
Photo Credit : The Virginia Independent News
民主党は議会選挙での圧勝により、議会両院の支配権を得ましたが、現在両院で少数派のリーダーが自動的に多数派リーダーに選出されるのではなく、完全に新たなリーダーを選択するべきとの声もあるようです。現時点で両院ではいずれも、党内から挑戦している候補者はいないようです。
まず、1999年から米国上院議員として、近年、多数派または少数派のリーダーを務めてきたチャック・シューマー氏(NY州)は、進歩派の若い世代にさほど人気がないと言われています。11月3日の中間選挙は、若い世代の投票参加が民主党の勝利に貢献したため、進歩派は、リーダーシップの世代交代を求めています。トランプ大統領の政策に対抗し、医療や生活費といった課題に取り組むために、上院および下院議会のトップ指導層は、党としてより攻撃的な姿勢が必要だと主張しています。一方、シューマー氏は超党派的なアプローチを好む傾向がありますが、共和党議員らは、民主党が多数派になると協力しない傾向が強いのです。その点では、現在のところ、トランプ大統領の方が協力する意思があることを示唆していますが、拒否権も行使すると述べています。従って、若い進歩派は行動力があり、強いリーダーを求めています。今回、非常に活力のある多くの進歩派の候補者が新たに上院議員として選出されました。アイオワ州からはジャシュ・テュレック氏、ミシガン州からはアブドゥル・エル=サイード氏、テキサス州からはジェイムス・タラリコ氏、カンザスからはアダム・ハミルトン氏を含む他の選出された個人は、超党派的で、議会では世代が変わった新議員となります。
有権者の期待に応える為には、生活費および医療価格を減少させる必要がありますが、悠長な姿勢では、目標を可能な限り達成することは困難であると思われます。民主党が多数派になると、共和党らは、民主党の政策には次から次に反対するだけでなく、法案制定に積極的に協力する可能性は低いため、トランプ氏と共和党議員を説得する能力に加えて、体力、頭脳、機敏性、更に進歩的な新人議員も含めて、広範に支持される戦略が必要だと思われます。党が抱える問題は単なる年齢の問題ではなく、後継者育成計画の欠如や、時代遅れの立法戦略にあると主張しています。とは言え、シューマー氏を支持する、一部の上院民主党議員の中には選挙で民主党が圧勝した一因は、彼のりーダーシップによると評価しています。しかし、現時点で、シューマー氏に代わる候補者の名前は挙がっていませんし、誰も立候補していません。
憲法上の日程では2027年1月3日(日曜日)から新議会が招集されます。米国下院議会では、選挙の夜、劇的な敗北に直面した下院議長マイク・ジョンソン氏(ルイジアナ州)は、少数派のリーダーとして、共和党指導部に留まる意思はない意向を示しました。つまり、下院少数党のリーダーとして留任する方針はなく、ジョンソン氏は一般議員として議席にとどまることを明らかにしました。下院議会では435人が2年に一回の再戦に直面しますが、彼は自身の選挙区で再選を果たし、8期目を迎えます。一方、下院議会で、来年1月の招集直前まで少数派のリーダーであるハーキム・ジェフリーズ氏(ニューヨーク州)は、シューマー氏と同様に、多数派リーダーとして奉仕することを望んでいるようです。ナンシー・ペロシ氏の後継者として、彼女に推薦されたジェフリーズ氏は4日、彼の同僚に宛てた声明文の中で、下院議長選に立候補することを明らかにしました。
同氏は書簡の中で、「大きな混乱と不確実性に直面する中、下院民主党は一歩も引かなかった。私たちは結束して最前線に立ち、トランプ政権の過激な姿勢に果敢に反撃し、圧倒的な力で形勢を逆転させました」と述べています。さらに、「新たな議会において、私たちは誰もが無理なく暮らせるアメリカの実現に向けて、力強く闘っていきます。生活費はあまりにも高騰しており、懸命に働く何百万人もの納税者が、この破綻した経済の中で苦境に立たされています。状況を好転させるための取り組みにおいて、多数派を占める私たちの一人ひとりが、重要な役割を担うことになります」と述べ、「以下の3つの主要分野において、断固とした行動をとれるようにすることです。(1) アフォーダビリティ(生活費負担の軽減)、(2) アカウンタビリティ(責任ある政治)、 (3) アメリカの価値観を守護」と書いています。ジェフリーズ氏はあらゆる困難にもかかわらず、下院民主党は少数党の立場でありながら一貫して成果を上げてきたと述べ、今後は多数党として、アメリカ国民が求めている劇的な変化を実現しなければならないとの強い決意を表明しています。1月新会議での議会投票で選出される必要があるものの、彼が承認された場合、米史上初の黒人下院議長となります。
要するに、民主党指導層には、高齢者が多すぎるため、2024年に敗北して以来、若い世代中心の草根の運動が台頭し、民主党がどのように先に進むかという観点から論議を開始したのです。新たに選出された強硬左派の議員らの中には、ジェフリーズ氏の議長就任を支持すると明言していない個人もいますが、同氏に対抗する意思のある候補者はまだ現れていません。また、民主党が確保した議席数を考慮すると、一部の反対派がリーダーの選択に影響を及ぼす可能性はほとんどないと言われています。ジェフリーズ氏は優れたスピーチ能力があり、強い意志と決断力のある指導者であると感じています。両党の民主党リーダーは、有権者の最大の要望に対して、不屈の精神で応える必要があります。トランプ氏は、共和党主導の法案さえ拒否権を行使した例があるため、最大の難関は、法案を制定するためには、まずトランプ氏を説得することだと思います。その後、下院議会で可決した後、上院議会ではほとんどの法案には60票が必要となるため、複数の共和党議員の投票が必要となります。民主党リーダー達に協力する場合、トランプ氏は弾劾される可能性が大幅に減少する可能性があります。トランプ氏が一見矛盾する協力と拒否権を同時に持ち出した理由は政治ゲームによるヒントだったのでしょうか?いずれにしても、議会支配権を獲得することは、もはや受け身の立場ではなく、責任が倍増するため、ある程度、強引さと叡智が求められるでしょう。民主党の強さは、共和党に見られた派閥がなく、常に団結してきたという点です。