上院議会での競争は激戦になると予測されている中で、米国上院議会での支配権は7州が鍵を握っています。これらの州の一部を除き、2024年にほとんどトランプ大統領が勝利した州ですが、現在、これらの州で民主党候補者の全てが、それぞれ平均1から5ポイントの差で共和党対抗者をリードしています。
ワシントン・ポストの調査によると、7州中3州は激戦になり、他4州は民主党が勝利し、多数派になる可能性があります。この7州の中には、民主党候補者が大幅に有力なノース・キャロライナ州は含まれていません。
| 州名 | 平均支持 | 民主党候補名 | 2024年トランプ |
| アラスカ | +5 | ペルトラ | +13 |
| テキサス | +3 | タラリコ | +14 |
| カンザス | +1 | ハミルトン | +16 |
| アイオワ | +2 | テュレック | +13 |
| オハイオ | +4 | ブラウン | +11 |
| ミシガン | +4 | エル=サイード | + 1 |
| メイン | +2 | ジャクソン |
アラスカ州では2024年にトランプ氏が民主党副大統領のカマラ・ハリス氏に13ポイント有利で勝利しました。2026年、民主党候補者メアリー・ペルトラ氏は現役の共和党上院議員ダニエルS・サリバン氏を平均支持率5ポイントでリードしています。トランプ氏と司法省は、6月の時点で、別のダニエルJ・サリバン氏が投票用紙に記載することを認可した同州の最高裁判事に対して、有権者が混乱するというような異議を唱えませんでした。司法省はあまりにも選挙間近にペルトラ氏の勝利を阻止する目的で提訴したため、同州の選挙当局は不誠実な戦略である事は確実であると述べています。
テキサス州は、腐敗した共和党司法長官ケン・パクストンとジェイムス・タラリコ氏との競争は激戦になる可能性がありますが、タラリコ氏は公然たる汚職が政界を腐敗させているとして戦っています。2024年の大統領選ではトランプ氏が14ポイントもリードして勝利しました。現在、タラリコ氏はパクストン氏を平均3ポイントでリードしています。
カンザス州では、民主党が米国上院議会で選出された例は約100年見られないものです。しかし、中道派として立候補している民主党のアダム・ハミルトン氏は、共和党候補のロジャー・マーシャル上院議員と接戦を繰り広げています。中道派として立候補した民主党のアダム・ハミルトン氏は、共和党のマーシャル上院議員と激戦になる可能性が高いです。2024年にはトランプ氏が16ポイントも有利でした。民主党のハミルトン氏は平均わずか1ポイント差でリードしています。
アイオワ州では民主党候補ジャシュ・テュレック氏と、共和党候補アシュリー・ヒンソン氏との競争になっています。両氏はいずれも、超党派的政策をアピールしています。現在テュレック氏は平均2ポイントの差で、ヒンソン氏をリードしています。ここでは2024年にトランプ氏が13ポイントの差でハリス氏を打破しました。
オハイオ州では18年間、上院議員として奉仕した民主党のシェロッド・ブラウン前上院議員は、2024年の選挙で再選を果たせなかったため、今年再び出馬しJ.Dバンス副大統領の空席を埋めるため、共和党のジョン・ハステッド上院議員と競争しています。民主党候補のブラウン氏は共和党候補ハステッド氏を平均支持率4ポイントの差でリードしています。
ミシガン州では、医学分野で経験のあるアブドゥル・エル=サイード氏は、共和党の元下院議員マイク・ロジャース氏と対決することになります。物議を醸す発言があるとされるエル=サイード氏は、平均支持率で4ポイント有利です。
メイン州では、長年の現役共和党のスーザン・コリンズ上院議員に対して、民主党上院議員候補トロイ・ジャクソン氏が挑戦しています。無名の人物でしたが、気取りのない語りに人気を集めたようです。メイン州は、リベラルな有権者が多く、2024年にハリス副大統領は7ポイント・リードして勝利しました。ジャクソン氏はコリンズ氏を平均2ポイントでリードしています。
