What Trump promised oil CEOs as he asked them to steer $1 billion to his campaign
Washington Post :May 9, 2024
最新のトランプのスキャンダルは、石油会社のCEOらに対して、10億ドルを彼の選挙キャンペーンに寄付すれば、選挙勝利後にそのお礼として、化石燃料ビジネスの障害になる規制を全て撤廃すると約束したことである。これほどの腐敗があからさまに語られることは前大統領ドナルド・トランプ以来である。これは2020年に最初の弾劾裁判に至ったトランプの行為がクイッド・プロ・クゥオ(Quid Pro Quo:好意には好意で返す)であったかを問われた時の状況に似ている。
当時の大統領トランプは2019年7月25日、ウクライナの大統領ゼレンスキーに対して、バイデン親子を調査することを公的に約束した場合、安全保障のための援助資金を提供するとして、議会が認可したその資金を保留したことで、最初の弾劾裁判(2020年1月16日〜2月5日)に直面した。今回は立場が変わり、石油会社が選挙資金を寄付すれば、気候温暖化規制を廃棄するという約束である。彼は共和党の大統領候補者として、指名さえ受けていない立場であるため特に注目されている。この記事は、前大統領ドナルド・トランプがマー・ア・ラゴ・クラブで、米国石油幹部らと会談した時、トランプが彼らに語ったことについて、実際に参加した3人の匿名者がワシントン・ポストに語ったとされるものである。
先月、マー・ア・ラゴ・クラブの海を見下ろす部屋での夕食会で、一人の幹部は「昨年バイデン政権へのロビー活動に4億ドルを費やしたにもかかわらず、依然として負担の大きい環境規制に直面し続けている」との不満を漏らした。トランプは、「皆さんは十分裕福です。私をホワイトハウスに戻すために10億ドルを集めるべきです」と返答し、何人かの幹部を唖然とさせた(stunned several of the executives)という。匿名を条件に(on the condition of anonymity)語った関係者らによると、その報酬として、トランプは「バイデン大統領の数十の環境規則や政策を直ちに撤回(immediately reverse)し、新たな規則や政策の制定を阻止する」と約束した。
トランプ前大統領とジョー・バイデン大統領の気候変動に関する立場は極端に異なることで知られている。バイデン大統領は、地球温暖化を「実存的脅威(existential threat)」と呼び、バイデン政権は過去3年間で、大気汚染と温室効果ガスの排出削減( cutting air pollution and greenhouse gas emissions)、有毒化学物質の制限、公有地と水域の保全(conserving public lands and waters)を目的とした100以上の新たな環境規制を実施した。これまでのところ、バイデン当局者は化石燃料産業(the fossil fuel industry)に影響を与えるトランプ大統領の27件の行政命令を撤廃し、同セクターに影響を与える少なくとも24件の新たな行政活動を完了させている。その一例は、最近アラスカ北極圏の1,300万エーカーにわたる今後の石油掘削(oil drilling)を阻止したことである。しかし、「米国は現在、どの国よりも多くの石油を生産しており、昨年は日量平均1,300万バレル近くを汲み上げた。米国最大のエネルギー会社であるエクソン・モービルとシェブロンは昨年、ここ10年で最大の年間利益を報告した」という。
一方、トランプは気候変動説を「でっちあげ(hoax)」であると主張し、彼が最初の就任の4年間でオバマ政権までに機能していた125以上の環境規制や政策を弱体化または廃止した。トランプは、石油会社の幹部らとの夕食会で、具体的に幹部の何人かが優先事項として挙げていたメキシコ湾での石油掘削のための追加リース権の競売を開始し、アラスカ北極圏での掘削に対する制限を撤回すると述べたという。トランプは、風力発電についても激しく非難した(railed against wind power)という。更にトランプは、電気自動車に関するバイデンの「義務」を撤回すると約束したが、トランプは「環境保護庁が最近最終決定した野心的な規則の特徴」を誤解しているという。この記事は「この規則が自動車メーカーに対し、車のテールパイプ(car tailpipes)からの排出ガスを削減することを義務付けているものの、EVなどの特定の技術については義務付けていない」と説明している。出席者3名の匿名者はトランプが選挙に勝利した場合、それは「初日で分かるだろう」と同氏が語り、就任初日にバイデンのそのような政策を廃止すると約束したという。
トランプの「EPA規則の撤廃計画は化石燃料産業に利益をもたらす」可能性があるが、ガソリン車(gasoline-powered cars)から電気車に移行するため、「数十億ドルを投資してきた自動車業界を怒らせる」可能性がある。大多数の「自動車メーカーは、独自の排気管排出規制を厳格化した欧州でEVの販売を増やすよう圧力が高まっており、世界中で規制のパッチワーク(avoid a patchwork of regulations)を避けたい」と考えている。
このニュースが報告されてから3日が経過した現在も、この行為を非合法であるとして指摘している法専門家はいない。米国最高裁は、2010年1月にCitizens United vs. Federal Election Committee(FEC)の判例で、お金も言論の自由であると判定し、腐敗の種を蒔いたため、このようなことが平然と行われている。しかし、この判定以来の顕著な例は2回とも前大統領ドナルド・トランプから来ている。この腐敗の現実に対応するためには、議会が選挙資金に関する明白な規制を制定する必要がある。参加者の3人がポスト紙に報告した現状は、彼ら全員がトランプに同意したことを示唆していない。トランプに招待された化石燃料産業は約24社であり、ベンチャー・グローバル、 シェブロン、エクソン、コンティネンタル・リソーセス、オクシデンタル・ペトロリウムナなどが含まれている。マー・ア・ラゴ・クラブでのトランプの会話と参加者リストがメディアに漏れた事実は、気候変動対策を支持している有権者に益々警戒心を与えている。2023年8月9日に報告されたピュー・リサーチの世論調査によると、69%のアメリカ人は、米国が2050年までに目指している炭素削減の措置を支持している。