下院議会は20日午前中230対189票で政府へ融資し、オバマケア(又はACA)の融資を停止するCR(継続決議案)の投票に楽勝した。政府閉鎖のキャンペーンを先導した上院共和党議員テッド.クルーズに対して、その後、二人の上院議会の共和党リーダーは完全に対抗する姿勢を明確にした。
クルーズは、 下院が通過したCRのオバマケア融資の停止部分を上院議会が削除するための協議と投票の動きがあった場合、フィリバスター(議事妨害)を行使するよう上院の共和党に団結を呼びかけていたが、昨日、上院少数派のリーダー、ミッチ.マコネール氏は、クルーズの提案に断固反対する姿勢を表明した。今日、別の上院共和党リーダー、ジョン.コーニン氏もマコネール氏に同意した。この意味は、クローチャー規定に左右されない場合、100人で構成される上院では、民主党51 の必要票でオバマケアの融資を含めて上院CRを通過させる事が可能になる。逆に、フィリバスターがあった場合、クローチャー規定により60票が必要であるため上院の民主党はクルーズが先導した戦略を否定し、政府の閉鎖を避け、 オバマケア融資に長期的影響のない継続決議案を通過させることは、 52票しかない上院ではかなり困難になる。
しかし、現状では両院が合意に達する可能性は極めて少ないため政府が停止した場合、その影響について、強制支出と任意支出に分類して考えることが可能である。最初の強制支出のカテゴリーに属する、メディケア、社会保障、退職年金は影響を受けない。オバマケアはこのカテゴリーに入るため、ACAの資金は議会の予算に依存しない。従って、政府閉鎖中もこの法の医療保険加入手続きは継続するため、 10 月 1日からオバマケア加入に署名することが可能であり、すでに、医療保険に加入している人も治療および処方薬を受けることが可能である。また、社会保障は影響を受けないため、退役軍人などの年金は停止されない。政府が閉鎖すると言っても全ての政府機能が麻痺することはなく、特に国土安全保障に関する部門の活動は継続する。また、政府とは孤立した郵便局や公立学校なども閉鎖することはない。
一方、政府が閉鎖した場合に影響を受けるカテゴリーは任意支出である。これには軍事費、一部の政府職員の給与、一部の社会福祉、例えば住宅助成金などが含まれる。これは約3,000万所帯の低所得者の賃貸料支払いを援助する借家助成金プログラムである。従って、この恩恵を受けている低所得者は影響を受ける可能性があるが、政府の閉鎖期間がわずか1週間程度であれば、さほど問題はないかもしれない。政府機関で閉鎖される部門は、国立医療機関および研究所などであり、国立博物館、美術館、公園は営業を停止する。更に、アルコール.タバコ.火器および爆発物取締局などの法務執行機関、環境保護省、パスポートおよびビザの発行部門は閉鎖される。
いずれにしても政府閉鎖は米国の経済を再度不況に陥れる危険性があるため、議会が政府の閉鎖を避けるための努力として考えられるシナリオは幾つかある。 ひとつは上院が下院で可決したCRの一部を修正し可決した後、下院に返送して再度投票させることである。下院議長のジョン.ベイナー氏は、オバマケア融資を認める代わりに、他の社会福祉プログラムの削減を条件として上院CRの投票を促す可能性がある。政府の閉鎖を避ける唯一の方法は、テッド.クルーズとそのグループがオバマケアは最高裁が合憲であると判定し、強制支出のカテゴリーであると悟り、下院のCRを放棄することである。なぜなら、下院共和党は過去に40回以上撤廃に投票しているが成功していないため、来年1月から完全に効力を発揮する前にオバマケア融資の停止をアピールしているだけの政治的ゲームであるからだ。マコネール.コーニン両氏のようなベテランの共和党議員が同調しない理由はそれを理解しているからである。