キリスト教ナショナリズムの危険性

キリスト教ナショナリズムは、キリスト教に関連する一種の宗教の民族主義であり、社会及び政治に宗教の役割を反映させることに焦点を当てたイデオロギーである。現在、政治と宗教は分離されているが、宗教の民族主義を支持する人たちは、その原理の正反対の立場であり、議会や学校でも祈りの活動を促進させること、バイブルが社会、政治、司法に大きく関与する事を望んでいる。米国の大多数の成人は建国の父が、米国をキリスト教国にする意思があったと信じている。

キリスト教ナショナリズムは、20 世紀前半の戦間期に米国とヨーロッパで極右の政治的運動トとして台頭した。近年の米国での顕著な推進者は、「信教の自由を強調しているキリスト教の人々のみが国を反映させると信じており、ある時点で最も注目されたアレックス・ジョーンズなどが極右派や憎悪グループからの支持を集めている。宗教的ナショナリズムは白人と宗教の自由を過度に強調するため健全な社会建設には有害である。プリンストン大学の歴史の教授であるデイビッド・ホリンジャーによると、最近よく話題になっているキリスト教ナショナリズムは、「健全な民主主義に対する脅威」である。全米福音主義者協会は1949年、神とイエスを憲法に盛り込む憲法修正案を提案した。現在のキリスト教ナショナリズムの直接的な起源は1940 年代と 1950 年代の福音主義の取り組みに関連している。

確かに、キリスト教のパワーを強調する人々は多くの場合、右翼系である。米国人の大多数がキリスト教の国であると信じている、2022年10月27に公開されたピュー・リサーチの調査報告によると、成人の60%は、建国の父らはもともと米国をキリスト教にすることを意図していたと述べている。30%は、米国が現在キリスト教国家であると述べた。そして、アメリカ人の45%は、この国がキリスト教国家であるべきだと考えている。キリスト教徒(69%)は、非キリスト教徒(44%)と比較して、そのように思っている率がはるかに高い。この両者間の違いは、キリスト教国家であるべきだと主張する率は62%対16%である。しかし、キリスト教徒(30%)は、現在米国がキリスト教国家であると言う可能性は、非キリスト教(40%)よりも低い。白人の福音派プロテスタントの 81%は、建国者がキリスト教国家になることを意図していたと述べており、この見方に最も傾いているキリスト教徒となっている。 黒人プロテスタント教徒の57%とヒスパニック系カトリック教徒の54%はこの考えを持つ可能性が最も低いキリスト教徒であるが、これらのグループの半数以上も、建国の父は、米国をキリスト教国家にすることを意図していたと述べている。白人の福音派プロテスタントの大多数(81%)は、米国はキリスト教国家であるべきだと主張しており、黒人プロテスタントの約3分の2(65%)も同様である。 この見解を共有しているのはヒスパニック系カトリック教徒(約36%)が最も低い。

このような状況下で、米国議会にもキリスト教ナショナリズムを支持している議員がいても不思議ではない。7日のワシントン・ポストの報告によると、先週7月4日の独立記念日に、ミズーリ州上院議員ジャシュ・ハーレイは米国が「イエス・キリストの福音に基づいて」建国されたと誤った主張をツイートしたことで注目された。彼は、建国の父の一人であるパトリック・ヘンリーが自由を与えてください、さもなくば死を与えてください!(Give me liberty or give me death!)と言ったとし、「この偉大な国が宗教家によってではなく、キリスト教徒によって建国されたということは、どれだけ強調してもしすぎることはありません。宗教ではなく、イエス・キリストの福音についてです。」とツイートした。しかし、このツイートに反応した複数の専門家の一人であるウィラメット大学のセス・コトラー教授は、パトリック・ヘンリーがそのような言葉を表現したことは決してないとして、彼の間違いを指摘した。彼はこの引用は反ユダヤ主義と白人至上主義の見解を支持することで知られる1956年版の雑誌バージニアンに由来していると説明した。

しかし、ハーレイは、間違いを指摘され批判されたにもかかわらず、不正確なツイートを削除せず、彼は5日のツイートで、リベラル派は「聖書とアメリカ建国の関係が大きなきっかけとなった」と主張した。さらに彼は、建国とキリスト教を結びつけた初期のアメリカの指導者たちの6つの引用を投稿し、「米国はキリスト教国として建国されたというキリスト教ナショナリズムの擁護者の間で人気のある歴史的議論を促進」したと主張した。ハーレイは2022年9月の全国保守主義会議での「聖書革命」と題したスピーチで、私たちが革命国家であるのは、まさに聖書の革命の継承者であるからです。聖書がなければ現代はない。聖書がなければアメリカはありません。」と言った。彼は、公然とキリスト教ナショナリズムを推進している少ない議員の一人であることを示唆した。

要するに、キリスト教ナショナリズムが脅威であると言われる理由は、アメリカが特に白人のキリスト教信者のみの国であるとの考えに基づいており、これは白人史上主義、人種差別、少数派の宗教グループへの偏見や憎悪につながるからである。そして、長年の原理である宗教と政治の分離を脅かしており、アメリカ人とキリスト教徒を融合させようとする政治イデオロギーの歪んだ側面が幾つかの社会で既に見られ、その危険性は様々な形で有害である。彼らは、頻繁に宗教の自由を保護する憲法修正第一条を盾として利用することで、時には特定のグループに対する差別さえ、正当化しているという側面がある。トランプは2020年6月にキリスト教ナショナリズム運動を促進したことは既に知られている。加えて、トランプの選挙敗北の結果を転覆する反乱を支持した2021年1月6日の連邦議会議事堂での暴徒の一部は、プラウド・ボーイズのような白人史上主義者であったように、肌の色が白くない傾向がある不法移民に「ゼロ容認」主義の徹底した厳しい政策を講じ、合法移民まで制限し、イスラム教徒の入国を禁じたドナルド・トランプを狂気的に支持した人々である。FBIディレクターのクリストファー・レイは、この暴動を国内テロリズと分類したように、少なくともあの日の暴徒の一部は、明らかに移民政策も含めて、政治的動機に基づいていた。二年半年以上前の暴動は、キリスト教ナショナリズムの危険性の一部であるとの見方もある。

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