ロー対ウェイドを覆した最高裁の判定は何を意味?

米国最高裁判所は金曜日(24日)、制限的なミシシッピー州の法律に対する6対3の投票で、保守派判事全員が同州の法律を保持した。しかし、保守派5人の判事は、追加の措置を講じ、中絶の権利が保持されていた判例であるRoe and Planned Parenthood v. Casey(ロー&プランズ・ペーレンフッズ対ケーシー)の判例を覆した。これは、1973年のRoe v Wade(ロー対ウェイド)判決で確立された中絶の基本的権利を覆したことを意味する。今日の最高裁の判定は、幾つかの結果が伴うことを意味する。

最高裁が24日に決定した判例はサミエル・アリートの意見書がメディアに漏れたことを最高裁が5月3日に認めたDobbs v. Jackson Women’s Health (ドブス対ジャクソン女性健康機関)の判例に関している。意見書が漏れた時点で、最高裁保守派は首席判事のジョン・ロバーツを除いて、他5人の保守派判事はロー対ウェイドを転覆する意図があると言われていた為、爆発的な反響があった。最高裁はその時からある程度の準備をしていたと思われる。また、既に最高裁の方向性は予期されていたため、高いフェインスが張られた最高裁の建物の外側では、24日の今日、中絶反対の活動家と、中絶は女性の健康上に関連する個人の権利であるとしてRoe v Wadeを維持するグループの抗議者らで溢れているが、喧騒的な雰囲気はないようである。

米国最高裁判所は2021年12月1日、ミシシッピー州の15週間の中絶禁止の合憲性に関する訴訟の判例であるDobbs v. Jackson Women’s Healthでの口頭弁論を審理した。この時点で、ミシシッピー州はさらに進んで、憲法上の中絶の権利を確認した1973年の判決であり、一般的に妊娠24週から26週であるRoe v Wadeを完全に覆すよう裁判所に求めていた。同州は2021年7月22日にこの訴訟を最高裁に提出し、Roe and Planned Parenthood v. Casey(ロー&プランズ・ペーレンフッズ対ケーシー)の判例を覆すよう要請していた。つまり、ミシシッピー州は、15週間の中絶禁止がRoe v Wadeに矛盾することを知っていたため、Roe v Casey(ロー対ケーシー)の決定を覆すことで、Roe v Wadeを抹殺する計画を推進した。今日の判定は、最高裁の保守派判事が妊娠15週間後の州の違憲な中絶禁止を支持し、ロー対ウェイド判決を無効にしたことを意味する驚くべき進展である。

ミシシッピーの法律(Dobbs v. Jackson Women’s Health)に対して、多数派の意見を書いた判事はサミエル・アリートであり、クラレンス・トーマス、ニール・ゴーサッチ、ブラット・カヴァナフ、エイミー・コニー・バレット、ジョン・ロバーツが参加することで6対3票で同州の法律は維持された。ロー&プランズ・ペーレンフッズ対ケーシーの判例に対する投票は5対4票であり、首席判事ジョン・ロバーツはミシシッピー州の法律を保持することに同意したが、リベラル派の3人の判事と同様にRoe v Wadeを覆すことに同意しなかった。サミエル・アリート判事の意見の結論は「中絶は重大な道徳的問題を提示します。憲法は、各州の市民が中絶を規制または禁止することを禁止していません。RoeとCaseyはその権限を傲慢にしました。私たちは今、それらの決定を却下し、その権限を人々とその選出された代表者に返します。」ということである。

バイデン大統領は、東部時間の正午12:38分からのホワイトハウスでの声明で、最高裁の判定は女性の健康と生命を維持するための州の法律を犯罪化することを支持したと述べた。また、バイデンは、今日の最高裁の判定には結果が伴うとし、大統領令は適切ではないため、議会が約50年間、米国の基本であったRoe v Wade(ロー対ウェイド)が連邦法であることを支持するため、法案を通過するよう求め、これは11月の投票用紙に載る課題になったと述べた。バイデンは、最高裁の判定は暗い影を落としたと述べ、この決定は「最終的な言葉であってはならない」とし、「私の考えでは、この日は国にとって悲しい日ですが、戦いが終わったという意味ではありません。」との短いスピーチを行った。つまり、有権者は11月の中間選挙で、中絶保護の法律を制定する議員を選択できると示唆した。

バイデンは議会がRoe v Wadeを連邦法として、明確にするための法律を制定することを求めた。その理由は、今日の最高裁の判定には連鎖反応的な結果が伴うためである。例えば、少なくとも25以上の保守派州は、ほぼ完全に中絶を禁止または何らかの状況を除き、ほぼ完全に中絶を禁止する可能性が非常に高くなるためである。中絶をほぼ全面的に禁止する州はアラバマ、ジョージア、ウェスト・バージニア、オクラホマ;6週間後の中絶を禁止する州はアイダホ、アイオワ、ケンタッキー、ルイジアナ、ミズーリ、オハイオ、サウス・キャロライナ、サウス・ダコタ、 テキサス、ユタ、ミシガン、テネシー;8週間禁止はノース・ダコタである。さらにRoe v Wadeが制定される前の禁止に戻る州は、アーカンソー、アリゾナ、ワイオミング、ウィスコンシンである。これに加えて、複雑な取り組みのあるフロリダ、インディアナ、モンタナ、ネブラスカは連邦政府の法律がない場合、早急に何らかの中絶禁止の法律を制定する可能性がある。ロー対ウェイドが存在する前、例えば1971年に米国で中絶を合法化した州はわずか6州とワシントンD.C.だけであり、ミシシッピー州は妊娠20週目までを合法化していた。その時代に、女性は居住州外で行われる中絶措置を受ける必要があった。それらの中絶の84% はニューヨークで発生した。今日の最高裁の判定は、そのような過去に戻ることを意味する。

最高裁が憲法上の問題について裁定する場合、その判決はほぼ完全に最終的である。今日の最高裁の判定を覆すためには、ほとんど前例がない憲法改正の手続きを行うか、又は、裁判所の別の新しい判決によって、変更することは可能である。しかし、最高裁のメンバーに大きな変化がない限り、それにも限界があると思われる。憲法改正の手続きには、50州中3分の2が可決し、議会で3分の2の投票が必要であり、ほとんど前例がない。約50年前に最高裁が決定したロー対ウェイド(Roe v Wade)に対して、近年の保守派判事は、当時の判定のミスによってなされたものであり、非常に弱いと述べているが、ほとんど政治的決定であるように見える。最高裁の今日の判定は、一ヶ月以内に多くの州で、完全または一部の条件を除き、ほぼ中絶を禁止する法律を制定する引き金を引いたことを意味する。Roe v Wadeが制定される前の時代に戻ることは、多数の問題が生じることが予測される。州外または国外での中絶は、経済的に余裕のある女性には可能であるが、そのような余裕のない女性、そして、レイプでの妊娠、奇形児が生まれる可能性に直面している女性も含めて、全面禁止の厳しい州に住む女性は、最も悲痛な状況に直面することになる。合理的な家族計画がなく、むやみに中絶するような例はどうかと思うが、女性の健康を含む様々な角度からバランスが考慮された連邦法を制定することは必要になるかもしれない。

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