三日目の上院裁判では、民主党の冒頭論議は2日目に入り、7人の裁判管理者又は検察官は、23日「職権の濫用」について、憲法の側面から、トランプ大統領を事務所からなぜ追放する必要があるかを力説した。下院情報委員会の委員長アダム.シフは22日の弁論でトランプ大統領の主張が証拠と顕著な違いがあることを鋭く突いたと指摘されている。ピュー.リサーチが22日に公表した規模の大い世論調査では、大多数の国民はトランプ大統領が違反を犯したと信じているものの、トランプを事務所から解任するべきであると答えた回答者は、ロイターの調査と同じく、わずかながら過半数を超えた。
議会が認可したウクライナに対する約4億ドルの安全保障軍事援助金をトランプ大統領が保留していた理由について、トランプのトーキング.ポイント(TP)はウクライナが腐敗している為、又、ヨーロッパは援助していないので、ヨーロッパの同盟国がもっと増やすべきであるとの懸念があった為であると主張していた。この主張は、ウクライナの大統領ヴォロディミール.ゼレンスキーに彼の政治的ライバルに対する調査を求めた電話での会話が暴露された後である。22日、アダム.シフは、ウクライナへの軍事援助を凍結するための「変化する説明の品揃え」によるトランプの主張を破ったとビジネス.インサイダー(B.I)が指摘した。トランプは「ウクライナの腐敗に関する懸念がある為、援助を差し控えた」と述べた。又、他の「ヨーロッパ諸国との負担分担について懸念している」と述べ、「ウクライナにもっと資金を提供するよう呼びかけた」というのがトランプと公聴会で彼を擁護した下院共和党議員らのTPであった。しかし、シフは、多数の証拠を提起し、完全にこれらの主張が虚偽であることを説明した。シフは「大統領が腐敗と闘っていたなら、もし、ヨーロッパ人にもっとお金を払ってほしかったなら、なぜ彼は私たちからそれを隠すのでしょうか?なぜ、彼はそれをウクライナ人から隠すのですか?なぜ、彼は他の世界からそれを隠すのですか?」と聞いた。又、「ヨーロッパがもっとお金を払うことを望むなら、なぜ彼はヨーロッパにもっと支払うよう依頼することをソンドランドに命令しないのですか? 彼はなぜ米国議会に「私はこの援助金を保持しています。私は腐敗を心配しているので、私はそれを保留していると誇りに語らないのですか?」との疑問を提起した。
実際には「トランプ自身の当局者は、議会が援助を承認する前に、ウクライナが腐敗防止の努力と改革のすべての条件を満たしていることを確認した」という事実があった。国務省、ペンタゴン、その他の執行機関、および情報機関は「会計年度末まで保留が続くと、機関がそのお金を使う能力を失う脅威があった為、当局者はこれを繰り返し明らかにした」と、シフは上院の前で語った。例えば、5月にジョン.ルード国防次官は4つの議会委員会に手紙を送り、議員に「ウクライナ政府は腐敗を減らすために防衛機関の改革を行うための実質的な行動を取ったことを証明した」という。又、この認証は法律で義務付けられている。トランプは9月にウクライナへの援助に貢献している外国について尋ねた。それは大統領が最初に米国の安全保障援助金を凍結した約2ヶ月後である。シフは、この頃「国民、議会、内部告発者は大統領の計画に気づいていることを明らかにした」と述べた。さらに、欧州諸国は米国よりも遥かに多くの経済的援助をしており、ウクライナに貢献している。B.Iによると、英国に拠点を置くシンクタンクのチャタムハウスの2018年の報告書は、欧州連合が「ウクライナで最大の寄付者」であることを明白にした。経済協力開発機構によると、2014年から2017年にかけて、欧州諸国は18億ドルの開発援助をウクライナに提供したが、米国の貢献は9億2,600万ドルであった。トランプが援助金を保留した数ヶ月後の9月11日に、そのお金はウクライナに提供された。それは、トランプと彼の個人弁護士であるルディ.ジュリアニが政敵の「泥を掘ることによって2020年の再選キャンペーンを促進するための調査を開始するようウクライナに圧力をかける取り組みに従事した疑惑の調査を3つの下院委員会が開始したわずか2日後」である。
