ロバーツ判事が決定権を握った米国最高裁の最近の動向は何を示唆?

トランプ大統領は昨年10月6日までに二人の判事を最高裁に送り込んだ。その二人目の判事は上院議会によってわずか2票の差で任命されたブレット.カヴァナフである。彼がトランプに指名される前後、1973年の最高裁の礎となったロー対ウェイド判決が転覆されるとの懸念が拡大した。最高裁の首席判事ジョン.ロバーツは最近、ルイジアナ州の中絶法を打破した為、その懸念はほとんど消えている。1980年にストアーの店員を殺害した黒人が知能遅れであるかどうかの論議で死刑宣告が遅れている判例でもリベラル側に参加した。ロバーツ判事は昨年10月の公開フォーラムで、過去の最高裁判事が決定した判決を覆すことはないと暗示した。

2005年9月、元大統領ジョージW.ブッシュに指名され、現在最高裁の首席判事であるジョン.ロバーツは最近二つの判例で、リベラル側に参加した。その最初の例は、ルイジアナ州の中絶に関する法律である。ルイジアナ州の下級裁判所は、州のほぼ全ての中絶クリニックを閉鎖し、わずか一人の医師だけにその処置を任せることを定めた2014年の法律を保護した。この決定に対する上訴裁判において、2月7日ロバーツ判事は、このルイジアナ州の法律をブロックするリベラル派の判事4人に参加し、5対4で同州の法律が効力を発揮することを防止した。最高裁がルイジアナの女性の権利を保護するため介入したことで、他複数の医者は中絶クリニックを閉鎖する必要はない状況になった。2016年、最高裁は同様の法律を採用していたテキサス州に対して憲法違反であると判定した為、矛盾がないことを示唆している。加えて、カヴァナフは最高裁に任命される前に、ロー対ウェイド判決を覆すと噂されたが、就任後は、2020年の国勢調査で市民権の質問を追加するかどうかのトランプ政権の論争的な政策も含めて、複数の課題で、最高裁が聴聞するかどうかの決定においても、トランプの政策を積極的に擁護する姿勢はなく、むしろ距離を置いていると言われている。

1980年4月、ボビー.ジェイムス.ムーアは盗みを企てた食料品店で店員を射殺した為、有罪判決を受けた。米国の法律は、犯罪者に知能障害がある場合、死刑執行から除外している。最高裁は、テキサス州のムーアの判例に数回関与し、知能遅れの判定基準に異論を唱えているため、ムーアは現在も死刑宣告を受けていない。テキサス州刑事控訴裁判所は、時代遅れの医療基準を使用し、2015年にムーアが知的障害者ではないと判断した時、米国最高裁はその決定を覆した。2017年もリベラルの多数派を代表したルース.ベイダー.ギンズバーグは「人命が危機に瀕している時、単に取り替えた標準に固執している」として、5 対3票でテキサス州の決定を覆した。テキサス州の裁判所はもっとモダンな基準を採用すると約束したが、同じ結論に達した。2019年2月19日、米国最高裁は、テキサス州裁判所が指示に従わなかったとし、ムーアは「知的障害者」であると宣言し、死刑を適応できないと判定した。最高裁は非常に長かったこの殺人事件のケースに幕を閉じた。19日に報告された最高裁の決定で、ロバーツ首席判事はリベラル派判事4人に参加した。この多数派の意見に異議を唱えた判事はクレアランス.トーマス、サミエル.アリート、トランプの最初の指名判事であるニール.ゴーサッチである。その強固な保守派判事の中にはトランプの二人目の指名判事であるカヴァナフの名前はなかったと報告されている。カヴァナフはこの判例でも彼の立場を公表していない。

これらの動きには、米国最高裁に何らかの変化があることを示唆している。数年前までは右寄りになっていると批判された最高裁は「ロバーツの裁判所」と呼ばれていた 。しかし、昨年11月、裁判官を批判するトランプのツイートに対する公式声明を発表するなど、希な行動を取っているロバーツ判事はトランプ政権後、何かが変わった。このような最近のロバーツの判定パターンは、ロー対ウェイドのような米国最高裁の伝統的な判例を意図的に「無視しない 」よう暗示的に「過激で保守的な裁判官」と言われている最高裁の一部の判事に対して、ロバーツ判事は警告している兆候があると分析する専門家もいる。ローバツ判事は、カヴァナフ判事の論争的な就任後の10月17日、ミネソタ大学でのフォーラムで、最高裁は党派的ではなく、独立した機関であり続けると語った。これは、彼がそのバランスを保つ役割を果たす立場であることを示唆した。

昨年の7月5日に公表された選挙分析者シルバー.ネイトのサイトによると、ロバーツがこれまでリベラル派に参加した記録はわずか5回である。その期間は2005年9月29日の就任後から2018年7月初旬までに言及している為、それはかなり頻度が低いことを示唆している。超党派的な判事であったアンソニー.ケネディが辞職を公表した昨年初夏以降、最高裁ではスィング.ボート(どちらにでも揺れる投票)の役割を果たすと予測されていたロバーツは、過去の記録に比較すると、今月だけで2回もリベラル派に参加した事は顕著な変化である。もちろん、彼がリベラル派に参加しているその頻度が高くなったことがもっとリベラル寄りになった事を意味しない。しかし、 憲法を遵守した過去の伝統的な判例を重視する場合、少なくとも平等と公正性が基本である憲法の精神を最高裁は維持する可能性が高くなることを意味する。そのような視点から考えると、トランプ大統領が憲法違反で告訴され、最高裁に上訴される判例では、ある程度の予測が可能になることを示唆している。また、最高裁は全ての上訴を受けることはないので、特に誰に対しても恐れなく批判し、無謀に法律を無視する傾向がある 米国大統領が関与した判例では、従来どおり、下級裁判所の判決を保持する可能性が高くなるかもしれない。

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