オックスフォード大学の肯定的なワクチン臨床結果は何を示唆?

Coronavirus vaccine latest update: Oxford vaccine found "SAFE" in ...By     Times of India

オックスフォード大学とイギリスの薬品会社の共催開発による最初のワクチン臨床結果は5月25日に公開され、失望的であったが、二回めの臨床試験では肯定的な結果を示した。ボランティア1,000人以上の規模の試験では、その安全性と効果があるとの結果がランセット医学誌に掲載された。ランセットの編集部は、早急な開発を称賛しながらも安全性が最も重要であることを強調している。オックスフォード大学によるワクチンの試験結果は何を意味しているだろうか?ワクチンの利用性について、どのような観点から注目する必要があるだろうか?

20日に公開されたイギリスのランセット医学誌は、4月23日から5月21日までに登録した1,077人のボランティアによる試験結果が安全で将来性があることを示唆した。オックスフォードのワクチンはChAdOx1 nCoV-19という名称であり、一般的な風邪ウイルスのアデノウイルスのバージョンから作られたものである。臨床実験は単一盲検及び無作為による比較試験と呼ばれている。この臨床実験に参加した人々はSARS-CoV-2(急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の感染またはCOVID-19の症状歴のない18歳から55歳までの健康な成人である。彼らは単一の筋肉内注射として、このワクチンを規定の容量で投与された。無作為及び盲検化されていない10人の参加者は、強化グルーとして、このワクチンを最初の投与から28日後のスケジュールで2回目の投与を受けた。SARS-CoV-2に対する中和抗体反応は、単一投与後に35人の参加者の32人(91%)に検出された。このワクチンに関連する重大な有害症状は発見されなかった。この実験の結果は、ChAdOx1 nCoV-19が許容可能な安全性を示し、体液性および細胞性免疫の両方に良好な評価があったことを示唆した。

結論として、2回目の実験はまだ規模が小さいこと、一般市場に提供するにはまだ早いことを示唆している。91%の参加者は抗体反応があることを示したが、どれくらいの期間その抗体が維持するのか不明である。COVID-19の深刻な重症から生存したイギリスの首相ボリス.ジョンソンはツイートで「これは非常に前向きなニュースです。世界をリードするオックスフォード大学による、私たちの優秀な科学者と研究者は多大な貢献をしました。保証はまだありません。まだ、そこまでは至っていません。更なる実験が必要になりますが、これは正しい方向への重要なステップです」と述べている。

ランセットの編集委員会は、2019年コロナウイルスの病気(COVID-19)が蔓延し、パンデミックの緊急事態に直面した世界はワクチンの競争で団結しているとし、世界は共通の敵に対して、戦争状態にあると述べている。この戦いで、医療従事者と研究者は、深刻な急性呼吸器症候群コロナウイルス2の脅威に立ち向かっており、研究者はCOVID-19に対するワクチンを記録的な速さで見つけるため、前代未聞のグローバルな対処を組織化する事に取り組んでいると述べている。又、「解決策の必要性は明白である為、ワクチンの競争は急速に進んでいるが、安全性が最も重要であることを忘れてはなりません」と述べている。又、現在まだワクチンの製造、流通、および普及に関するステップについて、幾つかの疑問が残っていると指摘している。高品質で安全なワクチンを大量生産することで、COVID-19に苦しむ全ての人々に「手頃な価格でアクセス可能な保護を提供する事が最も重要である」ことを示唆している。

グローバル的に感染症例と死亡数が急速に増加していた中で、ワクチン開発は今年世界的に熾烈な競争になっている。4月中旬の時点で、既に20以上の医薬品会社が競争していた。最も早く、最初の小規模の実験に入ったのは米国アレルギー感染症研究所と連携している幾つかの企業である。ランセット編集部によると、研究者らは3年前にCOVID-19に対するワクチンを記録的な速さで発見するために、新たな感染症に対処する準備を確実に世界に提供することを目的として、CEPIと呼ばれる疫病対策革新のための連合を設立した。CEPIは、2月初旬に提案の募集を開始することにより、COVID-19のワクチンに関する研究の資金調達と調整への取り組みを先導した。これに対応したのは、ワクチン候補に取り組んでいる幾つかの企業や学術機関であり、その中の8つを選択した。CEPIは米国アレルギー感染症研究所と共に3月16日に最初のワクチンの試験を開始した。

ワクチン開発が熾烈な競争になっている現在、懸念される疑問が提起されている。いつ大量生産が可能になるのか?その最初のワクチンは抗体が長期的に持続するのか?治療費に幾らかかるのか、などが含まれる。ワクチンの他にも治療薬のレムデシビル(Remdesivir)が登場しているが、米国では現在保留中である。この薬品会社であるギリアドは、COVID-19の治療薬レムデシビルの価格を、政府機関では2,000ドル以上、民間保険会社では3,000ドル以上に設定する計画について発表している。同社の最高経営責任者ダニエル.オーデイは6月下旬に発表した「公開書簡」で、「通常の状況では、提供する価値に応じて医薬品の価格を決定する」と述べている。「社会に対するその価値と比較して、薬物の価格設定には広範な問題がある」と言われている。理論的には「貴方を生かし続ける薬の価値に制限がないので、製薬会社は好きなだけ請求することができます」と6月29日の ロスアンゼルス.タイムスが指摘している。

治療薬であれ、ワクチンであれ、同様の原理が当てはまる。通常のインフルエンザのワクチンの出費は、個別に多少の差はあるものの、保険がある場合でも平均70ドル(約7,000円)の価格である。単なる治療薬でさえ3,000ドルの費用がかかる場合、保険がない人々及び一般的な人々には非常に高いことを示唆している。現時点ではワクチンが全ての必要な人々に手頃な価格で提供するとの政府の公約はない。過去の共和党は2010年に制定されたアフォーダブル.ケア.アクト(ACA)又はオバマケアを社会主義国の政策であるとして、数千万人が恩恵を受けているACAの撤廃を目指していた。トランプ政権も同様の試みを行ったが、まだ生存している。しかし、最初に市場に登場した安全で有効なワクチンをACA下で利用できるかどうかはまだ不明である。

トランプ政権下の保健福祉省長官アレックス.アザールは、米国でまだ蔓延していなかった2月末に、COVID-19は「民間部門が投資する必要があった為、政府はコロナウイルス治療の価格を制御できません」と述べた。不安に基づく猛烈な反発を引き起こした後に、彼はその発言を取り消すというエピソードがあった。トランプ政権のACAに対する敵意のパターンを考慮した場合、ACA加入者に対して、その保険の利用を拒否し、企業の利益を優先した場合、一般的なアメリカ人はこのワクチンを利用する余裕はほとんどないか又は困難であることを意味する。米国人は医療費が高騰している中で、ACA下で無料ワクチンが可能になることを望んでいるが、来年初期から非常に安全で効力のあるワクチンが一般に利用できるようになったとしても、現時点では、手軽な価格又は無料で誰でも利用可能になるという保証はないことを示唆している。しかし、ACAの保護を支持する民主党大統領候補者のジョー.バーデンが11月に勝利し、上院でも民主党が多数派になった場合、ACA下で無料ワクチンの利用は大幅に可能になる。従って、米国では誰が大統領に就任するか、誰が議会の指導者になるかは、米国民の健康と深い関連性がある事を示唆している。

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