ニール.ゴーサッチ判事 By The Hill
米国最高裁は15日、LGBTに対する性的違いによる差別を禁止するための歴史的な判定を下した。1964年の公民権法の礎に基づいたその最高裁の決定はLGBTの従業員に劇的な勝利をもたらした。最近のコロナウイルスの脅威、経済崩壊、及び人種紛争の混沌と危機の中で、ひときわ新鮮な響きを与えている。2017年4月に就任したトランプ大統領の最初の任命者であるニール.ゴーサッチは伝統を重んじる厳格な保守派であると言われていたため、彼が首席判事ジョン.ロバーツと共にリベラル判事側に参加したことは驚きである。トランプ大統領は最高裁の決定を受け入れる事を示唆するコメントをした。
1964年の公民権法は人種、宗教、性別などの理由による職場での差別を禁止し、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の従業員を性に基づく差別から保護することを謳っている。最高裁は15日、保守派の首席判事ジョン.ロバーツと多数派の意見を代表したニール.ゴーサッチが4人のリベラル派に参加し、6対3で、この法律を維持する歴史的な決定を下した。しかし、2018年7月にトランプに任命されたブレット.カヴァナフは、強固な保守派2人の反対者であるクレアランス.トーマスとサミュエル.アリートに参加した。多数派の意見を書いたゴーサッチ は同性愛者またはトランスジェンダーであることを理由に、その人物を差別することは「不可能である」と述べ、雇用主は「特徴や行動」のために如何なる従業員も差別してはならないと書いた。
ジョン.ロバーツ首席判事はゴーサッチに意見書を作成する任務を与えた。皮肉な事に、トランスジェンダーが軍隊に入隊することを禁止したトランプの任命者で最も保守的判事の一人であるゴーサッチは、約3年後にトランプの政策に反する広範な意見を書いた。おそらく、人種、宗教、性別による職の差別を禁止する公民権法の厳格な解釈に基づいていることを強調するためである。15日のこの判定を受けて、ゴーサッチの保守派の友人達は、全面的に批判した。クレアランス.トーマスの元書記であったキャリー.セヴェリーノは、ゴーサッチの前任者であったスカリア判事の「後継者が今日(15日)、大学のキャンパスや編集委員会にアピールするため、原文主義にあまりにもひどく失敗したことに失望するだろう」と語った。
同性愛者の権利に拒絶反応を示していたトランプにとって、彼が指名した判事が彼の意思に反する意見書を提起したことは、皮肉で驚きの展開である。トランプは15日、珍しく批判する事を控え、最高裁の判定を受け入れる事を示唆した。この課題に関する米国民の考え方は非常に柔軟になっており、2019年5月22日のギャロップの世論調査では、63%の回答者が同性愛者またはレズビアンの関係は道徳的に受け入れられると述べている。又、2017年以来、64%から67%は「同性結婚は合法であるべきです」と言い続けている。従って、LGBTの従業員に対する職場の保護を拡大する最高裁の決定は、トランプが再選キャンペーンで、再度多大な課題に直面した事を示唆している。もはや急速に進化しているLGBTに対する保護を公約しない場合、この地域社会から支持を受けないだけでなく、時代の風潮についていけない大統領とみなされる事を意味する。又、既に多くの州は2015年から、同性結婚を憲法上での権利として成文化した。そのような時代的な流れから見ると、最高裁が次にLGBTの平等の保護を1964年の公民権法に沿って再確認したことは自然な決定である事を示唆している。
トランプ大統領は15日の判定に驚いた様子で、ほとんど反応できなかったようであるが、官僚室で「彼らが判定し、私たちは彼らの決定に従って生きます。実際には非常に強力な決定です」と幾分曖昧に語った。一方、前副大統領ジョー.バイデンは「私たちの国の物語は、すべての人々のためのより大きな正義と平等に向けての容赦のない行進の一つです。今日、最高裁は、すべての人々は尊厳と威厳をもって扱われるべきであるという簡単明瞭で深いアメリカの考えを確認しました。誰でも、恐れずに本来の自分として、公然と誇りを持って生きることが可能であるべきです」と述べた。加えて、最高裁は15日に、憲法修正第二条に関連する強力な「銃の権利」を主張する10件の判例を包括した上訴のケースを取り上げる事を拒否した。又、トランプが挑戦したカリフォルニア州のサンクチュアリー(聖域)に関するケースの聴聞会も行わないと決定した。
下級裁判所の判例に対して、トランプ政権が最高裁に上訴していたこれらの課題は全て、最高裁によって、その聴聞さえ拒否されたため、下級裁判所の決定が最終決定になる事を示唆している。従って、カリフォルニア州のサンクチュアリーの例をあげると、同州の聖域は引き続き、現行法として生存する事を意味する。特に、不法移民に対するトランプ政権の虐待は目に余るものがあった事実を最高裁が除外したとしても、カリフォルニア州の米国第9巡回区控訴裁判所の判定は合憲であると判断した事を示唆している。少なくとも、全ての州は公衆安全を保護する権利がある事を最高裁が尊重したと思われる。又、憲法修正第二条の銃権利に関連性のある判例の一つはニュージャージ州で、個人が拳銃を公的場所で保持する事を許可するかどうかについての論争である。最高裁は、この銃の権利に関する聴聞については、下級裁判所の決定に仲介する事を拒否した事を意味する。大半の州は、特に精神健康上の問題のある個人及び犯罪歴のある人物の銃器保持を禁じている。又、ほぼ全ての州は政府関連の建物や学校での銃の持ち込みを禁じている為、州の法律を重視し、特定のケースのみに視点を当てる意欲はない事を示唆している。トランプが挑戦した課題も含めて、総体的に、11月の大統領選まで5ヶ月間に満たない状況下で、民主党大統領がホワイトハウスに入った場合、現大統領が廃棄しようとしているこれらの挑戦課題は全て自動的に消滅する為、最高裁の15日の決定はタイミングを考慮して、選挙前の現時点で聴聞しないと決定した可能性がある事を示唆している。