米国上院共和党議席が民主党議席に変わる可能性の理由

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アラスカ、オハイオ、ミシガン、テキサス、メイン、アイオワ、カンザスの7州は従来、共和党が優勢な州でした。しかし、トランプ政権のほぼ全ての政策が政治的環境を変化させました。昨日から注目されているこれらの州は、米国上院議会で、共和党が保持する座席が全て民主党に入れ替わる可能性があり、それにはほとんど理由があります。

ワシントン・ポストの記者アンバー・フィリップス氏は、文頭で「到底確実であるとは言えない」と慎重な構えを示唆しながらも、11月3日の中間選挙では、これら全ての7州での米国上院議会の共和党議席は民主党議席に変わる可能性について述べています。とは言え、これら7州は長年「共和党が優勢な州」ですが、「民主党が上院の主導権を奪還する可能性はある」と伝えています。

アラスカ州は、トランプ氏と彼の司法省によって、元下院議員のメアリー・ペルトラ氏の勝利が直接阻止される可能性がある選挙妨害に直面しています。現役の共和党上院議員ダン・サリバン氏は3期目を目指して立候補しています。既にご承知のように、現役のサリバン氏は、元教師である別のサリバン氏の挑戦にも直面している為、現役のサリバン氏が僅差で敗れた場合、司法省は選挙結果の認定を阻止しようとする訴訟を起こしました。しかし、選挙専門家らは、政府側の試みは成功しないだろうと予測しています。司法省で投票権担当弁護士を務めた超党派の選挙イノベーション・研究センターの主任デビッド・ベッカー氏は、「連邦政府には、州による選挙結果の認定に介入する法的根拠も権限も一切ない」と述べました。同州では民主党の上院議員が選出された場合2008年以来となります。「サリバン上院議員はこれまで時折、トランプ氏と距離を置く姿勢を静かに示してきたが、選挙が近づくにつれてその傾向は強まっている。一方、民主党は、ペルトラ氏を上院選の候補者として擁立することに成功している。アラスカ州の下院議席は1つしかないため、ペルトラ氏はすでに州全域で勝利できることを証明済みであり、現在、州内における生活費の高騰という問題に注力しています。」これらの状況はペルトラ氏が7州の中で、最も可能性がある民主党候補者の一人である理由です。

オハイオ州の共和党上院議員であるジョン・ハステッド氏は、J.Dバンス副大統領の後任として、昨年上院議員に任命されたばかりです。ハステッド氏は今回、「オハイオ州政界で著名な人物であり、今もなお現職の上院議員だと思っている有権者が一部存在するシェロッド・ブラウン前上院民主党議員と議席を争っています。 オハイオ州の有権者は、トランプ氏が掲げる不人気な政策の数々に苦しんでいます。農業州であるオハイオ州では、トランプ氏の対イラン政策の影響で、肥料の価格が高騰しています。また、製造業に依存してきた同州において、関税政策は製造業の復興をもたらすには至っていません。さらに、州内で急増しているデータ・センターの建設を阻止しようとする動きが、超党派かつ草の根レベルで広がっています。」共和党側は、ハステッド氏が敗北した場合、有権者が同氏を「データ・センターの建設を歓迎している人物」と判断している可能性があると言います。

ミシガン州は、物議を醸す進歩派の民主党候補アブドゥル・エル=サイード氏は、共和党にとって有利な年だった2024年の上院選において、僅差で敗れた元共和党下院議員マイク・ロジャースとの競争になっている。エル=サイード氏は、「民主社会主義運動とは関係がないものの、多くの進歩的な見解を持ち、辛辣な選挙運動を展開し、一部のユダヤ系献金者を遠ざけている物議を醸す選挙協力者を擁護している。」しかし、トランプ大統領は激戦州であるミシガンで「極めて不人気である」という点で、エル=サイード氏はロジャースを平均4ポイント有利な立場にいます。

テキサス州では、予備選で敗北したベテランで温厚派の共和党上院議員ジョン・コーニン氏    の空席を巡り、民主党は、ジェイムス・タラリコ氏を候補に指名しました。「神学生である彼は若く、党を団結させ、トランプ氏に不満を抱く有権者を取り込む力があると、党内の多くの人々から評されています。」 一方、共和党はトランプ氏の支援を受けて、州内で腐敗した人物として知られる司法長官のケン・パクストン氏を候補に指名した。「民主党は過去30年間、同州全体を対象とする選挙で勝利を収めていないが、今年は、彼らにとってあらゆる状況が好転している。共和党側の関係者は、億万長者イーロン・マスク氏の潤沢な資金を背景に、選挙戦の行方は共和党がどれだけの資金を投入できるかによると主張し、タラリコ氏がこの州にとってはあまりに急進的すぎると共和党寄りの有権者に訴えている」ようです。

