハッタンの裁判所で一連の弁護を務め、その後、司法副長官を務めたトッド・ブランシュ氏を司法省の長官として指名した。4月に司法長官パム・ボンディを解任した後、トランプ氏は、ブランシュ氏を長官代行に命じたが、意外にも早く同氏が期待していたとされる米国司法府の最高の地位に指名した。これにより、ブランシュ氏は完全な同省の支配権を握ることが可能となる。ホワイハウスは2026年6月8日、ブランシュ氏の指名を正式に上院へ通告した。しかし、上院議会では、来年1月に辞職する複数の穏健派の共和党議員らがブランシュ氏を警戒していると言われているため、承認プロセスは難航する可能性がある。何しろ、ブランシュ氏は、18億ドルの「反武器化基金」を一時的に設置し、それを2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件の暴徒らに提供するという裏の計画を公聴会で正直に語らなかったという事例がある。

トランプ大統領とトッド・ブランシュ氏は明らかに利益相反のある関係でありながら、2024年の大統領選に勝利したトランプ氏は、二期目を忠誠者のみで要塞を固めているため、パム・ボンディ氏を解雇した後に、ブランシュ氏が司法長官として指名される可能性は充分予測可能であった。同氏が上院議会での承認プロセスでのハードルに直面する別の理由は、元司法長官の証言の一部が公開されたことである。米国下院監視委員会に召喚されたポム・ボンディ氏は5月29日に同委員会で、非公開の証言を行なった。これは、証言が行われた5月29日直後から、最近まで非常に注目された。当ブログの調査によると、6月2日に米国下院監視委員会の民主党トップであるロバート・ガルシア氏(カリフォルニア州)がその証言の極一部を報じた後、複数のメディアはボンディ氏がエプスタインに関連する事件について、彼女が一切関与していないと証言した事を報じた。

証言日に伝えたニューヨーク・タイムス紙によると、ポム・ボンディ氏は5月29日の下院監視委員会の非公開の証言で、「ジェフリー・エプスタイン関連の文書公開を監督する上で自身には実質的な権限がほとんどなかったと主張し、その責任をかつての部下であり後任でもあるトッド・ブランシュ氏に全面的に転嫁した。この発言は、政府内の有力者という名目上の地位とは裏腹に、自身の無力さを驚くほど率直に認めるものだった。これは、自身の職務遂行能力に疑問を呈したり権限に異議を唱えたりする民主党議員に対し、声を荒らげて激しく攻撃していた議会での彼女の印象とは著しい対照性を示すものだった。 ボンディ氏が「長らく、証言の延期や回避を画策していたこの緊張感漂う聴取を終えて出てきた際、同委員会の民主党筆頭委員であるロバート・ガルシア下院議員(カリフォルニア州)は、ボンディ氏が委員らに対し、ブランシュ氏が『捜査全体』を管理していたとの証言」の一部を公表した。また、聴取に「同席した別の人物によると、ボンディ氏はどの文書を公開するかを決定する責任はブランシュ氏にあったと述べ、繰り返し、その判断をFBI長官のキッシュ・パテル氏に委ねていた状況についても説明した」という。匿名を求めた「司法省の現役および元当局者らは、ボンディ氏のこうした説明に異議を唱えた。彼らは、ボンディ氏がエプスタイン事件のほぼ全ての重要な進展について報告を受けていただけでなく、すべての主要な決定を承認していた」という。その中には、「2025年7月に同文書に関する政府の検討作業を正式に終了させる旨の覚書を発行したことも含まれる」という。この状況は、ボンディ氏ガ、直接エプスタインに関連する仕事を担当したか又はしている関係者を監督していた可能性があるものの、ブランシュ氏に対しても全面的な権限があったかは明白ではない事を意味する。

