2026年11月3日の中間選挙が刻々と近づく中で、上院共和党候補者の幾人かは、スキャンダルが浮上しています。ジョージア、オハイオ、メインの3州では、共和党候補者に否定的な問題があるとされています。そして、この3州では全て民主党が支持率でリードしています。
ジョージア州では上院議員選挙で、現職の上院民主党議員ジョン・オソフ氏と、共和党の米国下院共和党議員マイク・コリンズ氏が対決します。コリンズ氏は現在、白人史上主義者と関連があるとして非難されています。オソフ氏は、彼のキャンペーンで、米国下院議員コリンズ氏が説明するべきであると主張しています。8月27日に主要メディアおよび複数のニュース源はコリンズ氏が白人至上主義者や過激派とのつながりがあると非難していますが、コリンズ氏の陣営は本人との関わりを否定し、憎悪を非難しています。同日、ワシントン・ポストは、K.K.K(クー・クラックス・クラン)の衣装を纏った若い男性の写真を投稿し、その男性が誰であるかを説明しています。
コリンズ氏が上院選への出馬を表明する直前、自らを「挑発者」と称する人物がナチスやK.K.Kの画像を投稿したと言います。コリンズ氏の元職員であるプレストン・パーラ氏(24歳)は、2024年にコリンズ氏の下で2ヶ月間インターンとして勤務した後、翌年には同氏のリーダーシップPAC(政治活動委員会)で契約スタッフとして働きました。連邦選挙委員会の報告書を引用したポスト紙によると、オーバーホールPAC(Overhaul PAC)は2025年5月、資金調達に関するコンサルティング業務の対価としてパーラ氏に7,700ドルを支払っており、同氏もインタビューの中で、数ヶ月間にわたり同団体で活動したと述べています。パーラ氏は6月と7月に自身のXのアカウントで、ハーケンクロイツ(かぎ十字)の画像や、自身がK.K.Kのローブを身にまとった姿を描いた画像を投稿しました。コリンズ氏の周辺にいる複数の人々は、白人至上主義者とのつながりや、人種差別的あるいは反ユダヤ主義的な発言を行ったとしてコリンズ氏を非難しており、同氏はソーシャル・メディアで、人種差別的な言動があるとして「厳しい視線」にさらされているという事です。
オハイオ州では2007年1月から2025年1月まで、米国上院民主党議員シェロッド・ブラウン氏は、2025年1月から現職の上院共和党議員ジョン・ハステッド氏との競争になります。ハステッド氏は、JD・バンス氏が副大統領に就任した為、その空席を埋める為に任命される前、州政界で活動していた人物です。 同州の上院選挙では、全米で最大の選挙資金が流入すると言われています。共和党のジョン・ハステッド氏を支援するために、億万長者のレス・ウェクスナー氏が巨額の選挙資金を寄付しているようですが、性犯罪で有罪判決を受けた故ジェフリー・エプスタイン氏は、以前ウェクスナー氏の財務顧問を務めていたことをAP通信が報道しました。ウェクスナー氏は、エプスタイン氏との過去の関係を否定していますが、2001年から2025年にかけて、ハステッド氏を支援するために約116,000ドルを献金しました。この献金額はハステッド氏が集めた巨額の資金に比べると、ごく一部に過ぎませんが、今年の選挙で対立候補となる民主党のブラウン氏は、これを攻撃の材料として利用しています。ブラウン氏は少なくとも3種類のテレビCMを放映し、ハステッド氏が現在の連邦議会議員の中で誰よりも多くウェクスナー氏から資金提供を受けていることを激しく批判しています。 来月初めには、司法省のエプスタイン・ファイル文書を公開する巡回展示がオハイオ州で注目されることになり、オハイオ州ではエプスタイン氏が再び注目を集めることになりそうです。
メイン州では、長年のベテランであり、再選に直面している上院共和党議員スーザン・コリンズ氏は、民主党のトロイ・ジャクソン氏の挑戦を受けて、激しい再選キャンペーンの渦中にいます。しかし、過去に、不正の選挙資金を受けていたとされています。メイン州を代表するコリンズ氏は、有罪判決を受けた防衛関連業者に関わる利益誘導型の献金に関与していたとの疑惑について、FBIが過去に捜査を行っていたことが明らかになりました。ハワイを拠点とする海軍向け防衛・エンジニアリング企業ナヴァテック(Navatek)の元CEOであるマーティン・カオ氏は、連邦捜査官に対し、有利な連邦政府との契約を獲得する見返りとして選挙資金を提供したと主張しました。同氏は、自社のために数百万ドル規模の海軍関連の連邦予算を確保する代わりにコリンズ氏を支援する目的で違法献金を行ったと主張しました。
電子メールを含む多様な物的証拠を入手し、調査を行うProPublicaが22日に報告した選挙資金の記録によると、カオ氏が設立したペーパーカンパニーは、コリンズ氏の2020年の再選キャンペーンを支援するスーパーPAC(特別政治活動委員会)に献金を行っていたことが判明しました。また、当時のコリンズ氏を支援するスーパーPACの責任者であったスコット・リード氏は、カオ氏が違法な献金を隠蔽するためにペーパーカンパニーを利用していた事実を認識していたことを示すメールもProPublicaは入手しています。この献金には、親族名義で行われた献金や、見せ掛けの団体を経由した15万ドルが含まれていました。FBIの捜査はジョー・バイデン政権下で開始されましたが、最終的に捜査を停止しました。しかし、捜査を中止したタイミングや動機をめぐって、民主党が批判したとされていますが、バイデン政権の時期には、ほとんどこの事件は政治的な注目を集めていませんでした。
最後に、かって、クー・クラックス・クラン(K.K.K)と呼ばれた白人至上主義者は現在、極度に衰退しています。1920年代には数百万人の構成員を擁する巨大な政治・テロ組織でしたが、南部貧困法センターなどの公民権団体や監視団体は、黒人の人権を保護するために長年、戦ってきました。白人至上主義運動は時代遅れになっている現在、候補者がK.K.Kであるとする個人と関連がある場合、激戦州となったジョージア州では、共和党下院議員マイク・コリンズ氏が米国上院議会で再選に直面している上院民主党議員ジョン・オソフ氏を打破する可能性は低いと思われます。オハイオ州では、エプスタイン・ファイルにコネクションがあるとする中間選挙において、民主党のシェロッド・ブラウン氏は、現職の上院共和党議員ジョン・ハステッド氏に寄付している富豪者が、性犯罪で有罪判決を受けたエプスタイン氏を財務顧問として雇用していたという背景があることで、彼の勝利を有利にしています。メイン州のスーザン・コリンズ氏はキャリアが長いため、民主党対抗者のトロイ・ジャクソン氏より遥かに有利ですが、事情がどうであれ、一般的に有権者はスキャンダルのない候補者を選ぶ傾向があり、これら3州では、民主党候補者が有利点を見出したことを意味します。Electoral-vote. Comの最新の世論調査では、この3州で全て民主党候補者がリードしています。
| 民主党候補者 | 共和党候補者 | |
| ジョージア | オソフ52% | コリンズ43% |
| オハイオ | ブラウン48% | ハステッド44% |
| メイン | ジャクソン48% | コリンズ45% |