複数の専門家の分析によると、11月の総選挙で民主党が上院議会の多数派を取り戻すチャンスは過半数以上あり、少なくとも議席の半分を取り戻す可能性が高い。また下院議会の競争において、残された70日間でドナルド.トランプに対する評価が変わるかどうかによっても異なるが、トランプは共和党路線を崩壊し党の名誉を傷つけている為、多数の議席を取り戻す動機を下院民主党に与えている。
11月の総選挙で最も重要な注目ポイントは議会選挙である。早くから予測されている通り、上院民主党は11月の総選挙で多数派を取り戻すチャンスが良好であり、多数派共和党の54 議席及び少数派民主党46議席の合計100議席中50%を取り戻す可能性がある。29日のニューヨーク.タイムスの予測によると、上院で勝利するチャンスは民主党が56%、共和党は44%である。民主党はカリフォルニア、バーモント、ニューヨーク、ハワイ、コネチカット、メーリランド、コロラド、オレゴン、ワシントン、ウィスコンシンの10州で再選に直面するが、当選確率はウィスコンシンの89%を除き、他9州は全て99%の確率である。
一方、共和党はアリゾナ(90%)、ルイジアナ(91%)、ジョージア(94%)、ケンタッキー(94%)、アイオワ(96%)、アーカンソー(99%)、カンザス(99%)、サウス.キャロライナ(99%)、アイダホ(99%)、アラスカ(99%)、アラバマ(99%)、サウス.ダコタ(99%)、オクラホマ(99%)、ノース.ダコタ(99%)、ユタ(99%)の15州で当選確実である。しかし、再選に直面する共和党の24州中他9州はどちらにでも転ぶ州であり、両党で争う接戦または競合州になる。下記表は上院議席を競う最も接戦になる可能性がある州であり、その中でも最も微妙な州はニューハンプシャー、インディアナ、ペンシルベニア、ネバダである。
| 競合州 | 民主党の当選確率 | 共和党の当選確率 |
| イリノイ | 80 | 20 |
| ニューハンプシャー | 63 | 37 |
| インディアナ | 61 | 39 |
| ペンシルベニア | 53 | 47 |
| ネバダ | 39 | 61 |
| ノース.キャロライナ | 22 | 78 |
| フロリダ | 19 | 81 |
| ミズリー | 18 | 82 |
| オハイオ | 16 | 84 |
これらの予測は、州の158の世論調査に加えて、候補者の政治的経験、資金調達、州の過去の選挙結果及び、全国の世論調査に基づいている。従って、民主党は共和党より上院で少なくとも4から5議席を取り戻すチャンスは十分ある。
一方、下院議会民主党が多数派を取り戻すためには30議席を必要とする。30議席を追加する可能性は低いが、少なくともトランプが共和党にダメージを与えているため、トランプの惨敗に並行して、共倒れする現役議員もいると予測されている。現在下院議会は共和党247、民主党188の合計435議席で構成されている。いずれかの党が多数派になるためには218議席が必要であることは既に知られているが、現状で民主党が多数派を取り戻すためには30議席必要である。全30議席を追加することは無理であったとしても、今回民主党は跳ね返りがあると予測されている。その理由の一つは、トランプが女性、高度教育者、少数派を含む多種層に不人気であるため、下院共和党の現役が議席を失うと予測されている。
28日のニューヨーク.タイムスによると、トランプの支持が弱体化しているため、通常なら共和党が簡単に勝つ地区であるカンザスシティ、サンディエゴ、フロリダ州オーランド、ミネアポリスの郊外地区で民主党が勝利する希望を持っている。さらに「トランプは大学教育を受けた有権者に嫌われている」ため2012年に「ミット.ロムニーが楽勝した幾つかの地区では二桁台で失う」可能があると予測されている。つまり、2012年の大統領選で競合的ではなかった共和党の議席は、大統領指名候補者の「特質のため」危機に晒されている。そのような状況に希望を見出した民主党議員らは、非公式の会合で議席競争の戦いを拡大する計画を練っている。
また、寄付者は2012年に勝利が予測されたロムニーが惨敗した経験もあるため、真剣に状況を見る傾向があり、寄付者は現在動機が高まっている。手元にある現金はまだ共和党が民主党より多いものの、下院民主党は$1,200万を集め、共和党は$460万を受けただけである。通常なら圧倒的に多数派党が有力であるが、今年はトランプのため事情が異なっている。複数の民主党戦略家はトランプの運によって事情は異なるが、カンザスシティ、オーランド、サンディエゴを含む約12の共和党の地区は競合地区になる可能性があると見ている。また、インディアナやミネソタなど穏健地区から保守派地区に至るまで、辞職または他の椅子に候補する共和党議員の空席を競う地区で民主党はチャンスを見ている。共和党議員はトランプが「党のブランドを汚していることを恐れている」一方で、民主党は「トランプ氏のため多数派を目指す勝利は実現可能」であり「ドナルドのお陰で、それが起きている本当のチャンスがある」と見ている。
クリントンの勝利は下記に示す通り、今日も盤石であり、今後70日間で両候補者の立場が逆転または接近する可能性はないと予測されている。
| 候補者 | 当選確率 | 選挙人数 | 人気投票率 |
| クリントン | 78.5% | 334.2 | 48.5% |
| トランプ | 21.4% | 203.3 | 42.4% |
おそらく最大の共和党の幸運は上院で50議席を保持し、下院で218議席以上を失う結果にならないことである。いずれにしても最大30の下院共和党議席は空席になるため民主党にチャンスを与えている。従って、共和党はトランプの落選に加えて上院で多数派を失い、下院議会では多数の議席を失うリスクがあることが議会選挙のシナリオである。