「エプスタイン事件の重要な詳細について議員から質問を受けたボンディ氏は、それらについて知らないと述べるだけでなく、トランプ氏に関するあらゆる質問への回答をきっぱりと拒否した。ガルシア氏は、司法省による資料公開時に、エプスタイン事件の被害者の身元を特定したり、被害者に恥をかかせたりする情報の公表などの不手際について質問攻めに遭った際、ボンディ氏は委員会の民主党議員らに対し、彼女にではなくブランシュ氏に尋ねるよう促した」という。「特に注目すべきやり取りの一つは、ボンディ氏が2025年7月のメモの起草や公開には一切関与していないと主張した事である。このメモは現在、政治的な反発や隠蔽工作の疑いを招き、最終的には司法省による資料の全面公開へとつながる事態を引き起こした『重大な失策』と見なされている。当該の検証作業を停止させるためにどのような情報が用いられたかを知っているかと問われた際、ボンディ氏は委員会メンバーに対し、これも同様に彼女ではなく、ブランシュ氏やFBI長官のキャッシュ・パテル氏に尋ねる必要がある」と答えた。

更に、ボンディ氏は、「エプスタイン氏の共犯者として拘束されているギスレイン・マックスウェルがブランシュ氏と面談した後に、より環境の良い連邦刑務所へ移送されたため、それがどのように実現したかについても聞かれた際、ニュースで知るまで全く何も知らなかった」と述べた。5月29日の午前中に行われた非公開の聴取には、委員会の共和党委員であるのジェイムス・コマー氏(ケンタッキー州)や少数の共和党議員を除き、多くの共和党議員らは、ワシントンDCから離れており、参加したのはほとんど民主党議員らであったという。ボンディ氏は、彼女の証言は全国ネットで放送される緊張する公式な聴聞会ではなく、単なる「任意による聴取調査による形」での証言に応じたという。ドアの外側には、エプスタインの被害者と呼ばれる女性達が抗議活動を行なっていた。被害者の一人であるダニエル・ベンスキー氏は、「パム・ボンディだけをスケープゴートにすることは、本当に避けてほしいと思います。実のところ、多くの面でボンディよりもトッド・ブランシュの方が危険な存在だと感じています」と語った。つまり、大統領との利益相反はブランシュの方がバンディより強い事を意味する。

タイムスによると、ボンディ氏の証言が「余儀なくされたという事実そのものが、エプスタイン事件を巡る同省の不可解な対応に対する、彼女の所属する党内での怒りの高まりを反映していた。当初、陰謀論絡みの些末な話題に過ぎなかったが、やがてトランプ政権を揺るがす危機へと拡大していった。」3月中旬、ナンシー・メイス下院議員(サウス・キャロライナ州)を含む「同委員会の共和党議員4人は、民主党側と足並みを揃えて動き始めた。彼らはエプスタイン事件について、非公開の場で宣誓証言を行うようボンディ氏に召喚状を出す案に賛成票を投じた。ボンディ氏とコマー氏は、公式の宣誓証言を回避するため、水面下で連携を図り始めた。事態への圧力を和らげるため、ボンディ氏は3月18日に連邦議会議事堂を訪れ、委員会メンバーへの説明を行った。」しかし、民主党議員らは彼女に質問を浴びせた後、宣誓上で記録に残る証言ではないとして、その場を立ち去った。しかし、ボンディ氏は4月2日に解雇された。その後、彼女への聴取の形式をめぐって数週間にわたる交渉を続けたが、彼女は公式証言を拒否したため、民主党側は「元司法長官である彼女自身や所属政党をかばおうとする試みである」として、非公開の聴取という形式に同意しなかったのである。従って、5月29日のボンディ氏の大部分の証言は現在も明白ではない。

最後に、大統領に指名されたトッド・ブランシュ氏は、司法長官という上院議会の公式承認プロセスで、特に、エプスタイン事件と18億ドルの基金について、厳しい質問攻めに遭う確率は非常に高い事を意味する。しかし、非公式であっても、ボンディ氏が証言したという状況は、英語で”threw him under the bus”(彼をバスの下に投げこむ)と表現する。つまり、彼女はエプスタイン事件での責任を全て後継者となるブランシュに押し付ける事で、彼を苦しめる結果になることを意味する。証言中、彼女が完全に虚偽を語ったとは思えない。

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