メイン州では民主党が上院で過半数を奪還するためには、上院共和党議員としての経歴が長いスーザン・コリンズ上院議員の「在任期間に終止符を打つことが、ほぼ不可欠な条件となっている。同氏は、2024年の大統領選でトランプ氏ではなく、カマラ・ハリス副大統領を支持した州を選挙区とする唯一の共和党上院議員である。また、民主党に有利な傾向がある中間選挙の年にコリンズ氏が再戦に臨むのは、ここ数十年で初めてのことである。」民主党は、上院で1990年代以降、上院議員としての経歴がある彼女が「独立した考えを持つ共和党員」という同氏の「ブランド・イメージが損なわれている兆候がある」と見ている。もっとも、「コリンズ氏の「選挙区では、大統領選において一貫して民主党候補を支持してきたという経緯もある。 コリンズ氏の対立候補であり、元州上院議長である進歩派のトロイ・ジャクソン氏は、最初の民主党候補が性的暴力のスキャンダルで浮上し、退陣に追いこまれた後、「急ごしらえで選挙陣営を立ち上げざるを得なかったため、選挙運動の一部は、控えめすぎる、あるいは要領を得ないといった印象」があるとされる中で、ジャクソン氏はコリンズ氏を平均2ポイント有利な立場にいます。

アイオワ州では「共和党がトランプ時代を通して一貫して勝利を収めてきた。しかし、多くの農業州と同様、アイオワ州もトランプ氏の関税政策や、イランをめぐる情勢に起因するガソリン、ディーゼル燃料、肥料の価格高騰によって苦境に立たされている。」同州で最も人口の多いポーク郡の民主党委員長ビル・ブラウチ氏は、「人々は、共和党が長年にわたって何の手も打たず、ただ手をこまねいている様子を目の当たりにしている」と語った。 共和党候補のアシュリー・ヒンソン下院議員は、選挙戦当初は「上院でトランプ氏の味方になる」と公約していたが、現在は超党派的な姿勢をアピールしようとしている。元パラリンピック選手である州議会議員のジャシュ・テュレック民主党候補は、「彼の選挙区がトランプ氏を支持した選挙地盤になっているものの、現在驚くほど接戦になっている」中で、テュレック氏は平均2ポイントでリードしているのです。

カンザス州は1932年以来、民主党の上院議員を選出したことはない。これまで、完全な保守州であり、今年「接戦になる可能性がある」段階から「完全に接戦」の様相を呈するまでに変化した。「この状況は驚くべきことである」と言います。「カンザス州もまた、トランプ氏の関税政策やイランをめぐる緊張によって打撃を受けている農業州の一つである。民主党は、この好機を捉えるべく、ユニークな候補者を擁立している。アダム・ハミルトン氏はカンザス州で5代続く住民であり、同州最大級の教会の創設者でもある。 過去6年間トランプ氏の政策に同調する姿勢を貫いてきた共和党の対立候補であるロジャー・マーシャル上院議員は、有権者からの支持を得るのに苦戦している」と言います。

要するに、これまでの世論調査が示しているように、上院議会の7州での座席争いは、最終的には有権者が関税、対イラン戦争の結果として、トランプ大統領の政策を例外なく支持していないことを示唆しています。一般的な有権者が、高騰する家賃、食品など、経済的な生活苦に悩まされているだけでなく、ガソリン、ディーゼル燃料、肥料の価格高騰に農家も苦しんでいることを明白にしています。経済が最大の投票参加の動機になっていることから、これまで長い間、強固な共和党基盤の地域で、変化が起きていることは、全米で同様であることに注目する必要があります。一方、テキサス州の共和党関係者は、トランプ氏の政策の問題点を指摘することを避けて、勝利の鍵は資金の規模によると示唆していますが、民主党候補のタラリコ氏はマスクから資金が注がれているパクストンを平均3ポイントでリードしています。テキサス州も含めて、資金が選挙結果に貢献する最大の原動力ではなく、過度な腐敗も中間選挙の課題であることを示唆しています。加えて、総体的に共和党は、有権者が生活苦を緩和できる論議に欠けていることです。上院議会に限らず、共和党議員らは、トランプ氏の行動に手をこまねいていただけです。ですから、ブルーの大きな波は起きないとしても、完全な保守州が「接戦州」になったことは驚くべき現象です。米国下院議会の選挙でも同様の事が言えます。

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