前代未聞の政府閉鎖による混沌状況

Image result for Images of Trump and government shutdown on Jan. 9, 2019By    BBC

ドナルド.トランプは昨夜東部時間9時2分から9分間のスピーチで、国家緊急事態を宣言することはなかったが、いつものようにファクト.チェックで訂正される複数の驚異的な虚偽を語った。民主党リーダー二人も、その直後全国テレビ放映でトランプに反論した。政府閉鎖が18日を迎え、給与を受けないため困難に直面した人々が増えている今日、トランプは議会を訪問し、再度国家緊急事態宣言を脅した。政府閉鎖の論議のため両党の議会メンバーと会談した9日、会議最初の段階でトランプは時間の無駄であるとして、部屋を出たため、最悪の状況で終わった。政府閉鎖をトランプ大統領の責任であると見ている米国民は引き続き増えている。

トランプは、昨夜の短いスピーチで国境に入る中央アメリカからの亡命者の問題をどのように解決するかを提起するのではなく、数千人もの無実のアメリカ人が不法移民に殺害され、麻薬が流入し、人身売買の犯罪は制御不可能な状況であるとの誤信に基づく悲観と恐怖を煽った。また、民主党は国境安全の論議に参加していないとして、政府閉鎖の責任を民主党に向けた。9分間の短いスピーチで予想外の驚きは、トランプが全国ネットのテレビ中継で国境整備のため、期限付きの寄付基金を要請したことである。その直後、同じく全国ネットで、トランプに反応した下院議長ナンシー.ペロシ及び上院少数派リーダーのチャック.シューマーは、壁の費用はメキシコが支払うとの公約であるにも関わらず、国民が支払う結果になる無意味な壁建設は受け入れないが、近代技術を導入することや警備を強化することなど、国境の安全強化対策に民主党は同意し、既に論議していると語り、すぐ政府を再開するよう要請した。

トランプは昨夜のスピーチの冒頭で「私たちの南部の国境では、増加している人道的、安全保障上の危機があるので、私はあなたに話しています」と述べ、カリフォルニア東部からテキサス州までの国境沿いの状況を「危機」と表現した。 しかし、8日に公表されたポリティコの世論調査では、国境が危機状態であると見ている人は10人中4人である。また、危機であるとは見ていないが、亡命者が増加している状況である為、37%は国境に沿って「問題がある」と見ている。また、トランプは「連邦政府の閉鎖は、民主党が国境警備に資金を提供しないことがただ一つの理由である」と述べた。これは完全な虚偽である。民主党は、強化された監視およびフェンスのような国境警備措置のため13億ドルの資金を提供」してきた。 民主党はトランプが国境強化を壁だけに固執している事に同意していないだけである。また、トランプは国境が「麻薬のパイプライン」になっていると述べたが、2018年の麻薬取締局の報告では、そのほとんどは入国の合法的な港で摘発されていることが判明している。更に「この壁にはメキシコとの間で行われた偉大な新しい取引によって間接的に支払われます」と述べたが、壁そのものが支払われるとの主張は虚偽である。 なぜなら、「米国 .メキシコ. カナダ協定として知られる改訂後の北米自由貿易協定は、まだ議会で可決されていない。合意が成立すれば、その協定からの経済的利益はほとんど、アメリカに対するより低い関税又は米国の労働者に対する賃金上昇の形でもたらされる」だけであり「壁の費用はメキシコが支払う」とのキャンペーン公約とは無関係である。

午前中上院議会を訪問したトランプは、午後ホワイトハイスで両院両党のリーダーおよび政権の関係者と共に緊急会議を行なったが、会合のほぼ最初の時点で敗北に終わった。両党の代表団は記者団に対して、トランプはナンシーに「私の壁に同意しますか」と聞いた。 ペロシが 「ノー」と答えると、トランプは立ち上がり「それでは、私たちが論議することは何もない。時間の無駄である」と述べ、部屋から出て行ったとこの瞬間の状況を同様に報告した。政権代表者の一人である国土安全保障省の長官カーステン.ニールセンは壁の必要性を強調し、副大統領マイク.ペンスは国境の安全強化に民主党が論議する意志がないと批判したが、政府を再開するのは彼らの責任であることを認めた。下院少数派リーダーのケビン.マッカーシーは民主党の態度は「恥ずかしい」と述べ、癇癪を起こして部屋を出たトランプを擁護した。

18日目を迎えた今日、トランプが政府閉鎖を先導していると思っているアメリカ人は増加している。8日に発表されたロイター通信/イプソスの1月1日から7日までに行われた全国世論調査は成人の51% が、政府閉鎖はトランプが「大部分の非難」に値すると考えており、12月21日から25日に行われた同様の世論調査から4%ポイント増加した。これは閉鎖が長くなればなるほど、トランプに対する非難は激しくなる可能性があることを示唆している。一方、32%は閉鎖の責任を議会民主党員であるとし、7%は共和党に責任があるとして、前回とほとんど変化はなかった。同じく ポリティコの世論調査では47%がほとんどトランプの責任であると答えている。議会民主党の責任であると答えた率は33%である。また、現在、既に賃金を受けていない労働者が多数いる中で、一部はその苦境を表明しているため、上院共和党の複数のメンバーは、政府閉鎖を公的に反対し始めた。リサ.マーカウスキーは8日、政府閉鎖には明白な理由がないと述べ、上院では共和党間で衝突があることを示唆した。下院議会では少なくとも8人の共和党が、壁なしの法案を通過することを支持し、国境での安全強化を壁より、技術と戦略で向上させることを強調している。

9日のホワイトハウスでの両党代表者の会合は、ほとんど論議が進まず、惨めな結果に終わった。国境の安全強化について、その方法に両党間で本質的な違いがあること、共和党は理由を曖昧にし、難民入国の恐怖を「危機」として強調する戦略を利用している状況を浮き彫りにした。政府閉鎖がこれ以上続く場合、必要な箇所の資金が提供されていないため、特に国家安全保障の問題に懸念が拡大することは必然である。国民は政府閉鎖の責任をトランプに向けている現状、及び政府閉鎖で経済的苦難に直面している個人が公然とその苦境を語っている状況下で、国家緊急事態宣言のみが壁資金を獲得し、政府閉鎖を終える方法であると考えていることを示唆したトランプは明らかにMy way or Highway(自分の主張以外の方法を認めない強引さの比喩)の気質を露骨に表明した。既に混沌たるホワイトハウスで、冷静に会議をリードすることが不可能な大統領下で行われた会合は情けない状況になったようである。加えて、裁判所記録に基づき、トランプ.キャンペーンの議長であったポール.マナフォートは、政治的投票データーをロシアの情報当局に近いビジネス関係者に提供していた事実が公開されている為、混沌は更に今後も続く可能性が高い。

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