バイデン支持共和党の台頭は何を示唆?

国家安全保障の元共和党職員のグループは、11月の選挙で、民主党の大統領候補者である前副大統領ジョー.バイデンを支持すると公表した。上院共和党メンバーの一部はバイデンの使節団になっている民主党議員と同盟を密かに結んでいる可能性がある。ワシントンの内外にはトランプを正統派の保守派共和党から引き離す努力を展開しているネバー.トランプ(Never Trump)運動のグループも存在する一方で、複数の共和党大統領下の元職員らは、米国の安全保障を純粋に懸念するグループである。バイデン支持共和党の台頭はトランプ時代に初めて見ている奇妙な政治的風潮である。

25日のロイターによると、数十人の国家安全保障の元共和党職員グループは、今後数週間でバイデンを公式に支持する事を発表し、11月3日の選挙でトランプに挑戦している元副大統領の選挙運動を行う計画があると、その事情に詳しい関係者がロイターに報告した。このグループは共和党のロナルド.レーガン、ジョージH.Wブッシュ、ジョージ W.ブッシュ三人の大統領下で奉仕した職員に加えて、更に数十人が交渉に参加するという。トランプが「さらに4年間大統領職に留まった場合、米国の国家安全保障は危険にさらされる」可能性があり、共和党の有権者は、政策の違いがあるにも関わらず、バイデンを「より良い選択」であると見なすべきであると彼らは主張する予定である。この運動を先導するリーダーはジョージW.ブッシュ政権下で上級職を務めたジョン.ベリンジャーIIIとケン.ウェインスタインである。ベリンジャーは国家安全保障理事会と国務省の法律顧問を務めた。ウェインスタインは、ブッシュの国土安全保障顧問と元FBIの特別捜査官ロバート.ミュラーの首席補佐官を務めた。グループの他のメンバーは、二人のブッシュ政権下で奉仕した外交政策顧問のロバート.ブラックウィルである。このグループには国家安全保障の分野外の独立者や役人が含まれている。匿名でこの情報を提供したグループの関係者は「トランプは独裁者を友達にします。彼は本当に危険です」と述べた。このグループは8月の民主党全国大会前に彼らの存在を公開する可能性があるとロイターは伝えている。

この三人の元大統領政権下の職員が彼らの党のトランプを再選させない為、民主党の候補者を支持するという発表は、過去のどの時代にも見られなかったトランプ時代の新たな風潮の一つである。彼らのような発表の例は、その勢力が実際にはもっと多大である事を示唆している。つまり、ジョージW.ブッシュ自身、彼の元職人、知人、友人、及び家族もトランプに投票しない可能性がある。6日のニューヨーク.タイムスによると、ジョージW.ブッシュはトランプの再選に投票しない。又、彼の弟で、2016年の共和党大統領候補者の一人であったジェブ.ブッシュもトランプに投票しない可能性がある。又現役の共和党上院議員(ユタ)ミット.ロムニーもトランプを支持せず、今年11月の投票用紙に誰の名前を書くか審議している。脳腫瘍で死亡したジョン.マケイン上院議員の未亡人であるシンディ.マケインは、「バイデンを支持することはほぼ確実である」が、彼女の息子の1人が選挙に出馬している為、それをどのように公表するか不明である。又、今月初旬、前国務省長官のコリン.パウエルは、バイデンを支持すると発表した。バラク.オバマ前大統領とヒラリー.クリントンに投票したパウエルは、政治的にも社会的にもバイデンと親しく、35年以上一緒に働いてきたと語り「私は彼に投票します」と言った。

元下院議会の議長であったポール.ライアンと彼の前任者であるジョン.ベーナーのような元共和党の指導者たちは、彼らがどのように投票するかについて公的に語っていない。トランプを支持することを拒否している一部の共和党は、第三者の候補者を支持する以上にバイデンを公然と支持するべきであるかを検討している。個人的な政治的見解を守ってきた退役軍人の指導者たちは、大統領の指導力に対する不安を益々表明しているが、トランプの政敵を受け入れるかどうかは不明である。バイデン自身は、党の枠を超えて支持を獲得することを熱望しているが、自分の党を完全に統合した後に、キャンペーンの後半で彼の「バイデンを支持する共和党」連合を展開する予定である。

