長年の友人であるロジャー.ストーンの刑務を無効にしたトランプ大統領は2020年の選挙でも彼を必要としていると言われている。ストーンは、2017年の就任後まもなく、メディア関係者にさえトランプに忠実であるよう要請した人物である。トランプは、如何なる犯罪者でもその個人が完全に忠誠を尽くす人物であるなら、恥じることなく、大統領の特権を利用して、恩赦を与えるという、歴史上最悪の腐敗を露出した。ストーンはその行動をトランプに要求する資格があることを十分に承知していたと見られている。
三人の記者の共作による記事を掲載した12日のニューヨーク.タイムスよると、40ヶ月の服役から逃れることをトランプに説得したのはストーン本人である。トランプは、再選に勝利する為、彼の同盟者の中で、大統領選に最も「経験豊か」な政治工作員のストーンを必要としている。なぜなら、 (1)ストーンは1980年代半ば以降、トランプが40年間信頼してきた個人的な政治アドバイザーである。彼は「ストーンの規定」と呼ぶ戦略に従って、2016年のキャンペーンでのアプローチを形成した。それは「何も認めず、すべてを否定し、反撃を開始する」ことである。(2) 11月3日の選挙日までわずか4か月足らずである今日、ほぼ全ての世論調査はトランプの「地滑りの敗北」の可能性を示している。予測通り、トランプが「敗北した場合、彼は世界的な屈辱」に直面する。(3) 2016年の選挙前にトランプがセクハラを自慢したハリウッド.テープが公開された時期に、ヒラリー.クリントンとトランプとの大統領選の第二回討論会で、ビル.クリントンのセクハラを訴えた女性らを招待し、彼女らを正面に着席させるという驚異の反撃を演出した。汚いトリックを利用することで知られているが、「有害な法的闘争を経験」しているストーンの「汚い手品の彼の武器がもう機能するかどうかは明らかではない」という。2016年には、この汚い戦略は成功したかもしれないが、今年、どのような手段であろうと、政敵を陥れる同様の作戦が成功するか不明であるという。現在、コロナウイルスの蔓延は、集会を必要とする選挙キャンペーンにも影響を与えている。又、ストーンはソーシャル.メディアを通して、「人々を操作する専門家」であるが、「事実上すべての主要なプラット.フォームからアクセスを禁止され、Facebookは彼の偽造アカウントの秘密のネットワークを公開して削除した。 ストーンは「支持基盤を取りまとめる達人」であるが、穏健派に手を差し伸べることができないトランプは主な問題を抱えている。
しかし、穏健派に支持されていたトランプ政権下で司法長官に就任したジェフ.セッションズは、2016年の選挙キャンペーンからトランプを支援し、トランプの擁護者であった。しかし、トランプ.キャンペーンと2016年の大統領選に干渉したロシアとの共謀性について、2017年5月から2019年5月まで、米国司法省下でロバート.ミュラーは特別捜査官として、ロシア関連調査を実施した。その前に、セッションズは彼がキャンペーンに参加し、ロシアの外交官とも会ったという理由で、自らその捜査を辞退した。独断であったことを示唆した彼の行動は明らかに、就任数ヶ月が経過したばかりのトランプの失望と怒りを煽った。その後、トランプはフォックス.ニュースで、セッションズが捜査から辞退することを知っていた場合、彼を司法長官に指名する必要はなかったと苦情を漏らした。トランプは頻繁にセッションズを酷く罵り、両氏の間には取り消すことが不可能な溝が生じたと報告された。セッションズは2017年2月の就任から2018年11月7日までの期間に、数回辞職を申し出たが、トランプは明白な態度を示さなかった為、司法長官として留まる結果になった。セッションズは、政策の側面、特に不法移民に厳しい政策を掲げるトランプに同意していた。しかし、就任から一年半年以上が経過した頃、トランプは、ロシア調査を批判した現在の司法長官ウイリアム.バァー(2019年2月就任)の存在を知った後、突然、ロシア調査から身を引いたセッションズを冷淡に追放した。
セッションズの経験と対照的に異なっているのは、キャンペーンの戦略家として重要な役割を果たしたロジャー.ストーンである。2016年にロシアの工作員が民主党全国委員会の電子メールを盗み、ウキリークスによって公開されるまでの過程において、トランプ.キャンペーンを援助したロジャー.ストーンはウキリークスの創始者ジュリアン.アサンジに会ったとの疑惑がもたれた。ストーンはミュラーの捜査下で、証言者の改ざんや議会及び捜査官への虚偽を含めて7つの罪状で告訴され、判決が言い渡され、服役開始の数日前に刑務を無効にしたトランプ大統領の援助によって自由の身になった。ストーンはトランプの個人弁護士であったマイケル.コーエンを含む他のトランプの側近で逮捕された複数のメンバーとは異なり、捜査官に協力することはなく、最初から最後まで、トランプの情報を提供することはなく沈黙を守り続けた。トランプは特別な関係があるストーンに恩赦を与えるか又は減刑すると予測されていた通り、選挙数ヶ月前の重要な時期に、忠誠心のあるストーンを減刑した。
