近年、米国では70歳代の労働者は珍しくなく、85歳以上の高齢者の就労人口さえ増えている。加えて、米国は55歳または65歳で退職するという慣行は消えつつあり、2024年までには55歳以上及び65歳以上の労働力は増加すると予測されている。なぜ、米国は中高齢者の労働力が増加しているのか?
5日のワシントン.ポストによると、過去12ヶ月間に就労した85歳以上のアメリカ人は合計255,000人である。これは2006年の景気後退前の2.6%から4.4%に増加し、記録上最も高い数字である。2016年の国勢調査局の数字に基づいて、85歳以上の米国のトラック運転手の数は1,000人から3,000人の範囲である。高齢労働者は人種、民族、地理的に大きな違いはなく、若い世代とは非常に異なる仕事をしている。国勢調査局のデータは、最も高齢労働者のほとんどが455の職業の中でわずか26に集中している。これら同じ26の職種は全労働力の1/3以下に収まっている。85歳以上の労働者は、製造業や建設業など物理的にハードな労働より、管理職や販売業が一般的である。
国勢調査局の調査による85歳以上の高齢労働者の職業は看守、葬儀担当、ミュージシャン、農家、牧場経営、モデル、デモンストレーター、プロダクト.プロモーター、農業経営、購買代理店、農家製品販売、テーラー、ドレスメーカー、下水道、税務申告、理髪業、音楽宗教労働、靴や皮革労働及び修理、作家などが挙げられる。米国では高齢の労働者を差別する風潮はないため、事実販売業の高齢者をストアで見かけることは良くある。米国最高裁リベラル派のルース.ベイダー.ギンズバーグ(1933年3月生まれ)は85歳である。富豪者のウォーレン.バフェット(1930年8月)、ハンガリー系アメリカ人でビジネスマン、慈善事業者、政治活動家、作家であるジョージ.ソロス(1930年8月)、アメリカの小説家、編集者、プリンストン大学の名誉教授トニー.モリソン(1931年2月)の三名は87歳である。
この状況は、ベビー.ブーマーやその両親の世代層は平均余命が伸び、退職が遅れ、教育水準が上昇するにしたがって、もっと長く働いているアメリカの中高齢労働力の現状を示唆している。労働省の統計によると、毎年55歳以上の米国人住民が就労しているか又は仕事を探している率は最も高い。2017年の労働統計局(BLS)によると、2024年までに米国の労働力が約1億4,600万人に増加すると予測されている。この数字には、55歳以上の約4,100万人が含まれており、そのうち約1,300万人が65歳以上になると予測されている。また、65歳から74歳、75歳以上の年齢層は、他のどの年齢層よりも労働力の成長率が高いと予測されている。総体的に2014年から24年の期間に、65から74歳の労働力の成長率は約55%になると予想され、75歳以上の労働力の成長率は約86%増加し、これは労働力全体の5%増を占めている。
BLSによると、米国は労働力が変化している。例えば、1990年代にはこれらの中高齢労働者の割合は増加する一方で、若年層労働者の労働力は減少し始めた。2003年までには、中高年齢労働者グループの割合はもはや最小ではない状況になった。この増加は、1946年から1964年の間に生まれたベビー.ブーム世代によって支えられている。2024年までには、ベビー.ブーマーは60歳から78歳に達する。加えて、社会保障制度の退職給付の対象となった後も、その一部は引き続き働くことが期待されている。人々は多くの理由から、退職年齢後も働いているが、彼らは以前の世代よりもっと健康で、平均余命が長い。高い教育を受けた人口層ほど労働力に就く可能性が高くなっている。加えて、社会保障給付と退職計画の変更、及び退職のために多くの費用を節約する必要があるため、働き続ける動機があるという。
要するに、中高齢者が仕事を続ける理由は、必要性によるものか個人的な選択によるものか個人差があると思われるが、ギンズバーグ判事の明白な理由は、現時点で彼女が退職した場合、保守派判事に彼女の席が奪われる可能性が高いからである。彼女は癌生存者であり、心身共に強い女性である。1999年、ギンズバーグは結腸癌で手術を受け、化学療法と放射線療法を続ける過程で、法廷のベンチに1日も欠場しなかった。そのような彼女は民主党が多数派になるまで、退職しないと言われている。これは彼女が米国最高裁の最長年として、奉仕続ける公然たる理由である。一般的には医学の発達により、健康な高齢者が増えていること、独立し、自営業を経営する人々が増えていること、退職することより労働し続けることで、精神的充実感を持つ人々が増えていることなどが中年及び高齢者の労働参加を促進している要因である。しかし、少なくとも35%の米国民は緊急時に必要な5,000ドルさえ工面できないほど預金がないと言われているため、経済的に退職する余裕がない側面も見逃せない。加えて、若い世代の労働力はこれらの年代層とは逆の傾向があることも米国の社会的側面を反映している。