政治家は憲法修正第2条について再度論議するべき

ウォーレン・バーガー判事 By The Jack Robinson Archive

テキサス州ユヴァルデのロブ小学校で24日に銃乱射事件が発生し、19人の子供と2人の教師が殺害された。事件の翌日、ジョー・バイデン大統領は「常識的な銃の改革」を呼びかけ、現在も非常に論争的である米国憲法修正第2条の「武器を保持し、武装権」を主張する人々の権利に関する文言の解釈は「絶対的ではない」と述べた。バイデンは、議員らが憲法修正第2条について再度論議する必要があることを示唆した。今から30年以上前、米国最高裁の保守派首席判事ウォーレン・バーガーは、憲法修正第2条の現在の解釈が間違っていることを最初に指摘した裁判官である。

テキサス州ユヴァルデの小学校での銃乱射事件は、ひとつの教室のみで行われた為、一般公開された死亡者の身元確認によると、子供達はほとんど10歳である。襲撃者は18歳であり、ロブ小学校で子供達を殺害する前にフェイスブックに祖母を撃つ計画であるというメッセージを投稿していた。また銃撃者は、祖母を撃ち、学校の子供達を「撃ち殺そう」としていることを友人にテキスト・メッセージで伝えた。当時、地元警察の対応が遅かったため、苛立っていた両親は、警察が来る前に教室に入ろうとしたと今日報告されている。警察が犯人に対応するまで、約1時間、別の情報では40分かかったという。犯人のサルバドール・ラモスは国境パトロールの係官に射殺されたため、動機は不明であるが、彼は最近怒り、孤立していたとされ、ロブ小学校に向かう前の約30分前に3つのフェイスブックの投稿を書いた。

子供達がターゲットにされた銃撃事件は、ユヴァルデのロブ小学校が二番目である。最初の事件は2012年12月14日、コネチカット州ニュータウンのサンディフック小学校で6歳から17歳までの20人の子供および教師を含む6人の成人職員の合計26人が死亡した。今年でちょうど10年を迎える。子供に対する銃殺はあまりにもショックが大きく、バイデンだけでなく、幾人かの議員らが反応した。サンディフック小学校での事件以来、銃の暴力に対する銃規制を呼びかけるチャンピオンとなったコネチカット州の米国上院議員クリス・マーフィーは「我々は何をしているのですか?」とのテーマで、連続的に発生している銃撃事件に対して、常識的なバックグランドチェックの制定さえ行っていない現状に苛立ちを表明した。民主党が主導する下院議会では、バイデン大統領が就任した後に通過した銃規制の法案は、上院の共和党議員らによって握り潰された事実もある。

米国では、ランセンスのない人々が銃器を販売するケースも多数ある。精神的に異常のある人物がオンラインで銃を簡単に購入可能である。普通に見える個人が軍隊で利用されるアサルト銃を合法的に購入可能である。民主党議員らが、ライセンスを保持する販売者のみが銃を販売できるようにすること、銃を購入する全ての人々は身元確認が必要であることを規定する法案を紹介すると、共和党議員らは、憲法修正第2条は武器を使用する権利を個人に与えていると反論し、如何なる銃規制にも反対すると述べている。多くの共和党議員らは全米ライフル協会(NRA)から多額の選挙資金の提供を受けていることも銃規制に反対する隠れた理由の一つである。ユヴァルデの小学校の事件前に、ドナルド・トランプ、テキサス州の米国上院議員の二番目のリーダーであるジョン・コーニンおよびテッド・クルースは27日に開催されるNRAの年次大会に参加する予定であると報告された。しかし、事件後に他のスケジュールと重なったとの理由でキャンセルしたのはコーニンだけである。そのファロー・ザ・マネー(お金の流れを追え)に関連する事実には目をつぶり、憲法修正第2条だけに焦点をあてた場合、なぜバイデンは、武器を保持する人々の権利に関する文言の解釈が「絶対的ではない」と述べたのか?