ホワイトハウスの職員の中で、辞職後、密かにホワイトハウスに戻った人物がいる。彼女もトランプに非常に忠誠心のある人物である。2017年9月から2018年3月までホワイトハウスの通信ディレクターであったホープ.ヒックスは2019年6月、下院司法委員会での弾劾調査の証人として、ドアの裏での証言を行なった。彼女は当時、既に民間人の立場でありながら、議会に現れた時、記者の質問に一言も応じず、委員会のパネルメンバーの質問にもほとんど答えなかったと報告された。彼女は密かにホワイトハウスに戻り、2020年3月からトランプ大統領の顧問として、再度雇用された。ホワイトハウスを去った人々が再度戻る例はほとんどないが、彼女は明白なロイヤリストである
トランプは彼に忠実ではないと感じた人物なら、たとえ多額の寄付を受けていたとしても、解雇する。トランプ政権下で2018年7月から2020年2月まで欧州連合の米国大使であったゴードン.サンドランドは、2017年1月のトランプの就任委員会に100万ドルを寄付したことで知られている。2016年1月から空席になっていた欧州連合への米国大使のポジションは、政治的経験のない、多数のホテルを所有又は経営するビジネスマンに与えられた。彼は友好的でオープンな性格の人物であるような印象を与えていた。彼は2019年9月から開催されたウクライナ.スキャンダルに関する非公開及び公開聴聞会で、幾つかの証言をする機会があった時から広範に知られるようになった。最初の非公開の証言では、トランプを擁護する立場を維持していたことが公開文書によって判明している。11月20日の下院情報委員会の公聴会で、サンドランドはウクライナへの安全保障の為の軍事資金を保留した基本的なトランプの理由がQuid Pro Quo(好意には好意を)であったかどうかに関して、一貫性がない混沌たる証言をした。ソンドランドは最終的にはトランプがウクライナの大統領ヴォロディミール.ゼレンスキーとの電話でQuid Pro Quoを要求したと認めた為、結局、忠誠心に欠けた彼は今年2月に解雇される結果となった。
ポリティコ誌の記者マイケル.クルーゼは、2018年3月/4月号に掲載された記事で、トランプの忠誠心について、次のように述べている。トランプの就任1週間後にホワイトハウスのグリーン.ルームで夕食会が行われた時、トランプはFBIに「忠誠が必要です。忠誠を期待しています」と語った。又、トランプを良く知っている人々は、トランプの「忠誠の定義は率直」であると述べた。長年の政治顧問であるストーンは、クルーゼに「ドナルド.トランプの発言や行動を支持してください」と言った。元トランプ組織の幹部バーバラ.レズは「何があっても」トランプには忠実でなくてはならないと言った。伝記作家のティム.オブライヤンはトランプは「それを忠誠と定義していると思います。そして、それは旗への忠誠や国への忠誠ではなく、トランプへの忠誠です」と言った。クルーゼは「アメリカ合衆国の241年の歴史の中で、忠誠について考え、それを使用し、トランプのようにそれを強制しようとした司令官はかつて存在しませんでした」と指摘した。現在、ほぼすべての批評家が同様の感想を表現している。恐らく、トランプほど、政府と企業のリーダー又は日本の武士道の歴史に見られるような忠誠を混同している大統領は前例がない。
ロジャー.ストーンに対するトランプの司法介入は、完全に忠誠心のある人物の要求に対する返答であり、11月の再選に彼を必要としていることも隠れた動機であるようだ。トランプが維持している一貫性は、特に犯罪調査に関して、彼の為に無言を続ける人物を忠誠者とみなしていることである。トランプは、民主党が支配する下院議会は彼を嫌っていると公的に発言したことがある。それが全てのホワイトハウスの側近の証言を阻止する結果になっていることを明白にしている。トランプにとって、最も大切なことは、彼の政権内の人物が彼の意思通りに行動し発言する人物である必要があり、その条件に欠ける人物には耐えられない為、直接的な解雇又は辞職に追い込むというパターンを繰り返している。深く歪んだエゴに隠れた忠誠への執着は、それが拒否された場合、人々を疎外する選択のみが残されているという並外れた大統領の姿がそこにある。その異様な忠誠への執着が彼の大統領職を破壊していることに彼が気づいていないことがもっと深刻である。