加えて、政策に関する見解の不一致により、解雇又は辞職に追い込まれたトランプの元側近は、次から次にトランプを非難する状況になっている。元国防総省長官のジェイムス.マティスの最近の声明は、彼がトランプの再選を援助する理由がない事を示唆している。オサマ.ビンラディンを殺害したネイビー.シールズを指揮した元海軍大将ウィリアム.マクレイヴンは「この秋、この国で新たなリーダーシップを発揮する時が来ました。トランプ大統領は、良い指揮官になるために必要な資質がないことを示しました」と述べた。D-Dayの76周年に関するインタビューで、マクレイヴンは、これらの戦時中の指導者たちは「彼らの言葉、彼らの行動、そして彼らの人間性」でアメリカ人を鼓舞したと述べた。それとは対照的に、トランプはリーダーシップのテストに失敗したとし、「我々はCovidのパンデミックで恐ろしい人種差別と不正の行為に苦しんでいるので、この大統領はそれらの資質のどれも示していません。国は彼なしで前進する必要があります」とマクレイヴは言った。

又、トランプの元大統領首席補佐官であり、元海兵大将であったジョン.ケリーは誰に投票するかは明らかにしなかった。元共和党上院議員でトランプの国家情報局長であったダン.コーツの長年の顧問であるケビン.ケレムスは、コーツが「国家情報部のディレクターの離職の混乱による情報地域社会への悪影響について懸念していた」と述べた。トランプの諜報部長代理を務め、引退したジョセフ.マグワイアは、今月初旬に大統領を批判したマティスと2人の元首席補佐官のコメントに同意した。彼は「ジェイムス.マティス、マイク.マレン、マーティ.デンプシーがすべて親友であり、私は彼らを非常に尊敬しています。私は彼らの見解と一致しています」とインタビューで述べた。ブッシュ大統領下でバチカン大使を務め、フロリダで長年共和党の寄付者であり、何十年も民主党に投票したことがないフランシス.ルーニーは、トランプが「私たち全てを狂わせている」とし、バイデンのサポートを検討していると述べた。彼はコロナウイルスのトランプの対策は「起こる必要はなかった」死者を出したと批判した。ルーニーは2016年にヒラリー.クリントンを好きではなかった為、トランプに投票した有権者が多いが、バイデンにはその状況を見ていないと語った。ルーニーは、現在および最近の共和党議員に対する使節となったバイデンに最も近い議会の同盟者の1人である上院議員クリス.クーンズに穏やかにロビーされた。クーンズは、幾人かの共和党上院議員が、彼らの公的コメントに関係なく、最終的にプライバシーの投票所の中では「トランプのためのてこを引くことはない」と述べた。彼はトランプを支持することに葛藤がある5人の共和党議員と会話したと述べた。

ニューヨーク.タイムスのインタビューに応じたワシントン内外の共和党メンバーは、トランプの再選を押す意思がない事を示唆しているものの、現時点では現役大統領との紛争を避けるため、公式に彼らがバイデンに投票するかどうかを明白にしていない。しかし、最近の複数の世論調査は、一般的に無名の共和党議員は大統領の真後ろにいるが、トランプを守ることができない一部の共和党議員は現在、無所属議員と提携している。又、伝統的な主流派の共和党が率いるNever Trump(決してトランプではない)運動を先導するリンカーン.プロジェクトのメンバーはトランプが真の共和党ではないと主張し、彼らが描いている共和党とトランプを識別し、トランプを追放する為、バイデンに投票する事を示唆する声明を公開した。政策上中道的な側面のあるバイデンの勝利に一時的に参加する可能性があることを示唆した。しかし、彼らは、選挙が終わると、再度、本来の共和党の政策をアピールし、政策に違いがある民主党大統領を批判するという従来のパターンに戻る可能性がある。彼らの本来の目的は、伝統的な保守派路線を守ることであり、その軌道から外れているトランプは絶対に彼らの大統領ではないとの信念を抱いている。彼らはバイデンの勝利後も民主党大統領を支援し続ける保証はない事を認識する必要がある。

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