法専門家は、憲法修正第2条の解釈は、保守派が多数派になって以来、最高裁の解釈が変化したことについて指摘している。この第2条の有名な一節は “A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.” (自由国家の安全のために必要な、十分に規制された民兵、武器を保持し、武装する人々の権利は侵害されてはならない)である。この最初のA well regulated Militia(十分に規制された民兵)は、いわゆる州兵や国の兵隊を意味しており、米国の安全を保持するために武器を保持することの重要性が強調されているが、それはほとんど無視され、the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed(武器を保持し、武装する人々の権利は、侵害されてはならない)のみが強調されるようになっている。

無党派の法と政策研究所のブレナン・センターによると、1990年に米国最高裁保守派の首席判事であったウォーレン・バーガー判事が、PBSに対して、憲法修正第2条が自由な個人に銃の権利を与えるという考えを「アメリカ国民に対する詐欺」であると言った時、リチャード・ニクソンによって任命された保守派の裁判官による政治的な立場について言及した。それから25年後、銃器に対する個人の権利は広範に主張されるようになっただけでなく、益々多くの州は、路上、公園、バー、教会を含む公的場所で、銃の持ち運びを合法化する法律を可決している。しかし、米国最高裁は、「コロンビア特別区対ヘラー」の判例で、家庭での銃の保持を事実上禁止している法律を無効にした2008年まで、米国憲法修正第2条が個人の銃所有の権利を保証すると判定していなかった。つまり、2008年6月26日、米国最高裁判所は5対4の判決で、多数派の意見書を代表した保守判事アントニン・スカリアが、憲法修正第2条は家を保護するために「一般的に使用される」武器を所有する権利を保証するとの意見を書き、それを彼の司法哲学の「立証」と呼んだ。コロンビア特別区対ヘラーの判例で「過半数5人の最高裁判事は全て、彼ら自体がNRAのメンバーである大統領によって指名された」記録がある。

また、法律および憲法学者のサイトによると、憲法修正第2条は、他の9つの修正案とともに1789年に可決されたものであり、「憲法修正第2条の中で最も熱く議論されている部分のひとつ」は「武器を保持し、武装の権利」についてであり、「解釈の余地を残した一文」であると説明している。最も頻繁に聞かれる質問は「修正第2条の本来の意図は何であったか?」であるとし、 多くの歴史家は、憲法修正第2条を可決した主な理由が、米国は専門の常備軍を持つ必要性を防ぐことであったことに同意しており、それが可決された時点では、個人が自衛のために武器を保持する権利を与えることを意図していない」と説明している。また、「right to bear arms(武装権)とはどういう意味ですか?」 との質問に対して、「武装権とは、一般的に武器を所持する人の権利を指します。何年にもわたって、最高裁は憲法の武装権を個人の自衛権と解釈しており、議会が銃を規制することを非常に困難にしている」と説明している。

要するに、憲法修正第2条は、近年まで最高裁でさえ、建国の父が書いた憲法の意味不明な箇所を明白にしておらず、”A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State”(自由国家の安全のために必要な、十分に規制された民兵)の最初の文言は無視されるようになり、”the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.”(武器を保持し、武装する人々の権利は侵害されてはならない)の後半部のみが強調されるようになり、銃を保持する権利は個人に変わったというわけである。コロンビア特別区対ヘラーの判例で、そのような銃保持の権利が個人にあると強調した5人の最高裁判事は、アントニン・スカリア(ロナルド・レーガンに指名)、アンソニー・ケネディ(ロナルド・レーガンに指名)、クラレンス・トーマス(ジョージH・W・ブッシュに指名)、サミエル・アリート(ジョージW・ブッシュに指名)、ジョン・ロバーツ(ジョージW・ブッシュに指名)である。この5人の判事を指名した3人の大統領はNRAのメンバーである。近年、憲法は法律の線から純粋に解釈されるのではなく、最高裁も政治的な団体になっていることは常日頃感じている。保守派の最高裁首席判事ウォーレン・バーガーは1990年に、米国憲法修正第2条の特別利益団体である銃のロビー活動家の解釈を「詐欺の最大部分の1つである」とし、「憲法修正第2条の真の目的は国軍、つまり民兵が国防のために維持されることを保証することでした。憲法修正第2条の文言は、すべての市民が望むあらゆる種類の武器に対する自由な権利を保証することを意図したものであるという主張に反論します」と述べている。専門家は、憲法修正第2条はNRAのメンバーである共和党大統領、彼らに指名された判事、政治家へのロビー活動が抑圧的なNRAによって建国の父による「本来の意図」が変えられたと述べている。バイデン大統領は武装権の解釈が「絶対的ではない」と言った時、立法者は、本来の意味を再度考え、悪い人々や精神的に問題のある人々が簡単に銃を入手できないようにするため、常識的な規定を定めることで、頻繁すぎる銃撃事件で子供達も殺害されている異常なアメリカの銃社会を変えなくてはならないことを呼びかけたと思われる。

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