23日東部時間午後1時から開始された上院裁判は、2回目のマラソン冒頭論議に従事した下院民主党が中心となった。最初、下院司法委員会の委員長ジェリ.ナドラーが約一時間のスピーチを行う前に、検察官をリードするアダム.シフは、同じ資料が数回利用されているとの共和党の苦情に対応した。シフは「一つの事実が他の多くの事実と織り交ざっている」からであると説明し、これらの事実とビデオの幾つかは、新しい文脈、新しい観点、判明している事、それが罪悪感と有罪判決の発見を強調する理由に照らさせている」と説明した。ナドラーはトランプ大統領が、ウクライナの大統領に対して圧力をかけた行為がなぜ大統領の力を濫用したことをなるのかを説明した。彼は両党の憲法学者の証言ビデオを紹介し、建国の父が懸念した職権の濫用とは何であったのかを多数の資料を利用し説明した。又、ビル.クリントンが弾劾裁判に直面した時、現在上院司法委員会の共和党委員長であるリンジィ.グレイアム、現在司法省の共和党長官ウィリアム.バァー、O.Jシンプソンなどを弁護した刑事弁護士であるアラン.デルショウィッツの発言を紹介した。ホワイトハウスが追加した弁護士の一人であると言われているデルショウィッツは、1998年クリントン弾劾の時、「弾劾するには犯罪である必要はない」と述べていたが、現在、犯罪である必要があると、主張を変えたとして比較されている。民主党検察官が提示した証拠は、憲法専門家がその必要はないと主張している為、デルショウィッツの過去の主張の方が正しく、職権の濫用は犯罪ではなくとも弾劾可能であることを示唆している。
民主党7人の検察官らは、トランプが新ロシア派の軍隊と戦っているウクライナに対して、安全保障軍事援助を保留するトランプの決定、彼の個人弁護士であるルディ.ジュリアニを使って、2016年の大統領選はロシアではなく、ウクライナであるとの陰謀説を拡大し、ウクライナにあるガス会社の役員を務めたジョー.バイデンの子息ハンターバイデンを調査することを命じ、その調査の妨害になるウクライナへの米国大使マリー.ヨバノヴィッチを解雇したトランプの行為は、2020年の再選を有利にする為の個人的な政治的動機に基づいており、ウクライナの腐敗が要因ではないとの主張の正当性を証明することに様々な角度から論議した。
22日に公開されたピュー.リサーチの世論調査によると、米国成人の半数を超える51%は、上院裁判の結果がトランプの離職に繋がるべきであると言い、46%はトランプが事務所に残る事につながると述べた。共和党と共和党寄りの無所属の有権者の86%はトランプは政権に残るべきだと述べ、民主党と民主党寄りの有権者の85%はトランプを除去すべきだと考えている。上院裁判の結果に対する国民の選好は二極化しているが、63%のアメリカ人のうち38%はトランプが彼の在職中または彼が立候補中に「間違いなく違法なことを行った」と信じており、25%は「恐らく違反を犯した」と信じていると答えた。多数派70%のうち45%は「間違いなく彼が非倫理的なことをした」と言い、26%は「恐らく非倫理的なことをした」と述べた。この調査は1月6日から19日までに12,638人の米国成人を対象にしたものである。これは一般的な世論調査の約十倍の規模である。トランプを事務所から除去することを希望する国民の率はロイターと同様であり、いずれも過半数を超えた。
23日に民主党検察官らは、昨日と同様、休憩を除き一日8時間前後のマラソン.スピーチを行なったようである。24日は、民主党論議の最終日であり、25日の土曜日にトランプの弁護士チームが、反論を行う予定になっているが、トランプの弁護士らが実際にどの程度の時間を必要とするのか不明である。論議に費やす時間は平等に割り当てられている事から察すると、日曜日は休止になるため、弁護士らの最後のスケジュールは28日である。その後、トランプの弁護士らは、下院議会の弾劾二つの記事を排除することを主張する可能性がある。又、上院議員らは、文書で質問を提起することが許可されており、16時間を与えられている。弁護士の論議が終了する28日以降の裁判中に最高裁主席判事ロバーツが果たす役割については不明である。又、上院議員の誰かが、国務省、国防省、予算局などからの書類又は証人を求め、その要求に対する投票が実際に行われるかどうかも不明である。