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ワシントンD.Cにあるケネディ・センターの建物正面からトランプ大統領の名前を削除する最終日は今日12日(金曜日)に指定されていた。トランプ氏とそのチームは、連邦裁判所のクリストファー・クーパー判事による氏名削除命令を阻止するため、除去締切り直前に、コロンビア特別区連邦控訴裁判所に控訴した。クーパー判事は5月下旬、センターからトランプ大統領の名前は削除されなければならないとの判決を下していた。そして8日、トランプ氏の名前はケネディ・センターのウェッブサイトを含む、特定の書類のみ除去されていた。しかし、11日に突然劇的に変化し、氏名除去命令に対する抵抗はピークに達している。
ケネディ・センターの理事メンバーであるオハイオ州の元民主党下院議員ジョイス・ビーティが名称変更および改修に伴う閉鎖の差し止めを求めて提起した訴訟によって、ビーティ氏の訴えを認めた5月29日の判定におけるクーパー判事の主要な命令は、「ケネディ・センターという名称は連邦議会が与えたものであり、それを変更できるのは連邦議会のみである」という簡単明瞭な判定であった。書類からトランプ氏の名前は削除されたと6月8日に複数のメディアが報告した。それでもこの時点で、建物に追加された「ドナルドJ・トランプ」の名前は残ったままであった。更にクーパー判事が命令した12日の締切り直前になっても、トランプ氏の名前は建物に残っていたため、除去することに躊躇していた事を示唆していた。
トランプ大統領は自身をケネディ・センターの会長の座に置き、従来の理事会メンバーを除去し、彼の忠誠者に入れ替えたため、改修も含めて、トランプ氏の提案はこれまで、全て投票で決定されてきた。従って、トランプ氏の仲間達で管理されているケネディ・センター側は、期限前のギリギリの11日夜に、クーパー判事による名前削除命令を不服として、控訴裁判所に控訴した。改修工事のため、同センターを2年間閉鎖するという大統領の計画に対し、一時的差し止め命令を下したクーパー判事の決定に対しても異議を申し立てた。12日の午後の時点で、控訴裁判所はまだ何の判断も下していない。
ニューヨーク・タイムスが12日に伝えたところによると、クーパー判事は94ページに及ぶ決定書の中で、取締役会のメンバーは単なる「名目上の存在」にとどまるものではないと指摘し、「彼らには依然として、しかるべき注意を払い、ある程度の独立性を保ちつつ、その役割を果たす義務がある。この原則は、米国国民の享受のために信託された財産を管理する任務を連邦議会から負っている取締役会メンバーにとって、とりわけ重要なものである」と書いた。トランプ氏の弁護団は、土壇場の控訴提出書類の中で、現在まだ除去していない理由について、名前を削除した後に上訴が認められた場合、「時間と資金」を浪費することになると主張した。彼らは、さらに「現時点で名前の変更を求め、上訴後に再び現在の名前に戻す可能性があるような事態は、一般の人々に多大な混乱を招くことになるだろう」と記述した。
一方、2023年1月まで民主党下院議員であったジョイス・ビーティ氏の弁護団は、執行停止に反対する裁判所への書面の中で、トランプ・チーム側の要請を、根拠に乏しい「土壇場での」策略だと批判した。しかし、「ケネディ・センターは、裁判所の命令に従い、同センターのウェブサイトのトップページやソーシャル・メディアのアカウント、さらには販促資料からトランプ氏の名前が削除された」という。なぜなら、「先週、ケネディ・センターの幹部は職員に対し、特定の公式資料からトランプ氏の名前を『直ちに』削除するよう指示した」からである。職員に送られたメモでは、屋外の看板についても金曜日までに撤去する必要があることが示されていた。」ところが、11日の木曜日、ほぼ全員がトランプ氏の支持者で構成される同センターの理事会は、この判決を不服として控訴することを決定した。オンラインで開催された理事会の詳細を知る関係者によると、トランプ氏も電話で会議に参加していた。その際、出席したハワード・ラトニック商務長官と理事らは同センターに対するトランプ氏の影響力について肯定的な発言を行っていた」という。
最後に、ケネディ・センターのウェッブ・サイトを確認すると、確かにトランプ氏の名前は除去されている。建物に刻まれた文字又は看板と異なり、ウェッブ・サイト上の変更は時間も経費もかからないが、メンバーシップ・カードやその他、時間と経費がかかる物体にトランプ氏の名前が記載されている場合、これは面倒であると思われる。同サイトからトランプ氏の名称はない印象を受けた。ギフト・ショップのセクションから、合成生地のブルーのシッピング・バッグや同じくブルーのティシャツをクリックしたところ、これらの名称はNational Symphony Orchestra The Kennedy Centerと記載されているのみであった。恐らく、現時点では、多数ある土産小物製品にまで、トランプ氏の名称は追加されていないという印象がある。米史上、最もカリスマ性に富み、尊敬され、極めて高い評価を得ていたジョンF・ケネディ大統領の暗殺を受けて、その名誉を讃えるために設立されたケネディ・センターの建物の名称は、米国議会によって命名された。議会の認可なしに、自身の名前を建物のトップに追加した歴代大統領は誰も存在しない。この建物は、唯一ケネディ大統領の歴史、伝統、芸術を保護するものであり、自身の名前をケネディ・センターの名称の上に追加するという大胆な行動は、歴史を変える道を開く一例となる危険性がある。事実、ケネディ・センターにトランプ氏の名前が追加された直後から、同センターは「相次ぐアーティストによるボイコット、チケット販売の激減、経営陣の混乱、解雇や辞職、人員削減など、閉鎖を余儀なくされる状況」になっていた。