今日公表された政府のデータによると、関税は本格的なインフレーションに影響があることをまだ示唆していない。2025年6月11日に報告されている物価指数は、関税の影響が最も大きいとされる製品も含めて多くの分野で、価格が落ちたことを示した。これまでに報告されているデータは、インフレ率全体を押し上げるほどの大きな変化は起きていないことを示している。
米国労働統計局が6月11日に発表した5月の消費者物価指数は、4月の0.2%上昇に続き、5月もわずか0.1%上昇したため、全品目指数は2.4%上昇した。これは4月の年率2.3%をわずかに上回っただけである。食品とエネルギー価格を除くインフレ率は2.8%で変化はない。コア・インフレーションと呼ばれるこの価格指標は、物価の基調的な圧力を測る指標として、経済専門家が注視するものである。前月比では、総合指数は0.1%上昇し、食品とエネルギーを除く指数と同水準であり、専門家の予想より低いとされている。
米国労働統計局が11日に発表した過去12ヶ月間の調整前消費者物価指数の主要項目は以下のとおりである。以下は2025年4月と5月および季節調整済み前月比の数値を示している。
項目 4月% 5月% 調整済み前月比%
全ての製品 0.2 0.1 2.4
食品 -0.1 0.3 2.9
エネルギー 0.7 -1.0 -3.5
エネルギー用品 -0.2 -2.4 -11.6
全タイプのガソリン -0.1 -2.6 -12.0
燃料油 -1.3 0.9 -8.6
電力 0.8 0.9 4.5
全項目(除食品/エネルギー) 0.2 0.1 2.8
新車 0.0 -0.3 0.4
トラックを含む中古車 -0.5 -0.5 1.8
衣類 -0.2 -0.4 -0.9
医療ケア用品 0.4 0.6 0.3
医療ケア・サービス 0.5 0.2 3.0
住宅 0.3 0.3 3.9
交通サービス 0.1 -0.2 2.8
価格が低下した主な項目として、エネルギー指数は5月に3.5%低下した。ガソリン価格は前月比2.6%下落し、この12ヶ月間で12.0%下落した。燃料油指数も同じ期間で8.6%下落し、天然ガスは前月比1.0%下落した。食品の中で、肉類、鶏肉、魚類、卵の価格は5月に0.4%低下し、卵の指数は2.7%低下した。衣料品は5 月に0.4%下落し、一般的に最も懸念されていた中古車価格も5月には0.5%下落した。自宅外宿泊指数は5月に0.1%低下した。医師サービスは前月比0.3%低下した。
一方、全品目指数は4月までの12ヶ月間で2.3%上昇した後、5月までの12ヶ月間で2.4%上昇した。食品の価格は、過去1年間で2.9%上昇した。食料とエネルギーを除く全項目の指数は、4月0.2%の上昇に続き、5月も0.1%上昇し、過去12ヶ月間で2.8%上昇した。電力は5月に0.9%上昇し、過去1年間で4.5%上昇した。持ち家は5月に0.3%上昇し、賃貸料は0.2%上昇した。住居は過去1年間で3.9%上昇した。医療サービスは4月に0.5%の上昇に続き、前月比0.3%上昇した。病院サービスは5月に0.4%上昇し、処方薬指数は0.6%上昇した。過去1年間で顕著な上昇が見られたその他の指数には、医療(+2.5%)、自動車保険(+7.0%)、家庭用家具/設備(+2.7%)、娯楽(+1.8%)などがある。
要するに、5月の総合インフレ率は、トランプ大統領の関税が米国のインフレーションを急速に増加させる結果にはなっていない状況を示している。一般のアメリカ人は、食品やガソリンの価格が増加することを最も懸念しているが、肉類、鶏肉、魚類、卵の価格は5月にわずかながら低下し、特に卵の値段は過去一年間で2.7%まで低下した。また、エコノミストらの予測に反してガソリン価格は4月に比較して5月には大幅に下落した。イギリスの週刊誌エコノミストによると、ドナルド・トランプ大統領が「解放記念日」と呼んだ4月2日に関税を課すと発表した以前でさえ、シカゴ大学ビジネス・スクールが調査した48人の経済学者の中央値は、トランプの関税が2025年のインフレ率を0.8%ポイント押し上げると予想していた。一方、大統領の立場は「関税は、我々を搾取してきた外国への増税」であり、外国が「関税を負担」し、アメリカの消費者には物価上昇の影響を与えないと述べていた。しかし、エコノミストは全く逆に主張を繰り返し、関税は大幅に消費者が支払うことになると述べている。トランプ大統領は、関税を発表した後に延期するという関税劇を繰り返しているため、外国から製品を購入することで、関税に影響を受ける企業はまだそのコストを顧客または消費者に転嫁しておらず、顕著な価格上昇はまだ起きていないことを示唆している。鉄とアルミニウムに課せられた50%の関税は6月4日に有効になったとされているため、2025年のインフレ率を0.8%押し上げるとの予想は今後の報告で示唆される可能性がある。