
By South China Morning Post
ロシアは引き続き、当地時間火曜日の早朝にウクライナの複数の都市にミサイル攻撃を行った。11日に開催されているG- 7サミットで、リーダー達はロシアの大統領ウラジミール・プーチンにウクライナ人殺害の責任を負わせると宣言した。同日、イギリス当局はロシアが既に軍隊を疲弊させ、囚人を戦地に送っていると劇的な現状を伝えた。バイデン大統領は先月からロシア・ウクライナ紛争に中立的な立場を取るリーダー達を説得する努力を行っている。
ロシア軍に武器を含む必需品を輸送する為の戦略的なケルチ海峡橋の幾つかの箇所が8日に爆破された後、ロシアは報復であるとして、10日にウクライナのほぼ全域の都市にミサイル攻撃を行った。11日、ロシア軍が主要インフラを標的とした第二の攻撃を行い、複数の都市で、100以上のミサイルを発射し、プーチンはウクライナでのロシアの軍事攻撃をエスカレートさせている。その中で、11日朝のテレビ会議を通して開催されたG-7首脳会議で、ウクライナの大統領ヴォロディミール・ゼレンスキーは、G-7 首脳に対して、モスクワに対する更に厳しい制裁とロシアの攻撃からウクライナの都市を守る為に、効果的な防空システムの供給を緊急要請した。ゼレンスキーは、ロシアがベラルーシの軍隊を直接ウクライナでの戦争に関与させようとしていると述べた。G-7諸国のリーダー達は、11日の声明の中で「無実の民間人に対する無差別攻撃」は「戦争犯罪を構成」するため、「プーチン大統領とその関係者にその責任を負わせる」と述べている。また、「G-7は不法な併合の試みを断固として非難し、明確に拒否する」と宣言し、ウクライナのドネツク、ルハーンシク、ザポリージャ、ヘルソン地域に加えて、クリミア自治共和国とセヴァストポリ市に対する違法な併合や見せかけの国民投票を決して認めない」ことを強調している。そして、キエフを強く支持すると誓約し、ウクライナがその「主権と領土の完全性を維持するために必要な支援」を提供し続けることに「動揺していない」と述べた。
今週ロシアのミサイル攻撃が激化している中で、英国の諜報、サイバー、セキュリティ機関である秘密のGCHQの責任者ジェレミー・フレミングは、公開演説でウクライナのロシア軍は過剰に拡張され「疲弊している」とし、ウラジミール・プーチン大統領は「判断における戦略的誤り」を犯していると警告したと11日にワシントン・ポストが伝えている。フレミングは、ロンドンのシンクタンク・グループであるロイヤル・ユナイテッド・サービス・インスティテュートでの演説で「ロシア軍は疲弊している。補強のために囚人を使用し、そして今では何万人もの経験の浅い徴集兵の動員は、絶望的な状況を物語っています。」と言った。更に、フレミングは「彼らのプロパガンダ・マシンが吐き出した必然的なロシア軍の勝利とはかけ離れており、戦場とサイバー・スペースにおけるウクライナの勇気ある行動が流れを変えていることは明らかです」と述べた。
ワシントン・ポストが11日に伝えたところによると、ジョー・バイデン大統領は、ロシアのウクライナ侵略に対して、全く批判していない中立国であると主張している国々のリーダー達とここ数ヶ月交渉を行っているという。ポストによると、バイデン大統領はインドのナレンドラ・モディ首相、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領、および、必ずしも西側連合を常に支持しているとは言えない他の外国の指導者たちと長時間の会話を行い、プーチン大統領に「断固として反対する」よう要請した。そして、先月の首脳会談でモディは事実上、プーチンと対峙し「今日の時代は戦争の時代ではありません。」と述べ、「平和の道」に進むべきであるとプーチンを説得した。匿名を条件に語ったホワイトハウスの高官によると、ホワイトハウスは、政治的および軍事的にロシアと広範な関係があるインドの平和の説教に「うれしい驚き」があったとコメントした。これは、ロシアとウクライナの紛争で中立を保つために多大な努力を払ってきた指導者にとっては珍しいことである。バイデンと米国の当局者は、ラテン・アメリカ、アジア、アフリカの非同盟国に対し、中立的な立場を取ることを控え、クレムリンを完全に非難するよう説得するために取り組んできた。バイデン政権の取り組みは、10日にキエフやその他主要なウクライナの都市に対するロシアのミサイル攻撃の弾幕によって強化される可能性があるとアナリストは見ている。
要するに、中立国であるからとして、もはや無視することが困難になっているロシアの攻撃は、ロシアがウクライナの軍事施設をターゲットにしているのではなく、市民のインフラストラクチャーや、市民が集まる公的場所であるため、それは戦争犯罪を構成しているとG-7のリーダー達は指摘している。その声明文は、ロシアが2月24日にウクライナを侵攻して以来、幾つかの地域で、市民が拷問された後に射殺された証拠が発見された為、プーチンと彼の仲間を戦争犯罪で告訴し、責任を負わせる勢いが非常に高くなっていることを示唆している。最近、頻繁に核兵器の使用を脅しているプーチンにとって、彼の合併計画を断固として拒否するバイデン政権と米国の同盟国の動きが強い憤りになっている可能性がある。
バイデンは「プーチン大統領は今日もまた、ヨーロッパに対してあからさまな核の脅迫を行い、不拡散体制の責任を無謀に無視しています。この世界は、これらの法外な行為が何であるかを理解するべきです」と述べた。一方、プーチンは、ウクライナも含めて、彼の野望を阻む国に対して、核兵器を利用すると脅している現状を見ているバイデンが「国家安全保障担当補佐官のジェイク・サリバンとタイガー・チームに、ロシアが前進するためのアプローチと一連の政策オプションをまとめるよう依頼した」という。しかし、ロシアは訓練された健康で強い兵士が大幅に不足しているとの英国の諜報機関の責任者フレミングの報告は、多数のロシア兵がウクライナの東部と南部でタンクや武器を放棄して逃げ去ったこと、新たな徴集兵動員の発表直後から、大勢の若者がロシアを去っていること、現在プーチンがベラルーシの兵士を利用しようとしていることなどの状況と矛盾がないことを示唆している。国際社会の批判、国内での抗議、プーチンの周囲には多数の攻撃的な顧問が失敗した戦略に不満を抱いているなど、多くの方面からの圧力に直面しているロシアの大統領は追い詰められている可能性もある。バイデンがプーチンの気質と核兵器使用の脅しに深い懸念を示すことは自然であると思われる。