現在、米国上院議席は共和党が53、民主党が47議席です。共和党は現状を維持するために、これら7州で全て勝利する必要があります。一方、民主党が過半数51議席により多数派になるためにはこれらの7州の中で激戦が予測されるアイオワ、カンザス、メインを除く4州で勝利する必要があります。仮にテキサス州で、ジェイムス・タラリコ氏が敗北した場合でも、ノース・キャロライナ州の米国上院議会選挙で、現在非常に有力な民主党候補者で元知事のロイ・クーパー氏が2027年1月3日に議会を去るトム・ティリス氏の空席に勝利する可能性があるため、民主党は4議席を奪還し、51議席による多数派を獲得する可能性があります。10月20日に公開されたイーロン大学の世論調査によると、クーパー前知事は、支持率52%で同州の共和党議員マイケル・ワットリー氏の39%に対し、13ポイントもリードしていますので、11月3日に楽勝する可能があります。
加えて、27日に公開されたNPR/PBS News/Marist による合同世論調査では、全米の有権者は民主党に投票する率が共和党に投票する率を上回りました。
| 民主党 | 共和党 | ||
| 全ての有権者 | 投票する | 52% | 44% |
| 予想される勝者 | 51% | 46% | |
| 民主党 | 投票する | 98% | |
| 予想される勝者 | 84% | 18% | |
| 共和党 | 投票する | 6% | 94% |
| 予想される勝者 | 15% | 84% | |
| 独立系 | 投票する | 52% | 39% |
| 予想される勝者 | 57% | 38% |
全米の投票意欲の高い有権者の間では、連邦議会選に出馬する民主党候補(52%)が共和党候補(44%)をリードしています。投票の意思がある無党派層の間では、民主党の連邦議会候補者(52%)が共和党候補者(39%)を10ポイント以上の差でリードしています。投票の可能性が高い有権者の過半数(51%)は、自身の選挙区から連邦議会選に出馬している民主党候補が勝利すると考えています。一方、共和党候補が当選すると答えたのは46%です。投票する意思がある有権者の77%は、11月に行われる選挙が、自身の居住する州や地方自治体によって公正かつ正確に実施されると確信(あるいは、かなり確信)しています。 全米の投票の意思がある有権者の81%は、開票の結果、支持する候補者が「敗北した」とされた場合、その候補者は(間違いなく、又はおそらく)選挙結果を受け入れるべきだと考えています。 今年の選挙で、最も重視されている点として「生活費」を挙げた有権者が最も多く34%の最多となりました。民主党支持者や無党派層を中心に、投票の意思がある有権者の59%は、人口知能開発企業が全米各地に建設しているデータ・センターは、国に対して「悪影響」を及ぼしていると信じています。「良い影響」を及ぼしていると答えたのは33%です。
最後に、米国上院議会の選挙では、アラスカとミシガンを除く他の5州(テキサス、カンザス、アイオワ、オハイオ、メイン)はどちらにも転ぶ州でありながら、これら7州はどちらの党が多数派になるかを決定する重要な州になっているという状況が見られます。2024年に、アラスカ、テキサス、カンザス、アイオワ、オハイオはトランプ氏が二桁の票率で勝利した州であり、それが2年後に逆転しているという状況に注目すべきです。加えて、全国の有権者と独立系の有権者が投票に参加する可能性はいずれも共和党より民主党の間で高いこと、および連邦議会候補者は、共和党候補者より民主党候補者が勝利すると答えた率が大幅に高いことから民主党が議会をコントロールする可能性があることを示唆しています。民主党と独立系の有権者の投票参加が過去の中間選挙の投票率を遥かに上回る状況になった場合、2027年1月3日から上院議会はほぼ確実に民主党が支配することになるでしょう。